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優良活動団体事例:まつたけ山復活させ隊(京都府京都市)

ベースキャンプは岩倉村松

京都市営地下鉄の終点、国際会館駅から北へ車を走らせること、約10分。岩倉実相院から少し奥まった岩倉村松に、「まつたけやま復活させ隊」のベースキャンプがあります。明るいアカマツ林に囲まれたこのベースキャンプは、山作業の道具保管場所であり、伐採した薪置き場、活動の合間にお昼ごはんを食べるためのキッチン兼ダイニングでもあります。

「岩倉は昔マツタケがたくさんとれました。ここ岩倉で、マツタケ生産のために里山再生をしようとしたのが『まつたけ山復活させ隊』のはじまりです。私が、京都に戻ってきた2005年に友人がここの土地を貸してくれたので、マツタケを復活させようと新聞やテレビでボランティアを募りました。集まってくれたメンバーで、まずここのまわりのアカマツ林を手入れしました」と、マツタケ生態学者であり東北地方などでマツタケを復活させてきた、同代表の吉村文彦先生は話してくれました。

ベースキャンプまわりのアカマツ林

ベースキャンプまわりのアカマツ林

自立した大人の集団

朝10時30分、ベースキャンプに続々とボランティアの方々がやってきます。参加者の年齢層は団塊の世代以上の方々が多いということもあり、年配の方が大半です。それぞれ、作業班の作業内容が書かれているホワイトボードを確認、名前を記入後、黙々と作業の準備をし、4〜5つある作業地へ向かうため車を相乗りして出発します。

活動は月4回、活動地はベースキャンプからそれぞれ車で約10分〜15分のところにあり、それぞれの班で活動計画を立て整備をすすめているとのこと。代表の吉村先生が、整備の内容について指示を出すことはほとんどないそうです。それぞれの自主性に任せても、きちんと作業は行われるとのこと、まさに自立した大人の集団です。

作業内容が書かれたホワイトボード

作業内容が書かれたホワイトボード

お昼ごはんは手づくりランチでコミュニケーション

昼12時過ぎ、山へ作業に行っていたみなさんが戻ってきます。ここでの決まりの一つに、お昼ごはんはベースキャンプで自分たちで作って食べること、というのがあります。

「お昼に一度ベースキャンプに戻ってくると、山の作業としての効率は悪いのですが、このランチタイムが、みんさんの楽しみのひとつになっており、活動の原動力やコミュニケーションに役立っているんですよ」と、吉村先生。確かにみなさん、おしゃべりをしながらランチを楽しまれています。そしてランチのおいしいこと!このランチ代金は、400円。純粋にランチにかかるお金は350円で、あとの50円は活動費へのカンパです。

オーブン・コンロとも火の元は全てこちらで調達した薪

オーブン・コンロとも火の元は全てこちらで調達した薪

活動資金はそんなにいらない

「活動資金を得るために、民間の助成金をとっていたこともありました。その時は機械類の購入などに充てましたが、報告や精算などが面倒でね・・・」と苦笑の吉村先生。現在の主な活動資金は、ランチ代金とともに徴収する1人50円のカンパと、薪の売り上げ代金とのこと。しかも、薪は積極的に資金を稼ぐために販売しているのではなく、「販売してほしい」との声に応えているだけだそう。それでも、活動資金は必要なのでは?の疑問に、吉村先生は、「それぞれボランティアの持ち寄りでできるので、活動資金はそれほど必要ではありません。また、うちの活動はあえて組織化、法人化していません。法人化するからいろいろとお金もかかってくる。うちは会員名簿もありません、事務局的なことは私一人で事足りますし、各活動の報告は順番にしてもらっています」との返答。組織化は、活発な活動の継続の必須条件だと思っていたら、「目からウロコ」ですね。

とにかく、楽しい!そしてマツタケにはロマンがある

マツタケの育つアカマツの木は元来やせた水分条件の悪い土地を好むため、「尾根松」と言われています。つまり尾根のような場所が生育に最適であり、そのような条件に森林を整備する必要があります。主な作業は、「枯れた木を切って倒す」「林床に光があたるように木を選んで切る」「地かきする」「アカマツを植える」など。

徐々に明るくなってきた森で作業していた男性は、「とにかく木を切って、森がどんどんきれいになっていくことがやりがい。本当のことを言うと、マツタケはどうでもいいんだよ」と笑いながら話してくれました。その言葉に、多くの方がうなずかれています。一方で、「30年後のマツタケを楽しみにしている」との声も。いずれにしても、みなさんの作業の時の生き生きした表情!「楽しいから続けている」というのも、うなずけます。活動も7年目ですが、毎回の参加者数はずっと減っていないとのこと。もちろん多少の人の出入りはあるそうですが、長―く続けている方が大半だとか。それだけみなさんが、この活動が好きだということですね。

広報は簡単なブログと、「新聞記事」

そんなみなさんがこの活動に来られたきっかけの多くが、この活動の「新聞記事」。吉村先生がマツタケを復活させるために活動を始めたという記事を見て、京都市内からはもちろん大阪や奈良から、集まられたそう。新聞の影響力は絶大ですね。

一方で、この団体から発信している広報物は、活動の予定と報告を記載するブログのみです。ただ、活動はすばやくアップされるので、参加していない回の状況をすぐに確認できます。また、次回の予定もここを見ればわかるので、毎回参加できない人にとってはうれしいシステムです。

里山再生を軸に、それぞれが好きな活動を

夕方15時半、活動を終えて全員がベースキャンプに戻ってきました。解散前にお茶の時間、薪オーブンで焼いたパウンドケーキと焼きリンゴが本日のおやつです。こういった習慣は、アウトドアクッキングが大好きなメンバーが始められたとのこと。「ここは好きなことをしに来る場所」と、吉村先生。「アウトドアクッキングもそうだし、チェンソーアート、しいたけづくり、陶芸、米づくり、野菜づくり。里山再生のために活動をしているけれど、ノルマはない。好きな時に来たら良いし、欠席する時も連絡する必要はない。来たくなくなったら来なくていい。そういう気軽さも、みなさんが続けられるきっかけになっているようです」。

行っても行かなくてもいい、行くと楽しいことができて受け入れてくれる場所、そんな居心地の良さも、平日に30人もの参加者が集まる理由のようです。

団体情報

(表)
団体名 まつたけ十字軍運動まつたけ山復活させ隊
代表者名 吉村 文彦
問い合わせ先 (住所)京都市山科区御陵岡ノ西町38-27
(電話およびFAX番号)075-581-8932 / 090-6227-4305
(担当者名)吉村 文彦
(E-mail)redpinemushroom@gmail.com
主な活動地 京都市岩倉村松の香川山等
ホームページアドレス http://blog.goo.ne.jp/npoiroem(外部サイトへリンク)
活動内容 (整)森林整備活動 (資)森林資源の利用(木工や燃料、家づくりなど) (他)その他(米づくり、野菜づくり、葉わさび栽培、陶芸、ニホンミツバチ保全など)
参加難易度 (初)初心者OK だだし、初めて参加される方は事前連絡が必要
活動時期 一年中活動週1回活動しているが詳しくはブログにて確認
設立年月日 2005年6月頃
活動内容等 マツタケ山づくりをメインに、米づくり、野菜づくり、葉わさび栽培、陶芸、ニホンミツバチ保全等

お問い合わせ

琵琶湖環境部 森林政策課
電話番号:077-528-3918
FAX番号:077-528-4886
メールアドレス:dj00@pref.shiga.lg.jp