現在の大津港は、平成11年3月の概成から25年以上が経過し、施設の老朽化が進行しています。また、とりまく社会情勢の変化(災害時における港湾の役割拡大、温室効果ガス排出削減、サイクルツーリズムの拡大や疎水船乗入れ等の活性化の兆し)に対して、現状の施設では応えられていない状況にあります。
この現状に対し、大津港のあるべき姿を見据え、大津港の活性化と再整備を推進するため、令和7年3月に、取り組みの礎となる「大津港活性化・再整備基本構想」を策定しました。
「大津港活性化・再整備基本構想」を実現する具体的な施策を定めるために、今後10年間の取組について、実施方針としてまとめることを令和7年度の目標とし、大津港活性化・再整備基本構想実施方針策定に係る検討会およびワーキンググループを開催しました。
「大津港活性化・再整備基本構想実施方針策定に係る検討会」の円滑な開催に資するため、県、市、関係団体等の担当職員による第1回ワーキンググループ(担当者会議)を令和7年8月18日に開催しました。
ワーキンググループでは、各議題について下記のとおり意見や情報提供等がありました。
<議題1>浜大津地域周辺のまちづくり等
・滋賀県の検討会、ワーキンググループと大津市のエリアプラットフォームが内容的にリンクするよう調整いただきたい
・大津駅から大津港にかけて街としてのワクワク感がない
<議題2>駅からのアクセス・誘導策
・視線誘導や雰囲気づくりに課題があり、駅や通りのデザインやサイン計画、徒歩のルート開発等を考えていく必要があるのではないか
・将来的には、LRTで大津駅から大津港を結ぶということも想定してはどうか
<議題3>エリアイメージ案
・枠を作り、枠の中だけで検討するのではなく、大津港全体でどうするか、という視点で考えていただきたい
・スカイクロスを琵琶湖岸まで延長して展望スポットを設置したらどうか
・緑地活用エリアでは、レイクビューを活かして、湖上にシンボリックな常設店舗を作りつつ、キッチンカーなど地域住民の方もイベントで使える可変的スペースを考えたらどうか
・アーカスから新文化館前エリアについて、県道沿いのため、県内や近畿圏の方々が車で来て利用できるようなデイリーなものを配置してはどうか
<議題3>動線設計上の課題
・駐車場の位置の見直しも必要。活性化を進めていく中で車が増えていくことも想定されるので、車の動線、駐車場の位置・容量を考えていくべき
・部分的な範囲のオールオアナッシングではなく、全体の活性化の議論と、周囲の使い方を合わせて考えていけばよいのではないか
<議論4>新文化館前(シンボル緑地B)の改修等
・現在、湖上交通に対する注目度が高まっており、文化財巡りなどで湖上交通を用いたプログラムを考えていただけるとありがたい
・新文化館の開館に合わせて、ステージや築山など傷んだ箇所の修繕を検討
・地下駐車場があることによる耐荷重等のハード的な制約を確認する必要がある
<議論5>イベント活用
・活用の可能性を広げていくため、電源や給排水設備についてお願いしたい
・修景緑地の噴水については、動線を妨げているため、現状の場所にない方がよいと思うが、暑い日が多い中、涼がとれる水場があってもよいのではないか
・あちこちの施設が古くなってきている実感があるため、施設が更新され景観がよくなることを期待している
<議題5>みなと緑地PPP
・陸地だけでなく湖上活用の可能性について議論いただきたい
・できるだけ地力のある事業者を選ぶのが大事であり、ヒアリング等を通じて理想的な事業者を探しに行くことや、ハード整備について県側から提案しながら進めていくことも大事ではないか
<議論6>その他
・イメージ共有のため、参考となる全国の都市や港を視察すべき
・ターミナルビルから琵琶湖汽船本社ビルにかけては、大津港のシンボル的な場所であり、利用者が多いゾーンでもあるため、気を配っていただきたい
今後はワーキンググループでの検討結果を検討会に反映することとします。