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2013年度

2013年度開催の研究発表・公開講座

2013年度に開催した研究発表・公開講座の詳細

加川主任研究員が日本薬学会第134年会にて発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2014年3月27-30日

顕微鏡とレーザーを使って切除した微小組織から遺伝子を取り出す方法についての特許を取得しました。

木下和生専門研究員はレーザーマイクロダイセクション(顕微鏡で観察しながらレーザー光線で切り取った組織から遺伝子を回収する方法)についての新規技術を開発し、特許を取得しました。

動物の組織は様々な種類の細胞で構成されています。医学生物学研究の分野では、顕微鏡を用いて初めて観察することができるほどの微小な構造を他の構造から切り分け、そこに含まれる遺伝子を解析するためのレーザーマイクロダイセクションという方法が既に開発されていました。従来の方法では、組織を回収するという目的のため、通常の顕微鏡観察に不可欠なカバーガラスを使用することができません。そのため、色合いや細胞内部の詳細を観察することができず、目的とする構造が見つけにくいという問題がありました。木下専門研究員は肺がんの研究を行う中、この問題に直面し、レーザーで切断できるカバーガラス代替品(油性封入剤)を開発しました。その結果、細胞形態の観察と組織回収を両立させることができるようになりました。油性封入剤には組織を観察しやすくするだけでなく、含まれる分子を分解から保護するという作用もあることがわかりました。

本技術は医学生物学研究だけでなく、癌の遺伝子診断にも応用可能な技術です。この技術を世の中で広く役立ててもらうため、平成23年3月30日特許を申請し、平成26年2月7日特許庁に登録されました。

【特許出願公開番号】特開2012-205572
【発明の名称 】レーザーマイクロダイセクション法およびその利用、並びに、油性封入剤
【出願人】滋賀県
【発明者】木下和生(滋賀県立成人病センター研究所)

県政eしんぶん

山内副所長が第39回日本脳卒中学会総会でシンポジストとして発表しました。

シンポジウム「画像診断・解析に基づいた脳卒中医療」において、PET診断にもとづいて 血圧管理法を個別化する必要性について、私たちの研究を中心に発表しました。

  • 開催日 2014年3月15日

第3回病理技術向上講座を開催しました。

「正しい病理診断なくして、正しい治療はできない。正しい病理診断を行うための第一歩は、適切な肉眼検索と適切な切り出しから始まる。」を合い言葉に病理技術向上講座を昨年に開催したところ、再度開講してほしいとの要望があり、そこで病理検査 技師を対象とした「第3回 病理技術向上講座:病理検体の切り出し業務2」を開講する事と致しました。今回は全て講義形式で行い、臓器や組織の肉眼所見の取り方、検体の処理法,切り出し法を系統的に学びます。

  • 講座名第3回病理技術向上講座:外科材料の切り出し業務2

第47回滋賀県立成人病センター研究所セミナーを開催しました。

  • 開催日時2014年2月28日(金)17時30分~18時30分

滋賀県立成人病センター第50回がん診療セミナーにて、東総括研究員が教育講演を行いました。

第50回がん診療セミナーにおいて、東達也総括研究員が教育講演を行いました。第50回がん診療セミナーは「甲状腺がん」を対象としたプログラムで行われ、センター耳鼻いんこう科藤野清大科長、センター検査部西尾久明主任主査に続き、東研究員は「甲状腺癌術後ヨウ素内用療法」と題して行われた教育講演において、甲状腺癌に対する放射線治療の一種である術後ヨウ素内用療法を紹介したうえで、放射線被ばくに関しても簡単なレクチャーを行い、がん診療に携わる医療関係者への教育・啓蒙を行いました。

  • 開催日2014年2月20日

加川主任研究員がPET化学ワークショップ2013にて講演しました。

PET化学ワークショップにおいて、加川主任研究員が、「薬剤製造の現場から」と題して、本邦初のPET製剤である[11C]MeAIBと[18F]FACE、世界初のPET製剤である[18F]FPYBF-2と[18F]PTV-F1の合成等について、滋賀県立成人病センター研究所の現状を紹介しました。自動合成装置を用いた安定的合成法や安全性試験等の詳細だけでなく、最近開発した新しい固相抽出技術を用いた合成法等も紹介しました。

  • 開催日2014年2月7-9日

東総括研究員が執筆の一部を担当した座談会記事「甲状腺癌治療の現状と将来展望」が医学雑誌「診療と新薬」(医事出版社)にて発行されました。

医事出版社が発行する医学雑誌「診療と新薬」の最新号が発行され、今月の特集として、東達也総括研究員が執筆の一部を担当した「甲状腺癌治療の現状と将来展望」と題する座談会記事が掲載されました。この座談会は平成25年9月27日、名古屋にて行われた第46回日本甲状腺外科学会に併せて名古屋で行われたもので、東京女子医科大学内分泌外科岡本高宏教授を司会に、招待出席者として高名なイタリア・ピサ大学ロッセラ・エリセイ教授ら、国内外のこの分野の第一人者を迎えて行われました。東研究員は甲状腺分化癌に対する放射性ヨード内用療法(アイソトープ治療)の国内における第一人者として、甲状腺分化癌に対するアイソトープ治療についての臨床的意義と実際、アイソトープ治療の不応例とその定義、国内の治療環境の問題点などを討議しました。

  • 発行日 2014年1月28日

第46回滋賀県立成人病センター研究所セミナーを開催しました。

  • 開催日2014年1月27日(月)17時30分~18時30分

第45回滋賀県立成人病センター研究所セミナーを開催しました。

  • 開催日2014年1月20日(月)18時00分~19時00分

山内副所長が分担執筆した虚血性神経細胞障害の総説がJOURNAL OF CEREBRAL BLOOD FLOW AND METABOLISM誌にONLINE掲載されました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 11C :11C
  • 掲載日2013年11月6日

加川主任研究員が第53回日本核医学会学術総会にて二演題発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年11月8-10日

第53回日本核医学会学術総会にて、東総括研究員が発表、編集会議参加等を行いました。

平成25年11月8-10日、第53回日本核医学会学術総会において、東達也総括研究員が核医学治療に関する発表を2題行いました。核医学治療に関するセッションの中で、核医学治療の一つであるストロンチウム89を用いた転移性骨腫瘍疼痛緩和療法に関するこれまでの当センターでの治療成績を、またイットリウム90ゼヴァリンを用いた低悪性度B細胞性悪性リンパ腫に対する放射免疫療法のこれまでの当センターでの治療成績を、それぞれ集計し、その臨床的な意義について詳細に報告しました。リンパ腫治療では治療前のFDG-PET/CT検査の有用性を報告し、大きな反響がありました。

また、東研究員は、日本核医学会編集委員会会議に参加し、今後の編集活動に関する討議を行いました。東研究員は2005年より日本核医学会編集委員会の編集委員として「核医学」(日本核医学会誌)(和文誌)およびAnnals of Nuclear Medicine (英文誌)の編集に携わっており、今年で8年目です。日本核医学会会員への教育・啓蒙を目的とした国内誌である「核医学」での学会活動・広報活動に加え、英文誌である「Annals of Nuclear Medicine」でも編集活動の中心を担っています。「Annals of Nuclear Medicine」は、世界各国からの医学論文の投稿を受けて、編集活動を行い、多くの重要な核医学領域の医学論文を掲載を通じて、核医学の幅広い普及・発展を目指しており、日本国内の医学会が創刊した医学誌としては、国際的な評価が最も高い医学雑誌の一つとされています。

  • 開催日2013年11月8日

健康増進セミナー in 滋賀(ピアザ淡海、大津市、滋賀)にて、東総括研究員が学術講演を行いました。

健康増進セミナー in 滋賀において、東達也総括研究員が学術講演を行いました。「早く見つけるーがん、認知症を画像でー」と題して行われた学術講演において、 東研究員はがんと認知症に関する最新の情報、特にがんでは腫瘍FDG-PET/CTによる診断を、また認知症に関してはアルツハイマー病に関する病気のメカニズムの最新研究とそれに沿った早期診断法であるアミロイドイメージングを紹介したうえで、成人病センター研究所での最新の研究・診療と臨床研究の最先端をご紹介し、県民の皆様の健康増進の手助けを行いました。

  • 開催日2013年11月2日

山内副所長が第25回日本脳循環代謝学会総会で発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 15O :15O
  • 発表日 2013年11月2日

第42回断層映像研究会において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。

第42回断層映像研究会において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。「甲状腺核医学トリビアの泉」と題して行われた教育講演において、 東研究員は甲状腺核医学に関する興味深い「トリビア」を紹介したうえで、甲状腺核医学の基礎と現状について講演し、若手の先生方が核医学に興味をもってもらえるようなユーモア溢れる講義を行いました。

  • 開催日2013年11月1日

東総括研究員が環境省の課題研究の「地域特性を生かしたリスクコミュニケーターによる放射線健康不安対策の推進」研究の第一回会議に参加いたしました。

環境省が主導する課題研究「放射線の健康影響に係る研究調査事業」に採択された「地域特性を生かしたリスクコミュニケーターによる放射線健康不安対策の推進」は、放射線健康不安対策について討議し、京都や滋賀などの寺社を訪問し、教育活動、グループワーク等を行い、「リスクコミュニケーター」として活動してもらうことを目標とする活動です。

昨年度は、グループワークの一環として、京都市内の寺院にて行われた僧侶の皆様を対象とした「放射線に関する講話」などを行い、積極的に市民への教育活動を行いました。今回は第二年度に当たる今年の第一回会議に当たります。今年度の新規の活動について討議を行いました。

この課題研究は、昨年の東京電力福島第一発電所事故を受けて、幅広く国民に放射線や放射線影響に関する正確な知識を与え、正しい教育を行うこと、 また人々の生の声、不安、専門家に取り組んで欲しい希望を聞き取ることを目指して活動する「リスクコミュニケーター」を養成し、グループワーク等を行い、 国民の間に大きく拡がった放射線に対する不安を和らげる目的とした研究です。

地域ICT利活用連携シンポジウム -情報通信技術の地域医療への活用ーを開催しました。

滋賀県では、先進医療機器と情報通信技術(ICT)の活用による広域連携事業を進めており、その一環として全県型遠隔病理診断ネットワーク事業を展開し、この度、システムの稼働を迎えたところです。

どこに住んでいても、誰もが至適な医療を受けられる社会にしていくためには、限りある医療資源を最大限に活用し、医療機関同士が連携または分担することで、無駄のない医療体制を構築する必要があります。 ICT技術はこれを円滑に促進し得る手段となります。

この度、事業の普及と稼働を記念して、地域ICT利活用連携の現状と他府県の取り組みをともに学ぶシンポジウムを開催することとなりました。

地域医療の現場、遠隔病理診断の第一線でご活躍されています先生方の貴重な講演を聞く絶好の機会ですので、県内の医療関係者、健康に興味のある県民の方はふるってご参加ください。

  • タイトル地域ICT利活用連携シンポジウム -情報通信技術の地域医療への活用ー

山内副所長が第36回日本高血圧学会総会で発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 15O :15O
  • 開催日 2013年10月24日

欧州核医学会総会2013において、東総括研究員らPET画像研究部門グループが発表しました。

2013年10月19日から23日まで開催された欧州核医学会開催の欧州核医学会総会2013において、東達也総括研究員が口演を行いました。東研究員は本邦初のPET薬剤であるFACE(フルオロ酢酸)についての臨床研究の演題の発表を行いました。正常健常ボランティアを対象にした検討では、FACEのヒトでの体内動態を詳細に報告し、さらにFACEを用いた肝癌患者を対象にした検討ではFDGとの比較を報告しています。滋賀県立成人病センターでのFACEを用いた研究が世界をリードしており、大変な注目を集めました。今後の研究成果が期待されています。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年10月19日

第66回滋放技・核医学研究会にて、東総括研究員が教育講演を行いました。

滋賀県放射線診療技師学会核医学研究会開催の第66回滋放技・核医学研究会において、東達也総括研究員が講演を行いました。「腫瘍PET検査 ---アップデート---」と題して行われた教育講演において、 東研究員は腫瘍PET診断の最新動向と将来展望についての講演を行いました。我が国や米国での腫瘍PET診断の現状と方向性、問題点を検討し、最近注目されているtheranosticsと呼ばれる「画像と治療の融合」という医学分野の進歩やがん幹細胞に関する最新研究の紹介など、これらに関連した核医学分野のあるべき将来像を展望した講演で、大きな反響がありました。

  • 開催日 2013年10月16日

統合失調症の新たなバイオマーカーを発見しました(論文発表)

滋賀県立成人病センター研究所の谷垣健二専門研究員らは、イタリアのInstitute of Genetics and Biophysics(遺伝学・生物物理学研究所)のElizabethIllingworth 教授、アメリカのJohns Hopkins 大学の澤明教授、奈良県立医科大学精神医学講座の岸本年史教授らとの共同研究によって、統合失調症発症に関与する新たなバイオマーカーを見出し、統合失調症にサブタイプが存在する可能性を示し、 米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of theUnited States of America) に報告しました。統合失調症は、遺伝学的素因が80%以上を占める多因子遺伝病ですが、その遺伝性の複雑さから、発症のメカニズム、発症に関与する遺伝子群は未だよくわかっておりません。最近のゲノム医学の進歩により、非常に小さな染色体領域の欠損が統合失調症に関与することがわかり、統合失調症の発症メカニズムの解明につながるのではと注目を集めています。

22q11.2 欠損症候群は22番染色体長腕の微小欠損によって生じる染色体異常による疾患症候群ですが、22q11.2 欠損症候群の患者さんは3人から4人に1人は統合失調症を発症することが知られています。今回、谷垣専門研究員らは、22q11.2欠損症候群のモデルマウスを用い、中枢神経系を発生学的に詳細に解析することによって海馬歯状回と抑制性介在神経細胞の発生異常を見出し、この発生異常が、神経細胞の移動を制御するケモカインCXCL12 (SDF1) シグナルの異常によって生じることを明らかにしました(下図)。さらにヒトの統合失調症患者さんの嗅上皮でCXCL12 の発現が減少していることを共同研究者の澤教授らの協力で見出しました。

今回の22q11 欠損症候群で認められる統合失調症との発症の分子機構の研究より、統合失調症にはCXCL12/CXCR4 シグナルが障害されているサブタイプが存在する可能性が示唆され、CXCL12/CXCR4が新たな統合失調症のバイオマーカーとなることが明らかになりました。

ヒトの統合失調症は発症原因が異なる疾患群の総称であると考えられています。そのため、統合失調症の治療法の開発は非常に難しくなっており、発症原因を示すバイオマーカーの発見が期待されていました。今回の我々の研究により、22q11欠損症候群で認められる統合失調症と発症メカニズムが類似する統合失調症のサブタイプが存在する可能性が示唆されました。将来的には、統合失調症の個別化療法の開発に貢献できるのではと期待されます。

掲載論文

”Deficits in microRNA-mediated Cxcr4/Cxcl12 signaling in neurodevelopmentaldeficits in a 22q11 deletion syndrome mouse model”

Michihiro Toritsuka, Sohei Kimoto, Kazue Muraki, Melissa A. Landek-Salgado,Atsuhiro Yoshida, Norio Yamamoto, Yasue Horiuchi, Hideki Hiyama, KatsunoriTajinda, Ni Keni, Elizabeth Illingworth, Takashi Iwamoto, ToshifumiKishimoto, Akira Sawa, and Kenji Tanigaki

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States ofAmerica, published ahead of print October 7, 2013, doi:10.1073/pnas.1312661110

第49回日本医学放射線学会秋季臨床大会にて、東達也総括研究員が教育講演を行いました。

第49回日本医学放射線学会秋季臨床大会において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。「甲状腺の内用療法」と題して行われた教育講演において、 東研究員は核医学治療の一つであるI-131を用いた放射性ヨード内用療法の基礎と現状について講演し、内用療法の有用性と内用療法を取り巻く国内の医療環境、とくに治療施設不足に伴う核医学診療の窮状について報告しました。

  • 開催日 2013年10月13日

谷垣専門研究員がNotch Meeting VIIにて発表しました。

  • 開催日 2013年10月7日

木下専門研究員が癌学会にて発表しました。

  • 開催日 2013年10月4日

木下専門研究員がp63/p73国際ワークショップにて発表しました。

p63/p73国際ワークショップは有名ながん抑制遺伝子であるp53に近縁のタンパク質 p63 と p73 を扱う研究者が世界各地から集まるワークショップで2年に1回開催されます。6回目の今回は日本で初めて開催されました。p63 遺伝子を発見した千葉県がんセンター長の中川原章先生を会頭として木更津市のかずさアカデミアパークで開かれました。p63 と p73 はがんだけでなく正常な細胞の分化や増殖制御等さまざまな機能に関わるタンパクです。p53, p63, p73 のうち最も祖先型に近いと考えられている p63 はヒトとマウスでアミノ酸配列が 99% 同じという高い一致率を見せることから大変重要な働きをするタンパクであると考えられています。また一つの遺伝子から10種類の異なるタンパクが作られる複雑な構造になっています。

  • 開催日 2013年9月15日

木下専門研究員が当院の疾病・介護予防県民公開講座「がんを知って予防する」で発表しました。

超高齢化に伴い増え続けるがんを予防するため今できることを県民の皆様に紹介するため、公開講座が企画され大津市の県立県民交流センターピアザ淡海(ピアザホール)にて行なわれました。基調講演に京都大学大学院医学研究科 千葉 勉 教授(消化器内科)をお招きし、日本人のがんの大多数を占める消化器癌の最新の予防法について分かりやすく解説していただきました。嶋村清志氏(滋賀県健康福祉部健康長寿課 課長)、樋口壽宏医師(当院婦人科科長)、水田和彦医師(当院院長補佐、疾病・介護予防推進室長)、当研究所の木下がパネルディスカッションに参加しました。

木下は「遺伝子とがん」のテーマで発表しました。がんを進化する病気と捉えることで有効な治療法が開発できること、ヒトはがんになる宿命を背負っているもののヒトの体は40歳まではあまりがんにかからないようにできていること、つい最近解明された30年も長生きするハダカデバネズミががんにならない理由(長いヒアルロン酸)ががんの予防に役立つ可能性があることを紹介しました。

スライド

加川主任研究員がPETサマーセミナー2013にて講演しました。

PETサマーセミナー2013において、加川主任研究員が、「[18F]Fluoroacetate ([18F]FACE)臨床研究に向けて」と題して、本邦初のPET製剤である酢酸をフッ素標識した[18F]FACEの合成についての講演を行いました。自動合成装置を用いた安定的合成法や安全性試験等の詳細だけでなく、最近開発した新しい固相抽出技術を用いた[18F]FACE合成法も紹介した講演で、大きな反響がありました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年8月23日

脳卒中患者の血圧管理法は脳循環障害の有無により変える必要があることをPET研究により解明(論文発表)

滋賀県立成人病センター研究所の山内副所長らは、脳卒中患者の血圧管理法は脳循環障害の有無により変える必要があることをPET研究により明らかにし、2013年8月9日、「Journal of Neurology, Neuro surgery, and Psychiatry」誌に報告しました(オンライン掲載)。

脳卒中患者は高率に再発しますが、再発の最大のリスク因子は高血圧です。一般的には、血圧は低ければ低いほど再発が少ないと考えられています。しかし、脳の太い血管に狭窄や閉塞がある人(脳梗塞患者の4割弱)は、血圧を下げることで脳循環が障害され、脳梗塞再発が増える懸念があります。治療ガイドラインにも、「下げすぎに注意」との但し書きがありますが、患者ごとの血圧管理法ははっきりしていませんでした。

山内副所長らは、脳内の太い血管に狭窄や閉塞がある脳卒中患者を、15O gas PET検査により正確に脳循環障害(灌流障害)の有無を調べた後、経過観察しました。経過観察中の血圧と脳卒中再発率を灌流障害の有無で比較検討すると(図)、灌流障害のある群では収縮期血圧が低いほど(特に130mmHg 未満で)再発リスクが高く(図の赤線)、灌流障害のない群では血圧高値で再発リスクが高い(図の緑線)ことがわかりました。この結果は、脳卒中再発を減らすためには、灌流障害の有無を評価し、血圧管理法を変えることが必要であることを示しています。

本研究により、脳内の太い血管に狭窄や閉塞がある脳卒中患者の高血圧をどのように管理したらよいかが、初めて明らかになりました。

図:血圧と脳卒中再発の関係

説明:灌流障害のある群(赤)では収縮期血圧が低いほど再発が多く、灌流障害のない群(緑)では血圧が高いほど再発が多い。全症例(黒)では、血圧-再発率関係は、J型となっており、血圧が高くても低くても再発が多いことがわかる。

掲載論文

Yamauchi H, Higashi T, Kagawa S, Kishibe Y, Takahashi M. Impaired perfusion modifies the relationship between blood pressure and stroke risk in major cerebral arteru disease. Journal of Neurology, Neuro surgery, and Psychiatry Published online before print August 9, 2013, doi: 10.1136/jnnp-2013-305159

県政eしんぶん

東総括研究員が横浜市立大学放射線診断科・群馬大学放射線診断核医学科共同開催の第2回YG Conferenceにて講演しました。

横浜市立大学放射線診断科・群馬大学放射線診断核医学科共同開催の第2回YG Conferenceにおいて、東達也総括研究員が講演を行いました。「腫瘍PET診断 ---post-FDGの将来展望---」と題して行われた特別講演において、 東研究員は腫瘍PET診断の最新動向と将来展望についての講演を行いました。我が国や米国での腫瘍PET診断の現状と方向性、問題点を総括し、最近注目されているtheranosticsと呼ばれる「画像と治療の融合」という医学分野の進歩と、これに関連した核医学分野のあるべき将来像を展望した講演で、大きな反響がありました。

  • 開催日 2013年8月3日

画像研究部門の開発した日本初のアミノ酸系PET製剤MeAIBの臨床診断に関する論文がAnnals of Nuclear Medicineにonline掲載されました。

日本核医学会が発行する英文医学誌・Annals of Nuclear Medicineの最新号がonline出版され、西井龍一元研究員(現宮崎大学)や東達也総括研究員を始めとする当センター画像研究部門が執筆した論文が掲載されました。国内で腫瘍診断に用いられているPET製剤は糖代謝を用いたFDGのみが保険収載されていますが、胸部腫瘍の領域では炎症性疾患などで偽陽性などが見られることも多く、post FDGのPET製剤が求められています。MeAIBは当研究所の加川研究員が中心となり我が国で初めて薬剤合成に成功したアミノ酸系PET製剤で、炎症性疾患への集積少なく、FDG-PETやFDG-PET/CTで診断に苦慮する症例で良悪性鑑別に威力を発揮する人工アミノ酸PET製剤です。今回、診断に苦慮した胸部腫瘍を中心に良悪性鑑別診断を行い、特にサルコイドーシスと悪性腫瘍の鑑別に高い診断能を示したことが評価され、掲載が決まりました。(なお、この論文はopen access出版の形をとっておりますので、どなたでも無料で自由にダウンロード出来ます。Annals of Nuclear Medicineのホームページからダウンロードしてください。

○ ダウンロード先:リンク

  • 発行日2013年7月9日

東総括研究員が執筆した日本内分泌・甲状腺学会雑誌の原著論文「内用療法環境の現状と問題点」が発行されました。

日本内分泌・甲状腺学会が発行する機関誌・日本内分泌・甲状腺学会雑誌の最新号が発行され、今月の特集「甲状腺癌内用療法の現状と将来に向けて」の一論文として、東達也総括研究員が執筆した論文が掲載されました。東研究員は甲状腺分化癌に対する放射性ヨード内用療法(アイソトープ治療)の国内における第一人者として、アイソトープ治療の研究を進めており、今回「内用療法環境の現状と問題点」と題した論文を執筆し、甲状腺分化癌に対するアイソトープ治療についての国内の問題点を、内分泌・甲状腺疾患に携わる国内の医師に提供しました。

  • 発行日2013年6月20日

第60回米国核医学会総会にて加川主任研究員と東総括研究員が発表しました。

2013年6月8日から12日まで開催された第60回米国核医学会総会において、加川信也主任研究員と東達也総括研究員をはじめとするPET画像研究部門グループが発表を行いました。本邦初のPET薬剤であるFACE(フルオロ酢酸)についての基礎及び臨床研究の4演題の発表です。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年6月8日

理研CLSTとの共同研究の発表が最優秀発表賞を受賞しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年5月31日

加川主任研究員が第8回日本分子イメージング学会総会にて発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年5月31日

山内副所長が第54回日本神経学会学術大会で発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 15O :15O
  • 開催日2013年5月29日

山内副所長が第26回国際脳循環代謝学会に座長、シンポジストとして参加し、発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 11C :11C
  • 発表日 2013年5月22日

第2回 病理技術向上講座「病理解剖における検索法とその介助」を開催しました。

病理技術向上講座の第2弾です。病理解剖の概観と基礎から最新の知見までを講義形式で解説します。講師には、ハンガリーからSemmelweis University のGlasz 先生と天理医療大学の戸田好信先生を迎え、さらにコースディレクターの真鍋俊明先生が加わり、病理解剖の基礎的知識と手技・技術そして病理医と介助者の役割について学びます。病理担当の臨床検査技師にとっては、病理解剖介助業務を系統立てて学べる貴重な機会ですので、是非ご参加下さい。配布するハンドアウトは講演内容と同一の全日本語版です。

  • タイトル第2回 病理技術向上講座「病理解剖における検索法とその介助」

加川主任研究員を主体とするPET画像部門のメンバーが世界初となる新規PET薬剤の自動合成装置での製造に成功しました。

加川主任研究員を主体とするPET画像部門のメンバーが、京都大学と共同で開発した新規PET薬剤である[18F]FPYBF-2(アミロイドイメージング剤)と[18F]PTV-F1(肝臓における有機アニオントランスポーターイメージング剤)の自動合成装置での安定的な製造に成功しました(2月28日の短寿命放射性薬剤臨床利用委員会において、薬剤の安全性とその臨床利用の安全確保等において審議の上、承認済み)。今後、具体的な臨床応用については、別途研究プロトコールを計画し成人病センターで定める倫理委員会の審査に基づいて実施していく予定です。

「新規アミノ酸ポジトロン製剤を用いたテーラーメード癌分子標的診断法の開発」が「文部科学省科学研究費補助金、がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動、研究報告集録」に掲載・発行されました。

平成23年「がん研究分野の特性等を踏まえた研究支援活動」研究班が発行する研究報告集録「文部科学省科学研究費補助金、がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動、研究報告集録」が発行され、平成23年度がん研究支援対象の研究として、東達也総括研究員が執筆した「新規アミノ酸ポジトロン製剤を用いたテーラーメード癌分子標的診断法の開発」の研究報告が掲載されました。この「がん研究分野の特性等を踏まえた研究支援活動」は日本国内のがん研究分野の支援を目的として、各種の支援事業を行っており、その一事業として、研究成果の公開促進としての出版活動を行っています。今回の「文部科学省科学研究費補助金、がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動、研究報告集録」はその一環として出版され、国内の大学、研究機関や図書館などに配布されます。東研究員は昨年度に文部科学省科学研究費補助金に採択された基盤研究Bである「新規アミノ酸ポジトロン製剤を用いたテーラーメード癌分子標的診断法の開発」に関して、その初年度の活動報告を執筆、掲載しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 発行日 2013年4月1日
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