院外の症例研究の参加状況

研究題目

日本病理学会主導による「人工知能等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(WSI)の収集と病理支援システム開発研究」の分担研究「自律性・持続性を持った病理診断支援システムを構築するための地域実証実験モデル」

1. はじめに

社会の高齢化が進み、がんをはじめとする生活習慣病にかかる患者さんが増えております。がんの確定診断には病変を直接顕微鏡でみる「病理診断」をする必要があります。病理診断をすることで、手術部位を正確に確定することができ、患者さんの術後のQOLの向上やがんの再発の防止や低減につなげることができます。

ところが、病理診断を行う専門の医師(病理医)が全国的に不足しています。滋賀県も例外ではありません。病理医のいない病院や診療所では病理診断に1~2週間もかかっています。そのため滋賀県では、県内の病理医が協力し、県内の患者さんに精度の高い病理診断を迅速に届けることのできる遠隔病理診断ネットワークを平成25年から立ち上げています。これは病院間で病理情報回線を連結し、病理医同士が互いに診断を支援したり、病理医のいない病院でも、たとえば切除した組織でのがんの有無を手術中に迅速に診断したりすることができるシステムです。(本事業および運営体を「さざなみ病理ネット」と呼んでいます。)当院もこの事業に参加し、その恩恵を受けている機関の一つです。

さざなみ病理ネットが軌道に乗った平成27年頃から、本県で構築したさざなみ病理ネットのシステムを他地域にも広げてはどうかとの提案を国にして参りましたところ、国の研究開発予算が付き、一般社団法人日本病理学会(以下「病理学会」)主導で、下記事業を展開することとなりました。

今回の研究は、前記の診断目的で、さざなみ病理ネット上で使用した病理画像(P-WSI)と個人を特定できない範囲の医療情報を集積し、全国から集積したデータと合わせた膨大なデータ(ビッグデータ)を使って、人工知能による病理診断の可能性を探ろうとするものです。

2. 事業(研究)概要

事業名は「人工知能(AI)等の利活用を見据えた病理組織デジタル画像(P-WSI)の収集基盤整備と病理支援システム開発」です。国立研究開発法人日本医療研究開発機構(通称AMED)からの研究事業で、病理学会が事業主体となり、全国16の大学病院や7の市中病院、7つの病理学会支部および滋賀県、長野県の2地域から全国に散在する病理画像(P-WSI)を集積し、データをビッグデータ化することで、国民のためのより良い病理診断につながる病理診断支援ツールの開発研究や希少がんなどを含む病理診断生涯教育ツールの開発研究を、ナショナル・クリニカル・データベース(NCD)と共同で行い、将来的には国立情報学研究所(NII)等の人工知能開発研究機関との共同研究による人工知能病理診断ツールの開発を行うという平成29年度末までの研究事業です。

滋賀県のさざなみ病理ネットは、通常の遠隔病理診断を行うことで、自動的に画像データを集積できるシステムの開発と、研究事業が終了後も自立的に運営し、各地で展開していくための地域モデルの構築を病理学会から委託されています。

さざなみネット

3. 事業(研究)の目的

全国からP-WSI等の画像データを、病理学会の病理組織画像収集クラウドサーバに登録し、病理診断支援ツール、人材育成のためのe-ラーニング等の病理診断生涯教育支援ツール、アーカイブ化事業および人工知能を活用した病理診断技術の研究開発を行います。これによって、疾患の最終診断である「病理診断」を通じて、より一層国民の医療に貢献できる体制を構築することをめざしています。さらに、将来的には日本医学放射線学会および日本消化器内視鏡学会が集積する「画像」とも連携して、NII等の協力の下、画像を用いたより精度の高い診断支援ツールの開発を行うことも目的とします。

4. 研究の方法

さざなみ病理ネットに参画する病院間で遠隔病理診断を行う過程でネットワークに保管されるP-WSIを、セキュリティの保たれたネットワーク回線を使用して、日本病理学会のクラウドサーバ上に登録します。登録するデータは、(1)年齢、(2)検査時年齢、(3)性別、(4)施設での患者ID(さざなみ病理ネットのシステムで自動加工したもの)、(5)臓器名、(6)採取法、(7)検査日付、(8)病理番号(標本番号)、(9)臨床診断、(10)臨床情報、(11)病理診断、(12)病理所見、(13)画像(WSI)等です。

患者さんが直ちに特定される「個人名、生年月日」等の情報は登録いたしません。

ただし、本研究事業が国家的プロジェクトとして日本病理学会のほかに、日本医学放射線学会と日本消化器内視鏡学会も、それぞれの画像を収集し、同様の研究に着手していますので、将来的にはこれらの情報を統合する新たな研究を行う余地があるため、「生年月日」等を含めた情報を研究機関から追加項目として要請があり、真に必要と我々が判断した場合に限り、個人情報に十分配慮した上で、情報を提供することがあり得ることを付記しておきます。

登録に使用するネットワーク回線は、セキュリティの保たれた回線を使用し、情報を登録・保管するクラウドサーバも厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を含む3省4ガイドラインを遵守したサーバを使用いたします。さらに安全面強化のために、クラウドサーバ上の保管データは自動的に「匿名化かつ秘密分散化」され、個人が特定されない状態で保管されます。

5. 試料・情報を利用する者の範囲

当院、一般社団法人日本病理学会、一般社団法人National Clinical Database(NCD)、国立情報学研究所(NII)

6. 試料・情報の管理について責任を有する者の氏名または名称

当院 宮地 良樹 院長

7. 研究使用にあたっての個人情報保護

本研究は、患者さんご本人の診療内容には全く影響を与えませんし、患者さんが不利益を受けることもありません。研究に当たっては、個人情報保護には十分配慮いたします。学会や論文で結果を発表する際には、個人の特定が可能な情報は全て削除されます。

8. 研究使用に対する同意の撤回について

この研究に関して不明な点がある場合、あるいはデータの利用に同意されない場合には、以下にご連絡いただきたいと存じます。ご家族及び後見人の方からのご連絡も承ります。

また、あなたの上記画像や情報が実際にこの研究に使用されているかを公表することはできません。使われている可能性がありますので、それを撤回なさるご希望がありましたら、以下に同意撤回の問い合わせをして下さい。ご本人の材料を使用されているかどうかを調べ、研究使用不可とさせていただきます。

ただし、データが既に匿名化・秘密分散化された場合、および研究に使用され、研究の成果が既に公表されている場合には、撤回ができないことをご承諾ください。その場合、保存データは完全に匿名化された状態であり、公表に際しては、個人の識別ができないよう慎重に対処します。

同意撤回の手続き

(記入の上、郵送してください)

お問合せ先

滋賀県立総合病院 TEL: 077-582-5031(代)

9. その他

提供は無償とし、知的財産権が発生した場合であっても、提供者に帰属しないことを了承ください。

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