「魚のゆりかご水田」をご存じだろうか。
琵琶湖の魚が生まれ育つ、環境や生きものに優しい田んぼのこと。
6月7日、そんな田んぼにやってきた魚たちを子どもたちが網でつかまえて観察し、最後には田んぼでつくったお米もいただくイベントが、東近江市・栗見出在家町(くりみでざいけちょう)で開催された。
「鮒ずし」の材料としても知られるニゴロブナなどの琵琶湖の魚は、春になると産卵のため、琵琶湖の浅瀬や湖辺の田んぼを目指す。
田んぼは水温が温かく、稚魚のエサとなるプランクトンが豊富であるため、産卵や稚魚の成育にとても適しており、このことから、田んぼは稚魚にとって心地よい“ゆりかご”。
しかし、農業の近代化の影響で、田んぼと水路に落差ができ、魚たちが田んぼに上がれなくなってしまったのである。
――― 田んぼに魚たちが飛び跳ね、青々とした田園に白さぎが舞う。そして、田んぼには網を持って魚つかみをする子どもたちの歓声。その光景を温かいまなざしでみつめる農家・・・
こんな光景の復活と、安心・安全でおいしいお米を目指して取組をすすめているのが、人や生きものが安心して暮らせる農村の環境を取り戻す「魚のゆりかご水田プロジェクト」。
排水路に「魚道」(魚の通り道)を設置することで、農業生産性を維持しながら、田んぼへやってくる湖魚を迎えられるようになった。
代表的な「魚のゆりかご水田」のひとつ、栗見出在家町の水田では7日、「生きもの観察会 ~田んぼの水路で生きものをさがそう~ 」が開催され、県内外から親子連れら約200人が参加した。
参加者たちはタモ網を片手に「魚道」が設置された水路に入り、足にぶつかってくる魚に興奮しながら、ニゴロブナやギンブナ、ナマズやコイなどを「とれた!」「これ何の魚?」と大歓声。
魚たちは一度水槽に集められ、子どもたちは、専門家による解説を興味津々に聞いたり、間近に観察し、おそるおそる触ってみたり。田んぼにはたくさんの生きものが暮らしていることを学んだ。
たくさん動いてお腹もへった頃。最後は、この田んぼで育てられた減農薬・減化学肥料のお米「魚のゆりかご水田米」と、琵琶湖の夏の風物詩「小鮎の佃煮」などが振る舞われ、みんなで昼食。
釜炊きごはんならではの“おこげ”も大人気で、「おいしい、おいしい」と笑顔でほおばった。
魚が育つ田んぼ。その田んぼで実ったお米。そのお米を食べる人。
「魚のゆりかご水田」は琵琶湖と田んぼをつなぎ、人と田んぼをつなぐ。
様々ないのちを育むこの取組の魅力を、子どもたちの笑顔が教えてくれた。
「魚のゆりかご水田米」の認証を受けたお米は、このロゴマークが目印です。
取扱店舗は公式ホームページからご確認ください。
【SNSでバズった!】琵琶湖近くの水田でナマズが産卵する決定的瞬間【貴重映像】
県立琵琶湖博物館の公式SNSで6月7日に発信し、Instagramで1000万再生・Xでも380万再生され“バズった”動画。
雨上がりの夜、琵琶湖近くの水田にナマズがやってきて産卵する瞬間を、学芸員が撮影したものです!