文字サイズ

移行期医療支援センター事業

「移行期医療」の現状

 近年、医療の進歩により、これまでよりも多くの小児期慢性疾患患者が成人期を迎えることができるようになりました。成人期になると、もとの疾患や合併症、さらには加齢による変化が加わるため、必要とされる医療・ケアが小児期とは異なってきます。

 そこで、小児科から成人診療科へ移行し、成人期においても必要な医療・ケアを継続しながら、その人らしく生活を送っていくためには、疾患発症時から成人診療科への移行を見据えて、患者さん自身と周囲の支援者がともに準備をしていかなければなりません。患者さんが自立・自律的な療養ができるように、発達段階に応じた理解(例えば、病名・病態・症状、治療と受診の必要性や方法、生活上の注意など)と自己決定の力を身に着けることが望まれ、そのためのサポートが必要です。疾患のために自立・自律が難しい状態でも、その人にとって最も適切と思われる成人期医療が提供され、保護者も含めたサポートが必要です。

 この移行期医療は、単に年齢で区切って成人診療科へ移行することだけが目的ではありません。状態によって、時には小児科の受診の継続が必要な場合もあります。原疾患、合併症、必要な医療や医療的ケア、自律度や環境など、患者さん毎に状況は様々であり、必要な支援は異なります。

 このように、成人期に向けて医療・ケアだけでなく、保健・健康・福祉党広い視点から多職種で提供される支援を「成人移行支援」と呼びます。

「滋賀県移行期医療支援センター」

 平成29年厚生労働省からの「都道府県における小児慢性特定疾病の患者に対する移行期医療支援体制の構築に係るガイド」により、移行期医療の各関係機関の調整や患者の自律(自立)支援など、移行期医療を総合的に支援する機能(移行期医療支援センター)の設置が各都道府県に求められました。

 これを受けて、滋賀県では令和6年4月「滋賀県移行期医療支援センター」を設置しました。

 滋賀県全体の「医療連携体制」、そして医療機関、行政、教育関係機関、患者会、訪問看護ステーションや介護サービスや障害サービス等支援関係者が連携する「療養生活支援体制」の構築を目指し、医師、看護師、薬剤師、ソーシャルワーカー等多職種で取り組んでいます。

概要

【委託先】滋賀医科大学医学部附属病院

【所在地】滋賀県大津市瀬田月輪町

【スタッフ】センター長、小児科医、移行期医療コーディネーター、事務補佐員

センターの機能

(1)移行期医療の提供に必要な医療機関の情報収集及び公表

(2)移行期医療支援に関する周知・啓発

(3)移行期医療に関する現状・課題の把握、その改善策の検討

(4)移行期医療支援体制整備に向けた研修会および検討会等の開催

(5)その他、本事業の目的を達成するために必要な事業

【準備中】

(1)小児診療科と成人診療科の連絡調整、連携の支援

(2)小児慢性特定疾病児童等やその家族からの相談対応

記事に関するお問い合わせ
健康医療福祉部 健康しが推進課 難病・小児疾病係
電話番号:077-528-3547
FAX番号:077-528-4857
メールアドレス:[email protected]