近年の犯罪情勢では、検挙される人の約半数が再犯者であり、再犯者による罪は窃盗、傷害および覚せい剤取締法違反が多い状況にあります。
こうした背景には、貧困や疾病、嗜癖、障害、厳しい生育環境など様々な生きづらさを抱えた人も少なくありません。
また、犯罪をした高齢者・障害のある人の中には、多岐にわたる福祉的支援を必要としている人がおり、福祉的支援があれば再犯に陥らず、社会参加を目指せる人がいます。
再犯防止の取組には、刑事司法関係機関のみによる取組を超えた、国・県・市町・民間協力者等が一丸となった「息の長い」支援が必要です。
本県は、一人一人の生活課題を地域の課題として捉え、生きづらさを抱えた人に寄り添いながら、繰り返し犯罪に手を染めることがないような社会環境を作るとともに、ひいてはそれが被害者を生み出さない社会になることを目指し、県民運動として推進していきます。
令和5年3月に策定された国の第二次再犯防止推進計画を踏まえ、関係機関が一丸となって、生きづらさのある人に寄り添いながら、犯罪が選択肢とならないような社会環境をつくるとともに、それがひいては被害者を生み出さない社会となることを目指して、「第二次滋賀県再犯防止推進計画」を策定しました。
http://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kenkouiryouhukushi/chiiki/303086.html
令和6年6月27日、三日月知事が大津保護観察所長から内閣総理大臣メッセージを受け取りました。
また、7月は「再犯防止啓発月間」であるため、県民サロンにてパネル展示を実施しました。
”社会を明るくする運動”は、すべての国民が、犯罪や非行の防止と犯罪や非行をした人たちの更生について理解を深め、それぞれの立場において力を合わせ、犯罪や非行のない安全で安心な明るい地域社会を描こうとする全国的な運動です。
本県においても、県民すべての願いである犯罪や非行のない明るい社会の実現に向け、知事が”社会を明るくする運動”推進委員会の委員長となり、この運動を展開しています。
令和3年度に知事感謝状制度を創設し、再犯防止や更生保護に関する民間協力者として、献身的に活動を続け、その功績が多大であると認められる方に対し、知事感謝状の贈呈を行っています。
毎年、滋賀県更生保護事業関係者顕彰式典にて贈呈を行っていますが、令和6年度は更生保護制度施行75周年記念滋賀県大会において、岸本副知事より贈呈を行いました。
【令和6年度対象者】保護司4名、更生保護女性会員5名、BBS会員1名
令和6年12月12日には、高村法務副大臣と意見交換を行いました。
三日月知事から、「罪を犯した人を地域で支え、その人も地域を支える環境づくり」を目指したモデル事業の創設や、安全・安心に保護司活動が行える環境の充実に向けた面接方法の確保や、普及啓発、保護司を雇用する事業所等に対する理解促進などについて要望しました。
なかでも、保護司だけでなく、地域全体で罪を犯した人の立ち直りを支援していく仕組みづくりが非常に重要であることから、県内で実施されている「滋賀KANAMEプロジェクト」を県としても継続して支援するため、モデル事業化・全国展開を提案いたしました。
高村副大臣からは、「罪を犯される人には、再犯に繋がらないようフォローが重要であるため、地域と国で何ができるか一緒に考えたい」とのお言葉を頂戴しました。
令和6年には、保護司や、立ち直りに励む罪を犯した人に対して、差別や偏見が及ぶことがないよう、じんけんミニフェスタや、じんけんわくわく冬まつりでのイベントでの啓発を行い、県民の皆様に正しい理解を普及する取組をさらに強化しています。
令和6年7月21日、アクティ近江八幡にて「2024年度更生保護大会」が、第74回社会を明るくする運動の取組として、近江八幡保護区保護司会の主催のもと開催されました。
第2部において滋賀県健康医療福祉部次長より「第二次滋賀県再犯防止推進計画の取組」を紹介し、また、罪を償い立ち直ろうとする人を、地域で受け入れ寄り添っていく「立ち直りを支える地域のチカラ」の重要性を伝えました。
令和5年11月14日、ピアザ淡海において、滋賀県更生保護女性連盟主催のもと「滋賀県更生保護女性連盟結成70周年記念大会」が開催されました。
滋賀県更生保護女性連盟は、昭和29年8月に結成され、本年で70周年を迎えられました。
県内には約4,000名の会員がおられ、日々、犯罪や非行の防止のため活動をいただいております。
三日月知事から、「結成当時から途切れることなく更生支援を続けていただいていること」に心から感謝の言葉を述べさせていただきました。
令和5年10月5日、豊郷町文化ホールにて「犬上地区更生保護女性会結成70周年記念大会」が開催され、三日月知事が記念講演を行いました。
犬上地区更生保護女性会は、犬上3町において昭和29年に「罪を犯した人たちの更生にお手伝いが出来たら」との思いで結成され、本年70年目を迎えられました。
更生保護女性会とは、地域社会の犯罪・非行の未然防止のための啓発活動を行うとともに、青少年の健全な育成を助け、犯罪をした人や非行のある少年の改善更生に協力することを目的とするボランティア団体です。
記念講演では、滋賀県の再犯防止を取り巻く現状や取組についてお話させていただきました。