ENGLISH

研究所報2003

研究所報2003 所長 藤澤仁

はじめに

 滋賀県立総合病院研究所は平成11年(1999年)4月に開設され、設立当初3年間の成果を収録した最初の研究所報が杉山武敏初代所長の元で出されたのが平成13年(2001年)です。研究が軌道にのりはじめた平成14年4月から私が杉山所長の後を引き継ぐことになり、ここに平成14年度、15年度の研究所の成果を報告させて頂き皆様方のご批判を仰ぎたいと思います。
当研究所は成人病センター病院と並立する主として生活習慣病を視野においた医学研究所として設立されたもので、PET(positoron emission tomography、陽電子放出断層撮影)装置を用いて臨床研究を行う画像研究部門と、遺伝子、がん、循環病態、神経病態などを研究する基礎医学研究部門があり、それぞれ3名ずつの研究員が在籍しています。研究員6名の小さな研究所ですが、設立以来国際的にも通用する真に独創的なレベルの高い研究を目指して所員一同研究に励んで参りました。学術的に高いレベルの研究を目指す一方で、当研究所は滋賀県の県民の皆様によって支えられている研究所でありますので、研究成果が県民の皆さんに還元され何らかの形で役に立つことも必要で、成人病センター病院や近隣の研究施設、医療施設との共同研究を可能な限り進めて参りました。また医師やパラメディカルの方を対象に最先端医学を紹介する研究所セミナーや、一般の県民の方を対象に生活習慣病などをテーマにした公開講座なども行って参りました。
小さな所帯の研究所なので厳しい切磋琢磨の競争的研究環境を作り出すことが極めて困難でありますが、個々の研究者が独りよがりの研究姿勢に陥らないように出来るだけ門戸を開いて他の研究機関との共同研究を進めたり、京都大学と連携大学院協定を結ぶなどして、他機関の研究者や若い大学院生が当研究所の研究に参加して頂けるよう努めております。また研究所内で研究に参加している研究者が自分の研究の進展状況を報告する研究報告会を毎週定期的に行って互いに評価し合う場を設けています。さらに平成15年度には研究所の個々の研究者の研究活動を外部の優れた研究指導者の方に評価して頂くために、外部評価委員会による学術的な評価を行って頂きましたが、順調な研究活動を行っているとの評価をいただきました。研究活動の学術的なレベルを客観的に評価する一つの指標として研究成果を発表した論文の引用頻度から算出されるインパクトファクターがよく用いられますが、平成14年度、15年度の二年間に研究成果を発表した雑誌のインパクトファクターの合計は72.1となり、研究者6名の一年間の一人当たりの平均インパクトファクターは6.0となります。所員一同今後さらに研究活動の向上を目指して努力して参りますので、どうか皆様方のご理解とご支援をお願い申し上げます。


滋賀県立総合病院研究所 〒524-8524 滋賀県守山市守山5-4-30 Tel:077-582-6034 Fax:077-582-6041

Copyright(c) 2004- 2019 Shiga Medical Center Research Institute, All Rights Reserved.