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無菌性髄膜炎について

・無菌性髄膜炎は、発熱、頭痛、嘔吐のいわゆる3主徴をみとめ、後部硬直、Kernig徴候などの髄膜刺激徴候が存在すること、髄液一般検査で定型的な所見を認めること、髄液の塗抹、細菌培養で細菌を検出しないことにより診断がなされる症候群です。

・通常、塗抹染色標本および一般細菌培養にて病原体がみつからないものがあり、多種多様の起因病原体があり、エンテロウイルス属が最も多く報告されています。

・また、特に成人の場合は膠原病、悪性疾患などの様々な非感染性疾患でも無菌性髄膜炎を起こすことがあります。

流行期

無菌性髄膜炎全般について考えれば、多くの病原体が関与している症候群であるので、一定の流行はありません。

しかし、全体に占めるエンテロウイルスによる割合が大きく、基本的な流行パターンはこのウイルス属の状況を反映するため、

初夏から増加し始め、夏から秋にかけて流行が見られます

無菌性髄膜炎の主な症状

起因病原体によって異なります。

エンテロウイルス属による場合は以下の臨床症状を主に呈します。

  • 潜伏期間は4 ~6日
  • 通常、発熱と頭痛、悪心(嘔気)・嘔吐で発症し、発熱は38~40度で症例により様々であるが、5日間程度持続し、腹痛、下痢も出現することがある。また、頭痛は前頭部痛、後眼窩痛であることが多く、羞明(まぶしく感じる状態)がみられることもあります。
  • 乳幼児の場合には発熱と不機嫌、易刺激性、嗜眠(放っておくと眠り続け、強い刺激を与えないと覚醒し反応しない状態)がよくみられます。
  • 理学所見では、項部硬直、Kernig 徴候などの髄膜刺激徴候はほとんどの症例で認められます。
  • 予後は起因病原体や全身状態に依存しますが、エンテロウイルス属による無菌性髄膜炎の場合には一般的に予後は良好であり、完全に回復するが、生後数カ月以内の乳児の場合には、精神発達遅滞の危険因子となることもあるため、その後の経過観察が必要となります。

予防方法

家族内に風邪様症状の方がいる場合には以下の対策を参考にしてください。

  • 医療機関に受診の際には、マスクの着用をお願いします。
  • 接触感染対策として、流水と石鹸を利用して手洗いすることが大切です。また、タオルの共用を控えましょう。

心配な場合には早めの受診を

  • 上記のような症状や心配なことがあれば、早めにかかりつけ医への相談・受診をお願いします。

参考

お問い合わせ
健康医療福祉部 健康危機管理課 感染症係
電話番号:077-528-3632
FAX番号:077-528-4866
メールアドレス: [email protected]