滋賀県産の農畜水産物の魅力を県内外に発信し、消費拡大につなげようと、滋賀県と「おいしが うれしが」キャンペーンの登録事業者らによる新たな取り組みが始まった。31日、県庁で記者発表会が開かれ 、事業者が発案した5つのプロジェクトが発表された。9月から来年2月にかけて、それぞれの取り組み を進め、年度末に成果を報告する。
「おいしが うれしが」キャンペーンは、県産の農畜水産物を消費者に知ってもらい、”滋賀の食材をみんなで消費する”運動。今回の新プロジェクトでは、従来の県と個々の事業者との連携に加え、複数の事業者が業種の垣根を 越えて協働するのが特徴だ。
発端となったのは7月。約50の登録事業者が参加した交流会で、日頃の取り組みや課題を共有するとと もに、「おいしが うれしが」を活用した新たな連携事業のアイデアを募集した。約30件の提案が寄せら れ、今回、特に具体的なアイデアを5つのプロジェクトに集約した。
「おいしが うれしが 滋賀のおいしい新発見プロジェクト」では、滋賀県農業法人協会会長の岡村氏を リーダーに、県内各地のマルシェなどにブースを出展する。単に県産食材を販売するだけでなく、生産者の思いや琵琶湖とのつながりにも焦点を当て、消費者と生産者が直接交流できる機会をつくる。
岡村氏は、滋賀県の食材は「知っているようで知られていない」ものも多いとし、生産者の思いも含め て県産農畜水産物をPRし、滋賀の食を盛り上げたいと話した。
「おいしが うれしが 関西つながるプロジェクト」は、大阪の飲食店と滋賀県内の道の駅や小売店など を結び、滋賀への観光誘客につなげる。リーダーを務める清水氏は、大阪で長年、近江野菜や近江米、 琵琶湖の魚など滋賀県産食材を使った飲食店を運営してきた経験を生かす。
飲食店などに滋賀の観光情報を掲載した販促物を置くほか、県内の道の駅やコンビニエンスストアなどとも連携し、食を入口に 滋賀への関心を高める仕掛けを検討する。
「おいしが うれしが 湖国めしともLaboプロジェクト」では、滋賀の食材を使った新たな加工品や土産 物の開発を目指す。生産者、加工事業者、料理人、販売事業者ら、それぞれの専門性を組み合わせ、「 これぞ滋賀」と感じてもらえる商品を生み出す構想だ。
近江鴨など、気軽に食べる機会が少ない食材を加工品として身近なものにするアイデアや、市場に出荷 できない規格外品などを有効活用し、新たな商品につなげる取り組みも進める。
「おいしが うれしが 食べて知る【滋賀】首都圏プロジェクト」では、首都圏の飲食店と滋賀の事業者 を結び、県産食材だけでなく、滋賀の食文化そのものを発信する。
滋賀県産食材を使っている首都圏の和食店とイタリアン店を含む4店舗を対象に、滋賀への1泊2日のツ アーを実施する計画。生産者との交流や郷土料理などを通じて滋賀の食文化を学び、その経験を料理と して再解釈する。来年1月には、4店舗で滋賀の食材を使った料理を提供するフェアの開催を目指す。
「おいしが うれしが ウェルカムプロジェクト」は、県外や海外から滋賀を訪れた人が、飲食店や宿泊 施設で「滋賀らしさ」を感じられる共通の食体験をつくる。
県産食材を使ったウェルカムスイーツやドリンク、メニューなどを開発するほか、飲食店や宿泊施設が 共通して活用できる仕掛けを検討する。その一案として、滋賀県や琵琶湖をイメージした形に県産野菜 などを加工するための型をつくり、飲食店や宿泊施設で共通して使用する構想も示された。
発表会では、各プロジェクトの代表に滋賀県知事から応援状が手渡された。知事は、生産者とのつなが りや首都圏とのつながり、土産物を通じたつながりなどを挙げ、「観光や健康、環境など、農林水産の 枠を超えて、いろんなものとつながりを作って盛り上げていけたら」と期待を示した。
5つのプロジェクトは9月から具体的な取り組みを進め、来年3月に成果や今後の展望を共有する報告会 を予定。県は今後、参加する事業者をさらに広げていく方針だ。
「食べる」「買う」だけにとどまらず、生産者、料理人、販売者、観光事業者、そして消費者をつなぐ ――。「おいしが うれしが」を軸に、滋賀の食の魅力を県内外へ広げる新たな取り組みが走り出した。