文字サイズ

建造物の保存修理等を行う文化財保護技術者を募集しています

令和7年度滋賀県職員採用選考第1次考査受験案内 【文化財保護技術者(建造物担当)】(令和8年4月1日採用予定)

文化財保護技術者(建造物担当)の採用選考第一次考査を下記のとおり実施します。

詳しくはこちらのホームページをご確認ください。

○ 第1次考査期日および場所

【第1日】 教養試験、専門試験および実技試験

日時:令和7年11月9日(日) 場所:滋賀県庁大津合同庁舎6階 会議室

【第2日】 口述試験および適性検査

日時:令和7年11月16日(日)場所:滋賀県庁大津合同庁舎3階 会議室

 ※教養試験、専門試験および実技試験の成績上位者を対象に実施

○ 受付期間

【持参およびインターネットの場合】 令和7年9月9日(火)~ 令和7年10月23日(木)

【郵送の場合】 令和7年9月9日(火)~ 令和7年10月23日(木)《必着》

○ 採用日

原則として令和8年4月1日とします。

滋賀県庁で働く建造物技師をご紹介します

文化財を未来の人たちに伝える。当然のことではありますが、それは簡単なことではありません。多くの人々が、それぞれの役割や技術でつながり、一つの目的に向かって 協力しなければ、文化財は残せません。

そして、その全体を見通し、コーディネートするのが文化財保護技術職(文化財技師)の仕事です。滋賀県では、建造物技師や美術・工芸技師、民俗文化財技師、埋蔵文化財技師、学芸員(琵琶湖文化館)が働いています。

ここでは本県の建造物技師の仕事について紹介します。

~滋賀県の重要文化財建造物の件数は全国第3位~

滋賀県は全国屈指の文化財保有県です。有形文化財の重要文化財件数は全国4位ですが、その内、建造物の件数は全国3位を誇ります。

また、県指定有形文化財や登録有形文化財、伝統的建造物群保存地区など、県内には多くの素晴らしい建造物があります。

建造物技師はこれら建造物を大切に守り伝えていくためにさまざまな事業を実施しています。

主な仕事内容

  • 建造物保存修理 ・受託事業の修理設計と工事監理
  • き損した建造物の修理指導
  • 建造物の調査・指定
  • 防災に関する事務、耐震対策に関する技術指導
  • 登録有形文化財、伝建地区に関する事務
  • 現場見学会の実施など文化財の啓発・活用 など

現在、実施している保存修理工事

延暦寺根本中堂・廻廊の大改修大津市)

国宝延暦寺根本中堂と重要文化財延暦寺根本中堂廻廊では、2016年から滋賀県文化財保護課の設計監理により、破損した屋根葺き材の葺き替え、劣化した塗装や彩色の塗り直し、腐朽した木部の取り替えなどの保存修理事業を実施しています。

パンフレット

伝統技術を用いた修理の作業工程や、調査で発見した江戸時代の技法とその変遷などを紹介しています。

滋賀県文化財保護課公式Youtube 

これまでに実施した、柱の根継ぎ修理、塗装工事、廻廊の屋根葺替工事などを紹介しています。

 

重要文化財小田神社楼門の修理(近江八幡市)

小田神社楼門は、室町時代前期に建てられた建物と考えられ、重要文化財に指定されています。現在、屋根檜皮葺の葺き替え工事を実施しています。

現場説明会を実施しました

最近のトピックス

重要文化財不動寺本堂(大津市)の保存修理工事が完了しました(2024年12月23日)

○ 琵琶湖疏水の施設が国宝・重要文化財に指定されました(2025年8月27日)

【国宝】琵琶湖疏水施設(1件1所)第一隧道(滋賀県・京都市)

【重要文化財】琵琶湖疏水施設(1件3所)大津閘門、堰門、大津運河(滋賀県)

○ 滋賀県指定有形文化財を指定しました(2025年1月20日)

建造物:兵主神社本殿1棟(野洲市)

先輩の声

佐々木 技師(建造物第二係)

◆主な担当業務

文化財建造物保存修理事業(小田神社楼門、延暦寺根本中堂・廻廊)

◆なぜ滋賀県職員に?

県外から滋賀県に来ました。歴史的建造物に関わる仕事がしたいと思っており、特に文化財保存修理に関心がありました。滋賀県は文化財行政と保存修理を行っており、文化財への様々な関わり方ができると思ったからです。

◆仕事の面白さ

建物を間近で観察し調査することは、保存修理の時にしかできないことです。意匠的な特徴に気づき、材料の仕様や建築の技法を調査して過去の職人が用いた技術を明らかにする楽しさがあります。これらの調査結果は修理に反映します。また、現場見学会やパンフレットにて修理の進捗や発見事項を発信すると、多くの方々が驚きと感動を示してくれることが実感でき、嬉しくなります。

◆印象に残っている業務は?

延暦寺根本中堂の保存修理全般です。全国の中でも規模の大きい事業が初めての現場だったので、状況を把握することさえ大変な中で、修理設計、部材の調査、建物の実測、工事記録撮影、情報発信など様々な業務を行いました。

Message

古い建物が多く見える車窓の風景や、地域によって様々なつくりの建物が見られることは滋賀県の特徴だと思います。滋賀県の豊かな自然、歴史、文化とともに残る素晴らしい建造物を、一緒に未来に残していきましょう。

藤原 技師 (建造物第二係)

◆主な担当業務

文化財建造物保存修理事業(新規修理受託事業、延暦寺根本中堂・廻廊など)

◆なぜ滋賀県職員に?

文化財修理に携わることに憧れており、中世から近代まで幅広い多くの文化財を有する滋賀県に魅力を感じたからです。

◆印象に残っている業務は?

採用1年目、愛荘町の金剛輪寺二天門の保存修理が私にとって初めての保存修理の担当でした。実際に修理というものを目の前にして、日々変容していく様子に感動を覚え、少しだけですが文化財修理に携われて嬉しかったのを覚えています。

◆将来の目標

文化財修理の現場に数多く携わり、後世に県内の素晴らしい文化財を保存、継承していくことです。また、多くの方に文化財というものに興味、関心を持っていただけるよう努めていきたいです。

Message

滋賀県は文化財の宝庫です。特に中世の文化財が多く、他にはない魅力があります。この恵まれた環境でぜひ一緒に働きましょう!

櫻庭 技師建造物第一係)

◆主な担当業務

指定文化財管理事業、き損・小修理など

◆なぜ滋賀県職員に?

関東出身ですが、文化財建造物に関わる仕事がしたかったので滋賀に来ました。関西のなかでも特に滋賀の文化財には、地域に根付く不思議な魅力、飽きさせない奥深さがあると思います。

◆大学・大学院での専攻(どんな研究をしていたか)

文化財保存学専攻:全国のお寺にある鐘楼の様々な形式、構法について研究していました。

◆印象に残っている業務は?

雨漏りした文化財の小屋裏へ入って、どこから雨漏りしているのか泥だらけになりながら調べたことです。夏の暑さで大変でしたが、文化財を守るということの意味をはじめて体感として理解できた業務でした。

Message

古い建造物にも新たな視点、これまでにない取り組みが求められる時代です。文化財保護の最前線に立って、みんなで一緒に試行錯誤しましょう!

技師3人の写真
お問い合わせ
文化スポーツ部 文化財保護課
電話番号:077-528-4670
FAX番号:077-528-4956
メールアドレス:[email protected]