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ダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは、2011 年に初めて特定された、新しいウイルス(SFTS ウイルス)に感染することによって引き起こされる病気です。主な症状は発熱と消化器症状で、重症化することもあります。
SFTSは、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。このため、患者はマダニの活動期である春から秋にかけて発生しています。
2013 年1 月、重症熱性血小板減少症候群の患者が国内で初めて確認されました。その後、2013 年3月4日には感染症法に定める4類感染症に指定され、届出が義務づけられました。指定後に全国で確認された患者の数は354 名(平成30年6月27日現在)となっています。発症例については5~8月の事例が多いところですが、10月まで多い年もあります。患者は全て、石川県以西の西日本を中心に発生しており、平成28年度には滋賀県でも県内で感染が確認された患者が発生しています。

SFTSの症状

マダニに咬まれてから、6日~2週間で発症します。主な症状は、原因不明の発熱、消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)です。時に頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。(ただし、すべてのマダニがSFTS ウイルスを持っているわけではありません。)

マダニ2枚組

参考:フタトゲチマダニ(写真提供元:国立感染症研究所)

SFTSの予防について

マダニに咬まれないようにすることが重要です。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。
また、、これまでに患者が報告された地域以外でもSFTS ウイルスを保有したマダニが見つかっています。SFTS 患者の発生が確認されていない地域でも注意が必要です。
現在のところSFTS ウイルスに対して有効なワクチンはありません。

マダニに咬まれた時は

マダニ類の多くは、ヒトや動物に取り付くと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10 日間以上)吸血しますが、咬まれたことに気がつかない場合も多いと言われています。吸血中のマダニに気が付いた際、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまったりする恐れがあるので、医療機関(皮膚科)で処置(マダニの除去、洗浄など)をしてもらってください。また、マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱等の症状が認められた場合は医療機関で診察を受けて下さい。
参考

-厚生労働省ホームページ 「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts.html

-国立感染症研究所ホームページ 「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」
http://www.nih.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html

お問い合わせ
滋賀県健康医療福祉部薬務課
電話番号:077-528-3632
FAX番号:077-528-4863
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