近年、琵琶湖では湖魚の記録的な不漁が続いています。漁師の数は最盛期の3,000人から 300人へと激減し、古くからの漁法は消えつつあるという。
「今の琵琶湖のことを記録しておかなければ」一そんな危機感を持った人たちが集まり、2025年4月から2026年3月まで1年間にわたって100人が書き継いだ交換日記が、「びわ湖の日」である7月1日に書籍として刊行される。
近年、琵琶湖におけるコアユなどの記録的な不漁や、伝統的な漁法の衰退といった深刻な環境変化が懸念されている。
こうした危機感を背景に、有志の市民らが「今日の琵琶湖」の姿を後世へ書き残すプロジェクトを立ち上げ、その成果をまとめた書籍『100年後に読む琵琶湖日記 2025年4月〜2026年3月』が、7月1日の「びわ湖の日」に刊行されることとなった。
これに先立ち、今月15日には滋賀県庁の会見室にて、出版社能美社(滋賀県長浜市)の代表・堀江昌史さんや、発起人、日記の執筆者ら7人による記者会見が行われた。
当プロジェクトは2024年秋、堀江さんが大津市の漁師の駒井健也氏との対話を契機に始動。
メディアプラットフォーム「note」の同じアカウントを使い、漁師、料理人、写真家、研究者、釣り人、小中高生など琵琶湖に関わる100人近くが、それぞれの立場で、それぞれの日常を交換日記のように書き継いだ。
日々の漁への情熱や挫折を漁師が書き、湖底のゴミを拾い続ける潜水士が書き、水槽の中の魚を毎日観察した中高生が記録した。
行政からの補助金などはなく、企業スポンサーもなく自発的に集まった100人のプロジェクトには、報告書や学術論文には書かれない「当事者の暮らし」が綴られているという。リアルな生態系と暮らしの機微が250ページにわたり綴られている。
発行元である能美舎の堀江昌史さんは、「ネット上のプラットフォームがいつまで続くかはわからない」としたうえで、「本として残すことで、誰かの本棚に収まり、100年後の誰かの手に渡り未来へつなげることができる」と書籍化の意義を強調した。
なお、同書の刊行を記念し、6月18日の平和書店アル・プラザ彦根店を皮切りに、長浜市の文泉堂(20日)、大津市の旧大津公会堂(21日)など県内5カ所で、参加者が手作りしおりの挟み込みやスタンプ押しを行うワークショップが開催される。
また、6月26日からは無印良品ビバシティ彦根店にて、琵琶湖写真家の辻田新也氏による写真展やパネル展、トークショーなども予定されている。
同書はA5判・250ページ、定価2,200円(税込)で、初版2,000部のみ発行される。
編:100年後に読む琵琶湖日記編集部
出版社:能美舎
発行日:2026年7月1日(びわ湖の日)
判型:頁数:A5判・250ページ
定価:2,200円(税込)
ISBN:978-4-909623-16-4
刊行部数:2000部