さまざまな認知症:前頭側頭葉変性症

前頭側頭葉変性症(ピック病を含む)

「以前の主人とは、人が変わったようです」 Cさん、63歳、男性

もともと社交的な性格だったのに、1年程前から 町内の旅行や会合に参加しなくなり、他人との 約束を平然と破るようになった。昨年妻が手術で入院したとき、あまり心配している風がなかった。また、やたらと甘いものを食べるようになった。半年前からは 入浴や着替えをしなくなり、毎日同じ洋服を着ようとする。 とても落ち着きがなく、何でも今すぐにしようとする。 毎日デパートで無駄な買い物をしてきたり、天気が悪くても 繰り返し散歩にでたりする。不機嫌なことが増え、よく怒鳴るようになった。

前頭側頭葉変性症

前頭側頭葉変性症(frontotemporal lobar degeneration)は一次性認知症の約1割を占め、アルツハイマー病に比べ発症が若い傾向があります。もの忘れはみられますがあまり目立たず、人格変化が中心になります。自己中心的、短絡的な行動や、意欲低下、だらしない行動がみられるため、精神科疾患のようにみえることもしばしばあります。食事の好みの変化(甘いものや大量飲酒など)、繰り返し行動、言語障害(漢字が書けない、読めない)などもみられるようになります。

脳CT・MRIでは前頭葉・側頭葉の萎縮があり、脳血流検査では前頭葉や側頭葉で血流低下がみられ、脳の後方病変が主体のアルツハイマー病とは異なるパターンを示します。