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上下流連携森づくり事例:NPO法人 日本森林ボランティア協会(大阪市)

「月に一度は山仕事」をスローガンに、2000年よりNPO法人として関西各地の森林にて森づくり活動を行っている「NPO法人日本森林ボランティア協会」。大阪市に事務所をおき、「森づくり(森林整備)」「人づくり(市民と森を結びつける)」というふたつの目的を持ち、300人もの会員が日々活動しています。

活動地は、大阪・京都・滋賀など関西一円に10カ所以上あり、森の種類も、国有林・民有林、人工林・里山など、さまざまです。また、森林ボランティアリーダーの養成として、毎年「森林大学」を開講。森林の仕組みや林業の現状、ボランティア活動の運営を学ぶ場を提供するなど、2番目の目的である「人づくり」にも力を入れています。このほか、企業のCSR活動での植林等のお手伝いや子どもへの森林環境学習など、幅広い活動を行っています。こういった活動の中から、滋賀県での水源の森づくり活動の話を中心に、米代さん、山本さん、中村さんの3人にお話をおうかがいしました。


Q滋賀県で行っている活動を始められたきっかけは?


A森林ボランティアの養成講座である「森林大学」の22期卒業生である山本さんが、手入れされていない人工林を所有。「そこをフィールドして整備しよう!」と森林大学の同期生十数人が、約3年前に活動を始めました。そのフィールドとは、米原市梓河内(あずさかわち)にある霊仙山の麓、SRF(醒ヶ井(さめがい)・霊仙(りょうぜん)フィールド、以下SRF)とよんでいる森林です。ここで、毎回泊まりがけで年6回の活動を行っています。


Q現在、「琵琶湖の水源を守る」ために行っている活動はどのようなものですか?


ASRFの森林は、40〜50年生のスギやヒノキの人工林で50haあります。ここをふたつのフィールドに分け、切り捨て間伐や除伐、枝打ちを行い、ずっと手入れのされてこなかった暗い林内に光が入るよう整備しています。のこぎり・なた等を使う作業からチェンソーを使用する作業までさまざまですが、参加者の希望や経験によって割り当てる作業内容を変えています。また、滋賀北部森林組合にお願いして技術指導や安全講習の受講や、路網の見学をさせていただいたり、フィールド近隣の集落の方に難しい伐倒作業をお願いするなど、地元の方々にご協力ご指導いただいています。
このSRFの森林は、有名な醒ヶ井のバイカモを咲かせる伏流水の水源地。森に蓄えられた雨水は、梓川を経て七夕伝説の発祥の地のひとつとされる「天の川」と合流し、京阪神の水がめである琵琶湖へと注いでいます。ですので、これらの森林を整備することで淀川の水源を守っていると、参加者は認識し、それを誇りに思い作業を行っています。ただ、やはりこういった整備は、10年くらい経たないとその効果が出にくく、継続的な活動が必要だと感じています。


Q活動をされているのは、どういう方が多いですか?


A設立時から開講している「森林大学」を卒業された方の多くが、現在活動されています。やはり、「『森林大学』で学んだことを実践していきたい」、という思いをもっている卒業生が多いようです。年齢層は、定年退職後の方がほとんどですが、みんな元気で生き生きと活動しています。もちろん、参加者の高齢化は課題のひとつではあり、新規参加者は大歓迎です。


Q現在の活動では、どのようなやりがいや楽しさがありますか?


A木が倒れる時の爽快感、森林内での水や空気のおいしさや、利害関係抜きに付き合える仲間との出会いなどさまざまありますが、やはり今まで手入れのされていなかった森林が、自分たちが整備することで蘇ってきれいになり、薄暗い林内に光が入っていくことが、何より気持ちがいいですね。その達成感が、作業を続ける励みになっています。


Q現在の課題と、今後の展望についてお聞かせください


A活動そのものの課題としては、資金調達などもありますが、さまざまな企業や団体の公募助成を受けたり、一部の森林では出材して補助金を受けるなど工夫をしています。木材を販売しても採算があっていない現状ですので、切り捨て間伐がほとんどですが、やはりもったいないという思いを持っています。ですので、今後は、なんとかこの間伐材などを販売できる体制づくりができたらと思っています。私たちの活動は「都市型ボランティア」であり、会員は森林所有者でないことがほとんどです。「森林所有者に私たちボランティアの労働を提供し、出材した売り上げは山主に、出材の補助金は私たちのNPOへ」という体制を少しずつすすめていきたいです。そして、こういった体制づくりが、持続可能なエネルギーであるバイオマスの提供や、山村地域の振興につながればと思っています。


団体情報

団体情報
団体名 NPO法人 日本森林ボランティア協会
代表者 滝口 敏行
問い合わせ先 (住所)〒530-0013 大阪市北区茶屋町2番30号
(電話およびFAX番号)06-6376-8255
(担当者名)事務局長山本 博
(E-mail)mori@npomori.jp
主な活動地 能勢町、箕面市、高槻市、千早赤阪村、和歌山県九度山町、兵庫県吉川町、三重県白山町ほか、滋賀県では米原市醒ヶ井にある霊仙山の麓
ホームページアドレス アドレス:http://www.npomori.jp/index.html
活動内容 (整)森林整備活動(資)森林資源の利用(木工や燃料、家づくりなど)(学)環境学習・自然観察(子)子ども向け(他)その他(森林指導者の養成)
参加難易度 小学生以下の子ども連れOK(初)初心者OK
団体の受け入れ可否 団体の受入れ可能(30〜40人まで)
活動時期 活動地によって、それぞれ異なる。
構成人数 300名(会員)
設立年月日 1997年
活動内容等 森林ボランティア活動、森林指導者養成「森林大学」、ボランティア保険の紹介
森林整備は作業道づくりから
間伐材を利用してテーブルづくり

お問い合わせ

琵琶湖環境部 森林政策課
電話番号:077-528-3918
FAX番号:077-528-4886
メールアドレス:dj00@pref.shiga.lg.jp