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新規PET薬剤:[18F]標識ピタバスタチンF1誘導体([18F]PTV-F1)の健常ボランティア検査のボランティア被験者を募集します。

注)一部下記の表記に読み替えて記載しています。
  • 18F :18F
2013年9月30日
平成25年3月19日に当センター倫理委員会にて申請・承認されました新規臨床研究「新規PET薬剤:[18F]標識ピタバスタチンF1誘導体([18F]PTV-F1)を用いた有機アニオントランスポーターの機能解析を目的とするポジトロン断層撮影法(Positron Emission Tomography: PET)の正常健常ボランティアを対象にした検討」において、健常ボランティアに対する検査が来る、2013年10月10日(木曜日)の午後 行われますのでお知らせします。

近年、創薬の分野では毒性を含む薬剤でも生理活性発現濃度より極微量の投与で検査可能なため、「有効量の100 分の1 未満で、100 μg以下の用量であれば安全にヒトへの投与可能」という「マイクロドース臨床試験」の概念が提唱され、膨大な時間的、経済的な負担がこれまで必須であった創薬プロセスの時間的、経済的な短縮に応用されつつあります。今後PETは、創薬早期における前臨床段階の検査としても大いに活用されることが期待されており、本研究も、経済産業省管轄の独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)が一般社団法人医薬品開発支援機構(APDD)に委託し始められたプロジェクト、NEDO橋渡し促進技術開発「マイクロドース臨床試験を活用した革新的創薬技術の開発」プロジェクト(プロジェクトリーダー理化学研究所杉山雄一)の一研究として、京都大学薬学部病態機能分析学講座・佐治英郎教授のグループが行っている、PETイメージングの利用に基づく創薬研究の成果の一つとして行われるものです。

ピタバスタチンは、スタチン系のコレステロール低下薬で、「HMG-CoA還元酵素阻害薬」として知られています。高コレステロール血症の治療薬として世界各国で広く使用されています。体内に吸収されたスタチンは、主に肝臓に分布し、HMG-CoA還元酵素の働きを阻害することで、肝臓でのコレステロール生合成を低下させ、コレステロール恒常性維持のため肝臓でのLDL受容体発現を上昇させ、血液から肝臓へのLDLコレステロールの取り込みを促進すると言われています。[18F]PTV-F1は、ピタバスタチンの誘導体であり、ピタバスタチンと同様に肝細胞に取り込まれ、その後速やかに胆汁排泄されて、その後腸へと移行するという性質を持っています。肝細胞への取り込みを行うトランスポーターとしては有機アニオントランスポーターであるOATP(organic anion transporting polypeptide)ファミリーに属するOATP1B1とOATP1B3などが知られており、胆汁排泄に関与するトランスポーターとしてはMRP2(multidrug resistance-associated protein)やBCRP(breast cancer resistance protein)などが知られています。[18F]PTV-F1を用いたPET検査にて撮影可能な時間帯(投与後1-2時間まで)では有機アニオントランスポーターによる肝細胞への取り込みが主で、これに続く胆汁排泄に関してはこれ以降(数時間以降)であるため、 [18F]PTV-F1を用いたPET検査は主としてOATPトランスポーターによる基質の肝取り込みの解析、さらに時間を追加した際には胆汁排泄過程の解析が可能であるものと予想されています。

今回我々は当研究所の共同研究員である京都大学薬学部病態機能分析学講座特別研究員である木村寛之博士が中心となって開発したこの新規PET製剤:ピタバスタチンF1誘導体[18F]PTV-F1に注目し、肝臓における有機アニオントランスポーターの機能の指標となり得るOATP(organic anion transporting polypeptide)ファミリーに属するOATP1B1とOATP1B3の機能を半定量化する非侵襲的なポジトロンエミッション断層撮影(PET)法の確立に向けて、合成検討、安全性検討などを重ね、昨年度末当センター倫理委員会の承認を得ました。

今回、健常人における体内分布の解析を目的とした研究目的の健常ボランティア検査にご協力頂ける方を募集いたします。安全性等には問題ないものと倫理委員会等でも承認されており、放射線被ばくに関しても問題とならない程度ではありますが、詳細は下記の書類等で十分にご確認ください。お一人当たり1時間半程度の検査時間を予定しております。 (研究の概要、説明書、同意承諾書等の文面は下記のリンクにて)

研究にご興味をお持ちで、ボランティア参加を希望される健常者の方は下記のFAX申込用紙に必須事項をご記入の上、当研究所までFAXにてお知らせください。折り返しこちらからお電話にてお知らせし、参加していただけるかどうかなどをお知らせいたします。
(FAX用紙は下記のリンクにて)

なお、検査日程は来る10月10日(木曜日)の午後を予定しております。

また、今回の検討は20歳台から40歳台までの健常者に限らせていただきます。例え軽症でもなんらかの病気などをお持ちで、内服薬等を飲んでおられる方は参加をお断りさせていただきますので、ご了承ください。ご希望の方が多い場合などには残念ながら、ご登録いただいても検査を受けていただけない可能性もありますので、この点もご了解ください。

なにとぞよろしくお願い申し上げます。

文責研究所総括研究員東 達也

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