ENGLISH

2012年度

2012年度開催の研究発表・公開講座

2013年度に開催した研究発表・公開講座の詳細

山内副所長が第38回日本脳卒中学会総会で発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 15O :15O
  • 開催日2013-03-21

東総括研究員が執筆した日本内分泌・甲状腺学会雑誌の原著論文「甲状腺分化癌アイソトープ治療後の予後因子について」が発行されました。

日本内分泌・甲状腺学会が発行する機関誌・日本内分泌・甲状腺学会雑誌の最新号が発行され、今月の特集「新たなるエビデンスの蓄積を」の一論文として、東達也総括研究員が執筆した論文が掲載されました。東研究員は甲状腺分化癌に対する放射性ヨード内用療法(アイソトープ治療)の国内における第一人者として、アイソトープ治療の研究を進めており、今回「甲状腺分化癌アイソトープ治療後の予後因子について」と題した論文として執筆し、甲状腺分化癌に対するアイソトープ治療についての最新情報を、内分泌・甲状腺疾患に携わる国内の医師に提供しました。

  • 雑誌名日本内分泌・甲状腺学会会誌第30巻、(2013; 30: 23-25.)

東総括研究員が神戸薬科大学特別研究セミナー講演会にて教育講演を行いました。

兵庫県にある神戸薬科大学での特別研究セミナー講演会(第35回放射線取扱いに関する安全教育訓練(再教育)を兼ねる)において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。「核医学診断・治療の臨床現状と展望」と題して行われた招待教育講演において、 東研究員は、我が国における核医学診断・治療の現状と今後の将来展望についての発表を行いました。あわせて福島原発事故以降クローズアップされた、公衆被ばくや医療被ばくへの憂慮や一部に見られた放射線やこれに関わる科学者などへの不信などについても討議し、これからの医療を支えていくであろう薬大の学生さんたちと貴重な意見の交換を行いました。講演後のディスカッションも含めて、活発な議論が交わされ、大変有意義な会となりました。

  • 講演日2013年3月7日

15O gas PETは無症候性脳血管病変の脳梗塞発症予測に有用である -(論文発表)

MRIや脳ドックの普及により、偶然、無症候性脳主幹動脈閉塞性病変が発見されるようになりましたが、放置してよいのか、積極的に治療すべきなのか、はっきりしません。滋賀県立成人病センター研究所の山内副所長らは、15O gas PETにより正確に脳の血流不足の程度を評価することで、どのような患者が脳梗塞を発症しやすいか判別できることを明らかにしました。無症候性の脳主幹動脈閉塞性病変例でも、PETで脳の血流不足(貧困灌流)を認める例では、脳梗塞発症リスクが高く、積極的な治療が必要です。研究成果は、2013年3月7日、米国神経放射線学会誌「AmericanJournal of Neuroradiology」にオンライン掲載されました。

掲載論文

Yamauchi H, Higashi T, Kagawa S, Kishibe Y, Takahashi M. Chronic HemodynamicCompromise and Cerebral Ischemic Events in Asymptomatic or RemoteSymptomatic Large-Artery Intracranial Occlusive Disease. AJNR AmericanJournal of Neuroradiology Published online before print March 7, 2013, doi:10.3174/ajnr.A3491

県政e新聞へのリンク

木下専門研究員が当院の疾病・介護予防シンポジウム「先制医療の一翼を担う『0次予防』とは」で発表しました。

「0次予防」とは発症を防ぐ1次予防(生活習慣改善やワクチン)、重症化を防ぐ2次予防(がん健診)、社会復帰をめざすの3次予防(リハビリ)と対比させ、1次予防よりもっと根元に近い部分、つまり体質(遺伝子)を知った上で積極的に病気を予防する医療(先制医療)を意味する表現としてながはま0次予防コホート事業が作った言葉です。ながはま0次予防コホート事業とは、長浜市と京大医学研究科が連携して実施する「市民の健康づくりの推進」と「医学の発展への貢献」を掲げた事業です。超高齢化社会を見据えて滋賀県立成人病センターに設置された疾病・介護予防センターの旗揚げを記念する本シンポジウムは、ながはま0次予防コホート事業に当初から参加されている京都大学大学院医学研究科 中山 健夫 教授(健康情報学)を基調講演にお招きしました。黒橋真奈美氏(滋賀県健康長寿課健康づくり担当主幹)、水田和彦医師(当院院長補佐・検診指導部長)、当研究所の木下がシンポジストとして参加しました。

木下は「遺伝子からみた病気の予防」のテーマで発表しました。ヒトゲノム解読完了から10年経った現在、予防に役立つ情報はいまだ得られていないが、健康な人を数万人規模で10年以上長期追跡するコホート事業と遺伝子解析の新技術によって、真に予防に役立つ情報が得られることが期待されている事を解説しました。これまでの遺伝子研究が役に立たなかった訳ではなく、古来言われている養生訓(食事・運動・規則的生活)に科学的な根拠を与えている事も解説しました。

ベセスダシステム婦人科細胞診研修会を開催しました。

  • タイトル ベセスダシステム婦人科細胞診研修会

加川主任研究員がPET化学ワークショップ2013(第22回)にて発表しました

PET化学ワークショップ2013(第22回)において、加川主任研究員が発表を行いました。「フルオロ酢酸」と題して行われた発表において、加川主任研究員は昨年度より臨床応用されている本邦初のPET薬剤であるF-18標識フルオロ酢酸の有用性を報告し、滋賀県立成人病センター研究所におけるF-18標識フルオロ酢酸の合成方法について討議を行いました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2013年2月9日

東総括研究員が第118回核医学症例検討会にて発表しました

第118回核医学症例検討会において、東達也総括研究員が発表を行いました。「大血管壁にFDG集積亢進を認めた一症例」と題して行われた症例検討の発表において、 東研究員は特異なFDG-PET/CT画像を呈した血管炎の一例を症例報告し、血管炎診断でのFDG-PET/CTの留意点と有用性についての討議行いました。

  • 開催日 2013年2月9日

木下専門研究員がワークショップ「個体レベルの がん研究による相乗効果」にて発表しました

ワークショップ「個体レベルの がん研究による相乗効果」は文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究 「がん研究分野の特性等を踏まえた支援活動」によって、動物モデルをもちいたがん研究者間の交流を促進するために開催される学会です。木下専門研究員は京都大学医学研究科との共同で行なっている発がん機構に関する演題を2つ発表しました。

  • 開催日2013年2月7日

脳梗塞後の神経機能回復を促進するメカニズムを解明~脳梗塞新規治療薬の開発に貢献する可能性~(論文発表)

滋賀県立成人病センター研究所の谷垣健二専門研究員らは、京都大学脳病態生理学講座(脳外科)高木康志准教授、宮本享教授らとの共同研究によって、脳梗塞によって生じる神経機能回復を促進するメカニズムを明らかにし、平成25年2月7日神経科学研究誌(Neuroscience Research) に報告しました。

脳梗塞などの脳血管疾患は、平成23年の時点では日本人の死亡要因の9.9% を占める重大な疾患です。脳梗塞の治療には、血管につまった血栓をとかす血栓溶解療法が主として用いられます。しかし、この治療法は、発症早期から開始することができなければ、その効果に限界があるため、新規の治療法の開発が待たれています。最近の基礎医学研究により、Notchシグナル阻害剤という分子標的薬が脳梗塞後の投与でも治療効果がある可能性が示され注目を集めていますが、その分子機構はよくわかっていませんでした。

脳梗塞は、脳血管が閉塞することによって脳血管の破綻、神経細胞死が起こることによって生じます。脳梗塞がおこった領域では、普段は神経細胞の保持のために神経細胞に栄養素の供給等をおこなっている複数のタイプのグリア細胞が増殖します(グリオーシス)。グリオーシスは、死んでしまった細胞が有害な物質を放出し、炎症を引き起こし更なる神経損傷を引き起こすのを食い止めるための防波堤の役割を果たしていますが、炎症が治まった後では、神経の再生を阻害するため、神経機能の回復を妨げるもとになってしまうと考えられています。

今回、谷垣研究員らは、マウスを対象に人工的に脳梗塞を生じさせることによって、Notchシグナル阻害剤が脳梗塞によるグリオーシスにおいて神経再生を阻害するタイプのグリア細胞(反応性アストロサイト)の増殖を減少させるが、神経再生を促進させる働きを持つ種類のグリア細胞(NG2陽性グリア細胞)の増殖には影響を与えないことを明らかにしました。この発見は、Notch シグナル阻害剤の脳梗塞の治療効果が、炎症の波及を阻止に影響が出ない程度にグリオーシスを抑制しつつ、神経再生を促進することによって生じる可能性を示唆しています。さらに、谷垣研究員は、Notchシグナル阻害剤が、Olig2 という様々な遺伝子の発現に関与している分子が細胞の核に留まって遺伝子発現を制御することを阻害することによって、反応性アストロサイト増殖を減少させることも発見しました。

このOlig2という分子は、反応性アストロサイトの分化だけでなく、脳腫瘍の形成にも関与している可能性がありますので、脳腫瘍の新たな治療法の開発にも貢献できる可能性があります。この研究成果は、グリオーシスを標的とした新規の脳梗塞治療薬の開発のために役立つと考えられます。

図: 脳梗塞によっておこるグリア細胞増殖において Notch シグナル阻害剤は反応性アストロサイトの増殖を特異的に抑制する

説明: 反応性アストロサイトは神経再生を阻害するが、NG2 陽性グリア細胞は神経再生を促進する。Notch シグナル阻害剤は反応性アストロサイトの増殖を特異的に抑制するが、NG2陽性グリア細胞には影響を与えない。

掲載論文

Notch signaling Regulates Nucleocytoplasmic Olig2 Translocation in Reactive Astrocytes Differentiation After Ischemic Stroke Takeshi Marumo, Yasushi Takagi, Kazue Muraki, Nobuo Hashimoto, Susumu Miyamoto, Kenji Tanigaki Neuroscience Research, DOI:10.1016/j.neures.2013.01.006

リンク

東総括研究員が共同執筆した日本核医学会雑誌の「Gamut of FDG-PET」が出版されました。

日本核医学会が発行する機関誌・日本核医学会雑誌「核医学」の最新号が発行され、東達也総括研究員がその一部を執筆担当した「Gamut of FDG-PET」が掲載されました。「Gamut」とは「全範囲」を意味する言葉で、「Gamut of FDG-PET」は一般の核医学診断医がFDG-PET(核医学検査の一つで、グルコースの類似体であるFDGを用いた陽電子断層撮影法(positron emission tomography; PET)のこと)診療に際して診断に難渋する疾患に遭遇した際に、身体の部位別にFDG集積をきたす疾患・病態を、通常見られるものから稀なものまで「Gamut(全範囲)」で網羅した、診断の助けとなる一種のガイド本です。東研究員は国内におけるFDG-PETの第一人者の一人として、他の6名の共同執筆者とともに原稿を執筆し、日常診療に役立つPETの診断のノウハウを広く国内の医師に提供しました。

  • 雑誌名日本核医学会雑誌「核医学」 第49巻(4):357-389, 2012

東総括研究員が論文「分化癌術後アイソトープ治療の予後と予後因子について」を発表しました。

日本内分泌・甲状腺学会が発行する機関誌・日本内分泌・甲状腺学会雑誌の最新号が発行され、今月の特集「再発甲状腺分化癌の治療戦略―外科治療とアイソトープ治療―」の一論文として、東達也総括研究員が執筆した論文が掲載されました。東研究員は甲状腺分化癌に対する放射性ヨード内用療法(アイソトープ治療)の国内における第一人者として、アイソトープ治療の研究を進めており、今回「分化癌術後アイソトープ治療の予後と予後因子について」と題した論文として執筆し、再発甲状腺分化癌に対するアイソトープ治療について解説し、日常診療に役立つアイソトープ治療の情報を、内分泌・甲状腺疾患に携わる国内の医師に提供しました。

  • 雑誌名日本内分泌・甲状腺学会会誌第29巻、(2012; 29: 275-277.)

谷垣専門研究員が第35回日本分子生物学会で発表しました。

  • 開催日2012年12月13日

東総括研究員の第45回日本甲状腺外科学会での講演に関する記事が医学新聞「メディカルトリビューン」誌に掲載されました。

第45回日本甲状腺外科学会(はまぎんホール)において、東達也総括研究員が教育講演を行いましたが、これを取り上げた記事が医学新聞「メディカルトリビューン」誌に掲載されました。注目の学会発表・講演などを紹介する記事の一つとして、「集積進む甲状腺がんの予後のエビデンス」と題した記事が掲載され、平成24年10月05日開催のシンポジウム「新たなるエビデンスの蓄積を」が詳細に紹介されました。この中で、核医学治療の一つである131Iを用いた放射性ヨード内用療法(radioiodine therapy; RIT)の第一人者として、教育講演を行った東研究員の報告が、見出し「再発早期のRITは良好な予後を示唆」として取り上げられ、東研究員が2011年に出版したJNM(北米核医学会雑誌)掲載論文の「被膜外浸潤、転移のある甲状腺がんでは甲状腺全摘の手術後、半年以内に引き続き131Iを用いたRITを行わないと、その後の経過中の死亡率が上昇する」という内容等、甲状腺分化がんへのRITに関する生命予後などへの影響に関する報告が詳細に取り上げられています。

【掲載記事】Medical Tribune (メディカルトリビューン)2012年11月22, 29日Vol. 45, No. 47, 48、22ページ。メディカルトリビューン社のご好意により転載

木下専門研究員が金沢大学医学部で講義「がんの進化」を行ないました。

金沢大学医学部2回生の「生体分子と細胞の機能」の1コマを特別講義として5年前から担当しています。今年もがんの疫学から生物学的特性、進化的側面、ダーウィンの進化論、反復囚人のジレンマゲーム、がん細胞における協調戦略、遺伝子変異・抗がん剤耐性のメカニズムの解説などを行ないました。がんの分子標的薬を複数組合わせることによりがんが根治できる日が近づいていることを研究の世界情勢と併せて講義しました。

東総括研究員が放射性医学総合研究所で講演しました。

千葉県にある放射性医学総合研究所での理事長裁量経費創成型研究主催講演会において、東達也総括研究員が講演を行いました。「アイソトープ治療(RI治療) 我が国の現状と展望」と題して行われた招待講演において、 東研究員は、我が国におけるアイソトープ治療(RI治療)の現状と今後の将来展望についての発表を行いました。放射性医学総合研究所は放射線に関わる基礎研究、臨床研究、診断機器の開発、被ばく医療など幅広い分野で、国内の放射線関連医学をリードする研究所です。国内で始めて重粒子線治療を導入するなど放射線治療の国内拠点でもありますが、今後はアイソトープ治療の部門でも基礎部門、臨床部門を拡充していく方針となっています。我が国におけるアイソトープ治療の臨床的な見地からの現状総括と今後の将来展望に関して意見交換を行いたいということで、この分野の第一人者である東研究員が招待されました。講演後のディスカッションも含めて、2時間にわたって活発な議論が交わされ、大変有意義な会となりました。

  • 開催日2012年11月16日

東総括研究員が一部執筆を担当した日本消化器病学会雑誌の原著論文「肝内胆管癌におけるPET/CTの意義」が発行されました。

日本消化器病学会が発行する機関誌・日本消化器病学会雑誌の最新号が発行され、今月のテーマ「肝内胆管癌診療のトピックス」の一論文として、東達也総括研究員が一部執筆を担当した論文が掲載されました。東研究員は核医学検査の一つ陽電子断層撮影法(positron emission tomography; PET)の国内における第一人者として、京都大学肝胆膵移植外科の波多野悦朗講師と共同研究を進めており、その成果の一部を今回「肝内胆管癌におけるPET/CTの意義」と題した論文として執筆し、PET検査についての基礎と応用も含めて解説し、日常診療に役立つPETの情報を、消化器病に携わる国内の医師に提供しました。

  • 雑誌名日本消化器病学会会誌 第109巻、(2012; 109: 1878-1884.)

山内副所長が第24回日本脳循環代謝学会総会で発表しました。

  • 開催日2012年11月9日

第44回滋賀県立成人病センター研究所セミナーを開催しました。

  • タイトル 第44回滋賀県立成人病センター研究所セミナー

加川主任研究員がEANM(ヨーロッパ核医学会)で発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日2012年10月30日

東総括研究員ががん診療ガイドライン関係委員会全体会議に参加しました。

第50回日本癌治療学会学術総会(パシフィコ横浜)会期中に行われた日本癌治療学会のがん診療ガイドライン関係委員会全体会議に、東研究員が参加し、診療ガイドラインの改訂等について討議いたしました。

東研究員はアイソトープ治療分野の専門家として、日本内分泌外科学会、日本甲状腺外科学会が中心となって一昨年執筆・作成・刊行した「甲状腺腫瘍診療ガイドライン2010」(ISBN:978-4-307-20283-1、金原出版株式会社)の診療ガイドライン作成委員として参加・執筆し、現在も引き続き診療ガイドライン作成委員会に参加し、平成26年頃の改訂第二版の出版を目標として活動しています。

東研究員は、国内のがん診療ガイドラインの統合とレベルアップを目的に創設された「日本癌治療学会がん診療ガイドライン評価委員会」の委員も同時に務めており、今回のがん診療ガイドライン関係委員会全体会議には、甲状腺腫瘍診療ガイドライン作成委員会の代表の一人として参加しました。「がん診療ガイドライン評価委員会により行われた甲状腺腫瘍診療ガイドラインへの評価」に関する活動も行なっており、これに関する討議も今回の会議では行なわれました。

東総括研究員が執筆した日本医師会雑誌の生涯教育シリーズ「消化器疾患診療のすべて」が発行されました。

日本医師会が発行する機関誌・日本医師会雑誌においてシリーズ化発行されている「生涯教育シリーズ」の最新号が、「消化器疾患診療のすべて」として発行され、東達也総括研究員がその一部を執筆担当しました。

東研究員は核医学検査の一つ陽電子断層撮影法(positron emission tomography; PET)の国内における第一人者として、「消化管疾患の検査法:PET」と題した原稿を執筆し、一般の医師が診療に際して最新の医療を再確認するこのシリーズにおいて、PET検査についての基礎と応用などを解説し、日常診療に役立つPETの最新情報を広く国内の医師に提供しました。

  • 雑誌名日本医師会雑誌第141巻、特別号(2)生涯教育シリーズ「消化器疾患診療のすべて」

東達也総括研究員が執筆した英文医学書籍「Treatment of Thyroid Tumor」が発刊されました。

日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会が2010年に編集・刊行した「甲状腺腫瘍疾患 診療ガイドライン」の英語版が、「Treatment of Thyroid Tumor」として発行され、東達也総括研究員がその一部を執筆担当しました。甲状腺腫瘍疾患における日本での標準診療を明らかにし、将来に向けてあるべき理想の診療方法を提示することを目的とした「甲状腺腫瘍疾患 診療ガイドライン 2010年版」(東達也総括研究員が一部執筆担当)は2010年に刊行され、国内での甲状腺腫瘍診療に大きな影響を与えていました。今回国内でのコンセンサスなどを網羅したこのガイドラインを英文に直し、海外にも発信しようという目的で、「Treatment of Thyroid Tumor」と題して国際医学雑誌社であるSpringer社から発行され、東研究員は核医学治療の一つである131Iを用いた放射性ヨード内用療法の第一人者として、「Radiation Therapy」と題した一章の原稿を執筆し、放射性ヨード内用療法についての基礎と応用などを解説し、国内の現状や世界的な医療の流れなどの最新情報を広く国内の医師に提供しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 131I :131I
  • 書籍名Treatment of Thyroid Tumor: Japanese Clinical Guidelines.

第2回びわ湖細胞病理テュートリアルを開催しました。

  • タイトル第2回びわ湖細胞病理テュートリアル

加川主任研究員が第52回日本核医学会学術総会で発表しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2012年10月12日

山内副所長が第52回日本核医学会学術総会で発表しました。

  • 開催日 2012年10月12日

東総括研究員が第52回日本核医学会学術総会で教育講演を行いました。

第52回日本核医学会学術総会において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。学会員を啓蒙しようという目的で開催される恒例の教育講演のセッションの中で、核医学治療の一つである131Iを用いた放射性ヨード内用療法の第一人者として、教育講演を担当しました。東研究員は131Iを用いた放射性ヨード内用療法の基礎と実際を詳細に講義しました。さらに近年話題となった、2011年出版のJNM(北米核医学会雑誌)掲載の自身の論文も紹介しました。「被膜外浸潤、転移のある甲状腺がんでは甲状腺全摘の手術後、半年以内に引き続き131Iを用いた放射性ヨード内用療法を行わないと、その後の経過中の死亡率が上昇する」という内容に対し、今回も大きな反響がありました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 131I :131I
  • 開催日2012年10月12日

東総括研究員が第52回日本核医学会学術総会で教育講演を行いました。

第52回日本核医学会学術総会において、東達也総括研究員が一般講演を行いました。当研究所が日本で始めて開発した新規PET製剤であるMeAIB(メチルエーアイビー)の呼吸器分野と泌尿器分野における臨床応用をそれぞれ報告いたしました。胸部領域ではFDG-PET など通常の診断が難しいサルコイドーシスなどを対象としたMeAIB-PET診断の有用性が高く評価されました。泌尿器系ではMRIでもMeAIB でもサイズが小さいものでは診断に限界があるとの発表で、今後の研究の方向性に関して討議されました。

  • 開催日 2012年10月11日
  • 発表形式 口演(一般講演)1
  • 発表形式口演(一般講演)2

東達也総括研究員が第45回日本甲状腺外科学会にて講演しました。

第45回日本甲状腺外科学会において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。近年大きな話題となった甲状腺関係の論文の著者を招いて、甲状腺診療の新しい潮流を紹介し、学会員を啓蒙しようという目的で開催されたシンポジウム「新たなるエビデンスの蓄積を」の中で、核医学治療の一つであるI-131を用いた放射性ヨード内用療法の第一人者として、教育講演に招かれました。

東研究員は131Iを用いた放射性ヨード内用療法分野で話題となった論文の著者として、2011年に出版したJNM(北米核医学会雑誌)掲載論文を紹介しました。「被膜外浸潤、転移のある甲状腺がんでは甲状腺全摘の手術後、半年以内に引き続き131Iを用いた放射性ヨード内用療法を行わないと、その後の経過中の死亡率が上昇する」という内容に対し、今回も大きな反響がありました。学会前には事前に医学新聞のメディカルトリビューンの取材の許可願もあり、今後本講演が記事として取り上げられるものと考えています。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 131I :131I
  • 開催日 2012年10月5日

東達也総括研究員が第48回日本医学放射線学会秋季臨床大会にて講演を行いました。

第48回日本医学放射線学会秋季臨床大会において、東達也総括研究員が教育講演を行いました。「核医学治療の基礎と現状 131I」と題して行われた教育講演において、 東研究員は核医学治療の一つである131Iを用いた放射性ヨード内用療法の基礎と現状について講演し、内用療法の有用性と内用療法を取り巻く国内の医療環境、とくに治療施設不足に伴う核医学診療の窮状について報告しました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 131I :131I
  • 開催日 2012年9月30日

東達也総括研究員が滋賀県立成人病センター第3回がん診療グランドセミナーにて講演を行いました。

  • 開催日2012年9月29日

木下専門研究員が滋賀県臨床検査技師会研修会で講演しました。

  • 開催日 2012年9月27日

谷垣専門研究員が第35回神経科学会で発表しました。

  • 開催日2012年9月20日

木下専門研究員が第71回日本癌学会で肺癌について発表しました。

  • 開催日2012年9月20日

東達也総括研究員が滋賀県立成人病センター第31回がん診療セミナー県民公開講座にて講演を行いました。

  • 開催日2012年9月8日

統合失調症発症の分子機構解明へ一歩前進-統合失調症発症に関与する新たなメカニズムを解明しました-(論文発表)

滋賀県立成人病センター研究所の谷垣健二専門研究員らは、イタリアのInstitute of Genetics and Biophysics(遺伝学・生物物理学研究所)のElizabethIllingworth 教授、奈良県立医科大学精神医学講座の岸本年史教授らとの共同研究によって、統合失調症発症に関与する新たな神経機能異常を見出し、その機能異常の発現に関与する遺伝子を明らかにし、 トランスレーショナル精神医学誌(Translational Psychiatry, Nature Publication Group) に報告しました。

統合失調症は、遺伝学的素因が80%以上を占める多因子遺伝病ですが、その遺伝性の複雑さから、発症のメカニズム、発症に関与する遺伝子群は未だよくわかっていません。最近のゲノム医学の進歩により、非常に小さな染色体領域の欠損が統合失調症に関与することがわかり、統合失調症の発症メカニズムの解明につながるのではと注目を集めています。

22q11.2 欠損症候群は22番染色体長腕の微小欠損によって生じる染色体異常による疾患症候群ですが、22q11.2 欠損症候群の患者さんは3人から4人に1人は統合失調症を発症することが知られています。今回、谷垣専門研究員らは、22q11.2欠損症候群では抑制性介在神経細胞の機能異常が認められ、この機能異常が染色体異常によって失われているカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(catechol-O-methyltransferase, COMT)という遺伝子を再発現させると補償できることを明らかにしました。さらに、抑制性介在神経細胞の機能異常が統合失調症発症に関与する可能性を検討するために、22q11.2欠損症候群モデルマウスの統合失調症様行動異常に対し、介在神経細胞の機能を補償するような薬理学的処理(GABA A 受容体作動薬の投与)を行い、介在神経細胞の機能を補償すれば、治療効果があることを見出しました。

統合失調症の死後脳の病理学的解析によって、抑制性介在神経細胞の異常が示されていましたが、今回の研究成果により、22q11 欠損症候群でも抑制性介在神経細胞の機能異常が統合失調症発症に関与すること、22q11.2 領域に存在するCOMTという遺伝子が介在神経細胞の機能を調節していること、このためCOMTという遺伝子の欠損が統合失調症発症に関与する可能性があるということ、22q11.2欠損症候群の統合失調症に対しては、GABA A 受容体作動薬が治療効果を持つ可能性が明らかになりました。GABA A 受容体作動薬のBretazenil やTPA023 は、既にヒトの統合失調症に対する臨床治験が行われていますが、全ての統合失調症者に効果を発揮するわけではなかったため、統合失調症の治療には、現在では使用されておりません。多因子遺伝病であり、いくつかの異なる遺伝子異常の組み合わせで発症しうる複数の疾患からなる統合失調症の個別化療法の開発に、我々の研究成果は貢献できるのではと期待されます。

掲載論文

S Kimoto, K Muraki, M Toritsuka, S Mugikura, K Kajiwara, T Kishimoto, EIllingworth and K Tanigaki. Selective overexpression of Comt in prefrontalcortex rescues schizophrenia-like phenotypes in a mouse model of 22q11deletion syndrome. Translational Psychiatry (2012) 2, e146;doi:10.1038/tp.2012.70; published online 7 August 2012

リンク

東達也総括研究員が第117回核医学症例検討会にて発表しました。

第117回核医学症例検討会において、東達也総括研究員が発表を行いました。「大腸癌術後に頭蓋内圧亢進を示した一例」と題して行われた症例検討の発表において、 東研究員は診断に苦慮した脳腫瘍の一例を症例報告し、脳腫瘍診断でのFDG-PETの留意点と、当施設が日本で初めて開発した腫瘍PET製剤MeAIBの脳腫瘍診断における有用性についての討議しました。

  • 開催日 2012年8月4日

東達也総括研究員が第45回日本核医学会近畿地方会にて発表を行いました。

第45回日本核医学会近畿地方会において、東達也総括研究員が発表を行いました。「アミノ酸ポジトロン製剤MeAIBを用いた胸部腫瘍PET診断の経験」と題して行われた一般演題の発表において、 東研究員は当施設が日本で初めて開発した腫瘍PET製剤MeAIBの胸部疾患に対する臨床経験についての講演を行いました。すでに保険診療として行われているFDG-PETの欠点を補うMeAIB の良悪性鑑別での診断精度について報告し、大きな反響がありました。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 11C :11C
  • 開催日 2012年7月28日

東達也総括研究員が群馬大学放射線診断核医学科主催の第257回Open Film Conferenceにて講演を行いました。

群馬大学放射線診断核医学科主催の第257回Open Film Conferenceにおいて、東達也総括研究員が講演を行いました。「腫瘍PETと核医学治療 ---overview---」と題して行われた特別講演において、東研究員は腫瘍PETと核医学治療に関する最新動向と将来展望についての講演を行いました。我が国や米国などでの核医学の現状と問題点を総括し、超高齢化社会の到来が核医学のみならず我が国の医療全体にもたらす影響を予測、さらにあるべき将来像を展望した講演で、大きな反響がありました。

  • 開催日 2012年7月26日(木)

第43回滋賀県立成人病センター研究所セミナーを開催しました。

  • タイトル第43回 滋賀県立成人病センター研究所セミナー

東達也総括研究員らが米国核医学会総会にてポスター発表を行いました。

2012年6月10日から14日まで開催された第59回米国核医学会総会において、東達也総括研究員をはじめとするPET検査グループがポスター発表を行いました。当研究所で開発された新規アミノ酸系PET薬剤であるMeAIB(メチル・エーアイビー)についての臨床研究の発表2題です。

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 11C :11C
  • 開催日2012年6月10日(日)

東達也総括研究員が第24回日本内分泌外科学会総会にて講演しました。

第24回日本内分泌外科学会総会において、東達也総括研究員が講演を行いました。「再発甲状腺分化癌に対する外科治療とアイソトープ治療」と題して行われたパネルディスカッションにおいて、 東研究員は「分化癌術後アイソトープ治療の予後と予後因子について」と題して、甲状腺分化癌に対する術後アイソトープ治療の予後と予後因子についての研究発表を行いました。甲状腺癌の治療方針に関わる発表で、アイソトープ治療の時期がその後の生命予後を大きく左右するという結果に、大きな反響がありました。

  • 開催日 2012年6月8日(金)

滋賀県民の脳卒中再発予防に寄与-PET検査の効果検証-(論文発表)

発表日:2012年5月24日

 

滋賀県立成人病センター研究所の山内副所長らは、滋賀県立成人病センター研究所で脳PET検査をうけ治療方針を決定された脳卒中患者では、再発率が減少していることを、12年にわたる研究により明らかにした。PET検査が脳卒中患者の予後改善に役立っていることを裏付けた研究である。研究成果は、2012年5月24日英国神経学誌「Brain」にオンライン掲載された。

1999年秋に滋賀県立成人病センター研究所で15O 標識gas を用いた脳PET検査が開始された。山内副所長らは、脳の太い血管が動脈硬化により狭窄または閉塞して脳梗塞を発症し、1999年から2008年に脳PET検査をうけ、その結果をもとに再発予防の治療をうけた滋賀県内の患者165人を経過観察し、予後を検討した。その結果、これらの患者では、その後2年間の脳卒中の再発が、1990年代に比べて、60%も減少していることが明らかになった(図1)。

15O gas PET検査を用いると、正確に脳の血流不足の程度を評価可能である。1990年代の京都大学での山内副所長らの研究で、血流不足(貧困灌流)のある患者では脳卒中再発率が非常に高いことが明らかになった(図1、左)。つまり、脳卒中再発を減らすためには、血流不足があるかないかを正確に判定することが不可欠である。そこで、滋賀県立成人病センター研究所では、PET検査により血流不足の有無の判定を正確に行ない、最適な治療法を助言してきた。血流不足があればバイパス手術を、なければ内科治療を推奨する(図2)。血流不足があるが手術ができない患者では、より慎重に内科治療する。その結果、PET検査に基づいて治療していなかった1990年代に比べて、脳卒中再発率が減少したのである(図1)。

PET検査により、血流不足がないことが正確に判定できれば、又、バイパス手術により血流不足が改善したことが正確に判定できれば、高血圧などの治療を厳格に行うことができる。血流不足がある患者では血圧を下げすぎると脳梗塞が起こりやすいからである。その結果、最近の治療薬の進歩ともあいまって、2000年代前半に比べて後半ではさらに再発率が減少していることも明らかになった。PETは、進歩した内科治療の下で、さらに有用性が増加している。今後も正確なPET検査により、脳卒中再発がさらに減少することが期待される。

掲載論文

Yamauchi H, Higashi T, Kagawa S, Nishii R, Kudo T, Sugimoto K, Okazawa H, Fukuyama H. Is misery perfusion still a predictor of stroke in symptomatic major cerebral artery disease? [published online ahead of print May 24, 2012] Brain. 2012

リンク

第7回日本分子イメージング学会

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
  • 開催日 2012年5月25日(金)

第53回日本神経学会総会

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 15O :15O
  • 開催日2012年5月24日(木)

キーストーンシンポジウム「発がんにおける炎症の役割」

  • 開催日 2012年5月23日(水)

第37回日本脳卒中学会総会

※以降は下記表記に読み替えて記載しています。
  • 15O :15O
  • 開催日2012年4月27日(金)

第12回日本核医学会春季大会

  • 開催日 2012年4月26日(木)

阪奈滋皮膚病理勉強会

  • 日時2012年4月7日(土) 13時30分~18時40分
Adobe Readerのダウンロードページへ(別ウィンドウ)

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。


滋賀県立総合病院研究所 〒524-8524 滋賀県守山市守山5-4-30 Tel:077-582-6034 Fax:077-582-6041

Copyright(c) 2004- 2019 Shiga Medical Center Research Institute, All Rights Reserved.