本推進協議会は、国(内閣府)の施策である死因究明等推進計画(平成26年6月策定)に基づき、関係する各機関が連携し、死因究明等に係る方策を検討することを目的に、平成27年度に設置したものです。
・内閣府作成「死因究明等の推進」リーフレット
初年度は協議会を4回開催し、本県における問題点と推進すべき課題を20項目にまとめ、平成28年3月15日、知事に第一次提言を行いました。28年度以降は、各課題を解決するための具体的な検討に入っており、本県の死因究明体制強化に向けた取組を進めています。
≪開催実績≫
平成27年度:平成27年6月2日、平成27年9月3日、平成27年12月21日、平成28年2月15日
平成28年度:平成28年6月29日、平成29年2月6日
平成29年度:平成29年7月12日、平成30年3月13日
平成30年度:平成30年6月12日、平成31年2月5日
令和元年度:令和元年6月18日、令和2年2月4日
令和2年度:令和2年11月9日、令和3年3月30日(書面会議)
令和3年度:令和3年11月17日
令和4年度:令和4年6月21日、令和4年12月27日、令和5年3月31日(書面会議)
令和5年度:令和5年8月1日、令和6年1月30日
諸外国に比べ、日本では死因究明等の重要性が必ずしも十分に認識されておらず、各種施策も相互の連携が十分でなかったとの指摘があります。
では、なぜ死因究明の推進が求められているのでしょうか。滋賀県死因究明等推進協議会長である、滋賀医科大学医学部 一杉正仁 教授に伺います。
(一杉会長)
正確な死因を調べることは、亡くなった方の生存していた最後の状況を明らかにするものです。適切な死因を決定することで、御本人とその御家族の権利利益を守り、個人の尊厳の保持につながります。
事件や事故において、状況の解明ができない場合、犯罪の見逃しや、事故を再度繰り返してしまう可能性があります。パロマ給湯器事件(一酸化炭素中毒死)や時津風部屋力士暴行死事件のように、重大な問題となることもあります。また、正しく死因を診断することは、病気の蔓延や事故の再発を予防することにもつながります。
このように、正確な死因を明らかにすることは、社会にとって重要な公益性を有するのです。
(一杉会長)
このようなケースは「異状死」となり、すべて所管の警察署に届けるよう法律で定められています。
まず、警察官が発見現場に行って、その状況を確認します。その時、御家族の方からお話を伺い、亡くなった方についての情報を収集します。また、犯罪や事故が関与している可能性があれば、周囲を細かく調べることになります。
(一杉会長)
次に、医師が亡くなった人を改めて診察して、その死因を判断します。これを死体検案と呼びます。死体検案では、お体をくまなく観察し、必要に応じて採血や尿検査、レントゲン撮影などを行います。死体検案でも死因が決定できないときや、犯罪や事故の全容を明らかにする必要があるときは、解剖が行われます。
(一杉会長)
全身の内臓や骨などを直接調べ、お体の変化をくまなく観察します。
さらに、肉眼では確認できない変化を顕微鏡で調べます。また、血液や尿などの体液を用いて、薬物や毒物が死因に影響していないかを確認します。
(一杉会長)
解剖にはいくつかの種類があります。
犯罪が関連している可能性があるときに行われる解剖です。裁判所の許可によって行われます。
犯罪の疑いがない場合に、死因を調べる目的で行われる解剖です。御家族の承諾を得て行われます。
死因・身元調査法(「警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律」)に基づいて行われる解剖です。死因を明らかにするために、特に必要と認められた場合、警察署長の判断で解剖が行われます。
(一杉会長)
次の流れで御家族へ説明されます。
(一杉会長)
異状死の場合は、検案または解剖の後に、死体検案書が発行されます。死亡届と一体となっていますので、死亡届に必要事項を記入して、すみやかに死亡者の死亡地・本籍地または届出人の住所地のいずれかの各市町窓口へ提出してください。
なお、死体検案書の発行には手数料がかかります。金額は地域や施設により異なりますので、お近くの各市町窓口へお問い合わせください。