乳腺センター

センターの概要

部分別がん罹患数(女性)全年齢複数年

乳がんは全国で年間約8万人の女性が罹っており、罹患数は女性の悪性疾患の中で第1位です。現在、12人に1人の日本人女性が生涯に乳がんに罹ると言われていて滋賀県においても増加の一途をたどっています。

他の悪性疾患と異なるのは、50歳前後に発症のピークがあり、仕事をしながら、また育児をしながら闘病生活を送らざるを得ない女性が多いこと、また転移再発後も経過が長く、長期にわたる治療やケアが必要となる方が多いこと、そして女性に特に関心の高い臓器であることです。

このような状況に対応するため、乳腺センターでは次に紹介する複数の部門が連携して治療にあたっています。

乳腺外科の役割

乳腺外科

乳腺外科は、乳腺疾患の診断から治療に携わっています。診断では画像診断、外来診察室や手術室での生検を行っています。なかでも局所麻酔下での針生検によって乳がんの病理組織診断を行うことが多いのですが、乳房内の石灰化病変に対してはマンモグラフィ検査を行いながら組織を吸引採取するステレオガイド下吸引式生検を行います。また、超音波検査で見つかった腫瘤性病変や腫瘤非形成性病変に対しては超音波ガイド下吸引式針生検を行っています。

乳がんに対しては、薬物療法や放射線治療がよく効果を示すことから、外科手術は数十年前と比較し減少傾向です。また、リンパ節生検を行い、リンパ節転移がなければ腋窩郭清(腋窩のリンパ節をすべて切除すること)は行いません。このため腋窩のリンパ節を全て切除した場合におこる上肢リンパ浮腫や上肢の運動障害などの重篤な合併症を招くことが少なくなってきています。さらに手術直後から日常動作を行うことが可能であるため、入院期間も4日〜1週間程度と短期です。

放射線部・臨床検査部の役割

放射線部・臨床検査部

乳がんの診断では視触診、マンモグラフィ検査、乳房超音波検査などを行います。当院では質の高いマンモグラフィ検査(乳房X線検査)を提供するために、『デジタルマンモグラフィ検診施設画像認定』を取得しています。これは、乳がん検診の精度維持・向上のための委員会において、厳しい基準を満たした施設に与えられるものです。また、超音波検査では病変の位置・形態・性質などを画像で多方向から複数回記録し、手術前精査・治療効果・手術後経過観察の目的で検査を行います。また、造影超音波検査など、さらに詳細な検査も行っています。

形成外科の役割

滋賀県立総合病院では2016年の4月から形成外科を新設しました。これにより乳がんの治療において、手術による乳房の欠損や変形に対して、乳房再建を行うことができるようになりました。乳房再建の時期は乳がんの手術の際に同時に開始する一次再建と、乳がん術後に行う二次再建とがあります。乳房再建の方法には患者さんご自身の腹直筋や腹部の脂肪、広背筋などの組織を用いた再建術と、シリコンインプラントを用いた再建術があり、患者さんのご希望を尊重し相談の上決定します。

放射線治療センターの役割

乳がんの診療において放射線療法は様々な場面で有効な治療です。乳がんの手術後再発を予防したり、転移・再発後の治療においても症状を和らげたりする目的でも有効です。特に骨の転移や脳の転移に対する放射線治療は‘生活の質(QOL)’の維持や改善に重要な役割を果たしています。チームカンファレンスなどで治療方針について検討し、患者さんひとりひとりの病状に合った治療を行っています。

リハビリテーション科の役割

リハビリテーション科

リハビリテーション科では乳腺センターの一員として、主に手術をされた方を中心に患者さんと関わっています。リハビリの目標は、「手術後の腕の動かしにくさや浮腫の予防・早期発見の方法を身に着けていただくことです。乳がんの手術後には、腕が動かしにくくなったり、腕がむくんで腫れてしまったり、といった症状が現れることがあります。

症状が出てくる時期は様々ですが、リハビリをすることでこれらの症状の予防・緩和が期待されています。リハビリの内容は(1)肩の運動(2)腕の太さの測定(3)日常生活での注意点の説明の3 つです。自分でも続けていただけるように、パンフレットやケアノートをお渡しし、退院後もリハビリを続けていただいています。

外来化学療法センターの役割

お薬による乳がん治療(薬物療法)は、手術や放射線の局所治療とは異なり全身治療です。お薬の種類には、従来の抗がん薬、ホルモン薬、分子標的薬があり、一般的に組み合わせて使うと効果が高まります。薬物療法は日進月歩であり、今後ますます治療効果が高まることが期待されています。ただ、薬物療法を行う患者さんのほとんどが、「脱毛」というとても辛い体験をされています。抗がん薬のお薬の作用と副作用については薬剤師から、日常生活の注意点や脱毛等の外見の変化への対応についてはアピアランス支援の研修を受講したスタッフから説明をしています。

私たちは抗がん薬を投与された患者さんの辛い気持ちに、どこまで寄り添うことができるか悩みます。しかし、患者さんの外見が変化して何も変わらないことをお伝えし、自信を持って生活できるようサポートし、患者さんの自分らしさを支援したいという気持ちをいつも抱いています。ひとりで悩まれることのないよう、相談ください。患者さんやご家族にとっても気軽に相談できる場所でありたいと思っています。

緩和ケアセンター看護師の関わり

緩和ケアセンター専従看護師3名のうち、2名が主に外来を担当しています。診断時の外来診察で同席するとともに、看護師による面談はがん関連の専門の勉強を行った看護師が対応しています。

年間の面談件数が多いのは乳腺外科で、昨年は54件(全体183件)でした。悪い病名を知らされることは、気持ちの落ち込みを伴いますが、大切な治療に向かう出発点でもあり、しっかりとサポートを行います。

がん相談支援センター(がん専門相談員)の関わり

「がん相談支援センター」では、患者ご本人やご家族、あるいは、地域の方々、医療・福祉保健従事者からの、がんに関する質問・相談について、国立がん研究センターによる専門の研修を終了したがん専門相談員がお受けしています。

乳腺センター担当の医療ソーシャルワーカー・臨床心理士は、がん相談支援センターに所属し、がん専門相談員でもあります。ご自身やご家族が病気になると、今までの生活が「しずらくなる」ことで、たくさんの「困りごと」が出てきます。たくさんの「困りごと」は、病気や治療のこと、医療費や生活費、気持ちのつらさ、こらからのくらしについての不安などさまざまです。がん専門相談員は相談者一人ひとりの「困りごと」に寄り添い相談支援を行います。がん情報コーナーでは、がんに関する図書やパンフレット。ウィッグ、下着等のアピアランス(外見)ケア情報など取りそろえています。

また、必要に応じて、「こころの専門家」である臨床心理士が次のようなことを行っています。

  1. 気持ちのつらさに対する支援
  2. 振り返り、その人の持つ「力」への支援
  3. コミュニケーション支援:患者さん、ご家族、医療者とのつなぎ役
  4. ご家族の支援:ご家族の抱えるつらさに対するサポート

乳腺ドックのご案内

乳腺ドックによる乳がんの早期発見・予防

乳腺ドックではマンモグラフィ検査と乳腺超音波検査を併用することで乳がんの発見率向上を目指し、
することで乳がんの発見率向上を目指し、乳がんの早期発見・予防(外部サイトへリンク)に力を入れています。

受診ご希望の方は、かかりつけ医に相談するか、初診受付にお越しください。

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