朝のコーヒーに入れたり、お風呂上がりにゴクッと飲んだり。牛乳は私たちの暮らしにとても身近な存在です。
6月1日は「牛乳の日」、そして6月は「牛乳月間」。
これは、国連食糧農業機関(FAO)が牛乳や酪農への関心を高めることを目的に提唱したもので、日本でも2007年から6月1日を「牛乳の日」、6月を「牛乳月間」としています。
牛乳には、筋肉や皮膚、血管などをつくる良質なたんぱく質をはじめ、骨や歯を丈夫にするカルシウム、免疫機能の維持に重要なビタミンAなど、私たちの健康を支えるさまざまな栄養素が含まれています。
これから迎える梅雨や暑い夏を元気に乗り切るためにも、牛乳は心強い味方です。
ところで、そんな牛乳を生み出す酪農が、滋賀県でいつから始まったかご存じでしょうか。
実は、その歴史はなんと150年以上前にさかのぼります。
滋賀県といえば「近江牛」を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか?
実は滋賀県は、古くから牛との関わりが深い地域です。
江戸時代には彦根藩が牛肉の味噌漬けを「反本丸(へんぽんがん)」と称し特産品として将軍家へ献上していたと伝えられています。また、明治時代には近江商人たちが滋賀県で育てられた牛を東京や横浜へ送り出し、「近江牛」の名を全国へ広めました。
こうした牛との深い関わりの中で、滋賀県の酪農も発展していきました。
滋賀県で牛乳搾取業が始まったのは1870(明治3)年のことです。
坂田郡神照村(現在の長浜市中心部)に住んでいた林幾太郎氏が乳牛を飼育し、搾乳・販売を始めたのが滋賀県酪農の始まりとされています。
しかし、当時は牛乳を飲む習慣がほとんどありませんでした。販売を始めてもなかなか売れず、現在のように牛乳が日常的に飲まれる時代ではなかったといいます。
転機となったのは、長浜町内の医師が「牛乳は病人の栄養によい」と勧めたことでした。これをきっかけに、少しずつ牛乳を飲む人が増えていったと伝えられています。
その後、1872(明治5)年には草津市矢倉でも搾乳販売業が始まり、県内各地へと酪農が広がっていきました。
さらに、1877(明治10)年創業の安井牧場(現在の甲賀市土山町)は、現在も続く県内有数の老舗乳業メーカーとして知られています。
今では当たり前のように飲まれている牛乳ですが、その歴史は150年以上前の先人たちの挑戦から始まっていたのです。
滋賀県の酪農の歴史については:一般社団法人Jミルク「第6回 滋賀県の酪農乳業の始まりと展開」
現在も県内では酪農家の皆さんが乳牛を育て、生乳を生産しています。
牛は毎日世話が必要です。
餌やりや健康管理、搾乳などは、お正月もお盆も休むことができません。
こうして生産された生乳は牛乳として私たちのもとへ届けられるほか、さまざまな乳製品の原料として利用されています。
私たちが何気なく飲んでいる牛乳の背景には、生産者の皆さんの日々の努力があります。
牛乳というと、どれも同じように見えるかもしれません。
しかし、滋賀県内には酪農家や乳業メーカーのこだわりが詰まったさまざまな牛乳や乳製品があります。
毎日の食卓で親しまれているものから、地域限定で販売されているもの、風味や製法にこだわったものまで、その魅力はさまざまです。
飲み比べてみると、「こんなに違うの?」と驚く発見があるかもしれません。
県では、県産牛乳の消費拡大に向けて、県内スポーツイベントや公式インスタグラムなどを通じて県産牛乳の魅力を発信しています。
また、牛乳生産者の皆さんと連携し、学校給食における県産牛乳の消費拡大事業など、子どもたちに県産牛乳への関心を持ってもらい、その魅力を知ってもらうための取組を進めています。
6月の牛乳月間を機会に、ぜひ県産牛乳や乳製品を手に取ってみてください。
(牧場の直売所や県産牛乳を取り扱う販売所に足を運んでみるのもおすすめです!)
牛乳売り場に並ぶ様々なパック。その一つひとつに、150年以上続く滋賀の酪農の歴史と、生産者の皆さんの思いが詰まっています。
「牛乳はどれも同じ」。そんなイメージが変わる一杯に出会えるかもしれません。
滋賀県の畜産業に関するお問い合わせ
農政水産部 畜産課
生産・耕畜連携係
電話番号:077-528-3853
メールアドレス:[email protected]