「空き家問題」と聞くと、山あいの集落や人の少ない地域の話だと思っていませんか。
実は、空き家は特別な家庭だけの問題ではありません。
親の高齢化や施設への入所、転居、そして相続――。
誰にでも起こりうる人生の節目をきっかけに、それまで当たり前にあった「実家」が空き家になるケースは少なくありません。
しかし、そのとき初めて「家をどうする?」と考え始めても、すぐに答えが出るとは限りません。
総務省の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家は約900万戸。過去最多となり、住宅のおよそ7戸に1戸が空き家という時代になりました。
滋賀県でも空き家は約8万2千戸あります。
賃貸や売却の予定がない住宅などを、相続したものの活用方法が決まっていない住宅などを「どう管理するか」が課題となっています。
空き家は、人が住まなくなると想像以上の速さで傷み始めます。
換気されないことで湿気がたまり、雨漏りやシロアリの被害が進むこともあります。
庭木や雑草が伸び、景観や防犯面で近隣に影響を与えることも少なくありません。
さらに近年は、管理が不十分な空き家への対応も強化され、「そのまま置いておけばいい」という時代ではなくなっています。
実は、空き家対策で一番重要なのは、空き家になってから何をするかではありません。
「空き家にならないように準備すること」です。
例えば、
・「将来、この家には誰が住む?」
・「売るとしたらどうする?」
・「権利書や必要な書類はどこにある?」
・「家財道具はどうする?」
こうしたことを家族で話しておくだけでも、将来の負担は大きく変わります。
そこで滋賀県では、空き家を発生させないためのポイントをまとめた「空き家ガイドブック ~空き家発生予防21カ条~」を公開しています。
ガイドブックでは、
・家族で話し合っておきたいこと
・空き家になった場合の管理方法
・売却や賃貸など活用の選択肢
などを、イラストを交えながら分かりやすく紹介しています。
実家について話す機会は意外と少ないものです。
「まだ元気だから」
「そのうち考えればいい」
そう思っていた矢先に、急な入院や相続で判断を迫られることもあります。
住まいは家族の思い出が詰まった大切な場所だからこそ、元気な今だからこそ話せることがあります。
このガイドブックをきっかけに、実家のこれからについて家族で話し合う時間をつくってみませんか。