「GAP(ギャップ)」とは「Good(良い) Agricultural(農業の) Practices(取組)」の頭文字をとった略称で、消費者・生産者・環境にとって「Good」な農業の取組のことを指します。
一般的には、「農業生産工程管理」とも呼ばれており、「農産物を生産する際のすべての工程(準備から出荷まで)を見つめ直し、リスク(危害や事故起きる恐れ)があれば、それを回避するための対策を立て実践すること」がGAPの取組です。
GAPには基本となる5つの項目があり、それらは以下のとおりです。
いずれも農業を行う上で重要な要素であるため、これら5つの項目を意識してGAPに取り組むことが大切です。
GAPに取り組むことで、
を実現することができ、将来的に持続可能な農産物の供給につながります。
農産物を生産する際のリスクは
などがあります。
☆ポイント☆
これらのリスクの中から危害要因を特定し、それに対する対応策を考え、実行していきましょう。また、対応策はその効果を見つつ、必要に応じて見直しましょう。
農産物を口にする消費者や、農作業を行う生産者を守り、次世代に経営をつなげていくためにも、GAPでリスク管理を行うことは大切です。
これまでに出荷した農産物に問題がなかったとしても、引き続きそういったリスクを確実に回避するためにリスク管理を行いましょう。
また、問題が発生した際には、すぐに原因を究明できるようにすることで消費者や取引先からの信頼が得られます。
(例)残留農薬のリスクとその対応策
☆ポイント☆
すべて点検できたら、1に戻ってリスクを再確認しましょう。
1から4の手順を繰り返すことで、リスクを確実に回避できます。
リスクへの対応策を確実に実践し、後から何を実施したかを確認するためには、チェックシートを活用することが効果的です。
チェックリストはいつでも確認できる場所に置いておきましょう。
GAPリーフレット1 (PDF:2 MB)
GAPリーフレット2 (PDF:2 MB)
本県では、平成20年3月に「滋賀県GAP推進方針」を定め、以降令和6年度まで「滋賀県版GAP」を活用して県内のGAPの取組を推進してきました。
今後は、
の5分野の取組事項がある「国際水準GAP」を推進するため、令和4年3月8日に農林水産省が策定した「国際水準GAPガイドライン」に沿って、GAPの取組を推進します。
詳細は、以下のリンク先(農林水産省のホームページ)にてご確認ください。
その他、GAPに関連する情報は、以下のリンク先(農林水産省のホームページ)からご確認いただけます。
農林水産省ホームページ内のGAPに関するトップページです。
オンライン学習ツールや、各種事業の公募状況など、GAPに関する様々な情報をご覧いただけます。
農林水産省がまとめているGAPに関する各種相談窓口やリンク集(GAP関係団体、審査会社、GAP農産物のマッチングサイト)です。
滋賀県のGAP認証取得のための取組などを農業高校生に知ってもらうため、令和7年10月27日(月)に、講義を実施しました。
○場所:滋賀県立長浜農業高校
○対象生徒:2年生12名
○講義の内容(概要)
(1)GAPとは
・Good Agricultural Practicesの頭文字G、A、Pを取ったもので、日本語に直訳すると「良い農業のやり方」。
・「日本GAP協会」のHPによると、「GAPは、『持続可能な農業』のために生産者が取り組むことをまとめた基準」とされています。
・【食品安全】、【労働安全】、【環境保全】、【人権保護】、【農場経営管理】の5つの取組が基本です。
・取組の例:「5Sの実践」…整理、整頓、清潔、清掃、習慣
(2)国内の様々なGAP
・国際水準GAP:「JGAP」「ASIAGAP」「GLOBAL G.A.P.」
・その他、都道府県などの独自GAPなどがあります。
(3)滋賀県のGAP推進の具体的な取組
・国際水準GAPに対応できる指導員の育成、審査費用助成など国の支援制度の活用など。
(4)県内の認証取得事例
・滋賀県立長浜農業高校「日本なし」「ぶどう」(JGAP認証取得)、滋賀県立農業大学校「メロン」(ASIAGAP認証取得)などがあります。
(5)農業高校生に望むこと
・GAPを理解しよう!
・学校の実習などで、GAPを取り入れよう!
・GAPの考え方を広めてほしい!
(6)農業高校生から頂いた、GAP普及のための提案(一部抜粋)
・GAPのパンフレットを作成して配布する。
・SNSやYouTubeでGAPについて発信する。
・農業者と話すときに、GAPについて話してみる。