人工関節センター

人工関節センター集合写真

センターの概要

活動的でいたいと感じておられる高齢の方が多く、8割の方が旅行、2~3割の方はスポーツや体力づくりを計画されておられます。しかし、加齢とともに関節の痛みでそれらが制限される事が多くなり、適切な治療を受けることは、いつまでも自立して人生を楽しむことにつながります。膝や股関節における人工関節は約50年の歴史があり、QOL(生活の質)を改善する大変有効な手術と認められています。日本において人工関節手術の件数は、年々増加傾向にあり、約10年間でおよそ2倍に増えておりこの傾向は今後も続くと見られています。手術後には旅行はもちろん、ハイキング、サイクリング、ダンス、ゴルフ、水泳などのスポーツが可能となり、以前の生活を取り戻すことが可能となります。また、人工関節で運動機能を回復することにより心臓疾患に罹る割合が低くなることも報告されています。

人工関節の寿命(人工関節が緩んで入れ替え手術をすること)は20年で約20-30%、言い換えれば入れ替え手術をしないで良い確率が70-80%あります。また、たとえ緩んでも入れ替え手術(手術時間は約3時間、入院期間は約4週間)で元通りの痛みのない生活が送れるようになります。

滋賀県立総合病院における人工関節(股関節と膝関節)の過去4年間の手術数は以下に示す通りで増加しております。因みに2015年1年間の人工股関節手術数は京滋では1位、近畿では7位でした (手術数でわかるいい病院2017週刊朝日MOOK) 。

(表)
人工股関節置換術 人工膝関節置換術
平成24年度 36 38
平成25年度 103 64
平成26年度 187 77
平成27年度 231 112

手術数の多い病院が必ずしも良い病院とは限りませんが、人工股関節においては年間50例以上の手術を行っている施設は年間50例未満の施設より術後成績が良かったという報告があります。ある程度の手術数をこなすことが必須条件ですが、手術数にこだわり過ぎると適正な手術適応の原則が崩れる恐れがあります。病院選びはマスコミに惑わされないよう、かかりつけの医師など信頼のおける情報から判断していただくことが良いと思います。

特色ある治療法

1) “一度の手術で一生持つ人工関節”を目標としています。手術を受けられる患者さんの年齢および股関節の形態もすべて異なっております。使用する人工関節の機種はほぼ決まっておりますが、細かな手術方法は患者さんの手術前の股関節機能や生活を考慮して決めるいわゆるカスタムメイドの手術を心がけており、それが人工関節を長持ちさせるコツと考えています。

2) 当院はリハビリテーション科との密な連携により成り立っています。手術前には関節・歩行の評価を、手術後は日常生活への復帰がスムーズにいくよう丁寧な指導を心掛けています。また、特徴として整形外科病棟での3週間の入院で家庭への復帰に自信のない方は同じ院内にあるリハビリ科へ移ってさらに3週間のリハビリを行っていただくことも可能です。一人暮らしの方や手術前にほとんど歩けず筋力低下の著しい方にはとても好評です。

入院の短いことが良い手術・良いリハビリの指標にされることをあるようですが、3-4日間の入院が普通のアメリカでは手術後1か月内の再入院率が10%程度あることが報告されています。リハビリは創の治癒に合わせて徐々に進めていき、2-3週間で退院されるのが最も適切と考えています。

リハビリテーションについて

リハビリテーションでは、手術前の歩く状態などの評価を行い、手術後のリハビリをパンフレットにて説明をしています。手術後のリハビリの目的は、痛みが取れて日常生活の動作が楽にできることを第一に行います。次に、きれいな(効率の良い)歩き方が出来ることを目的にリハビリを行い、退院後よりアクティブな生活が楽しめるよう一緒に頑張っていきます。

a.人工股関節置換術後のリハビリスケジュール

人工股関節置換術後のリハビリスケジュール

b.当院でも実際使用している、効率の良い歩き方を練習するための器具

効率の良い歩き方を練習するための器具

入院生活やリハビリを予習・復習できる動画アプリを製作

アプリ操作

当院で人工股関節置換術を受けるために入院される方を対象に、入院生活やリハビリテーションをわかりやすく動画にしました。手術前および手術後の経過日数毎に分割しておりますので、よく分からなかった部分のみを予習復習することも容易です。患者さん各々にタブレット端末をお貸ししますので入院中は自由にお使いください。

『見ればわかる、人工股関節の入院生活』

入院生活

受診ご希望の方は、かかりつけ医に相談するか、初診受付にお越しください。