明治23年(1890年)に造られた貴重な産業遺産「琵琶湖疏水」
昨年、令和7年(2025年)には琵琶湖疏水の3つの隧道とインクライン、南禅寺水路閣が国宝に、ほかにも大津閘門及び堰門など19か所の関連施設が重要文化財に認定されている。
そのような国宝・重要文化財に指定された施設を船から見学もできる「びわ湖疏水船」は平成30年(2018年)から観光事業として復活している。
今年の春シーズンの運行は3月26日から6月14日まで。
今回は、京都市の蹴上乗下船場から滋賀県大津市の三井寺乗下船場へ向かう「上り便」による旅に出かけてきました。
今回乗船したのは「れいわ号」です。
ちなみにびわ湖疏水船は、めいじ号・へいせい号・れいわ号・へいわ号の4隻で運行されています。
レトロな煉瓦造りの建物・旧御所水道ポンプ室前かられいわ号に乗船。船には左右に6人づつ12名の席がありますが、上り便は水の流れに逆らって運転するため、安全確保と船体の面からも9名が定員です。
さて、出発。
すぐに第三トンネルに入ります。トンネル上部の扁額には、内閣制度発足後の初代内大臣三条実美揮毫の「美哉山河」が掲げられています。
「なんと美しい山河であろう」という意味だそうです。
トンネルを抜け、新緑の木々が水面に美しい影を落とす中、白い航跡を描きながら進む船はスピード感たっぷり!頬にあたる風が最高に心地よいひとときです。
大津までに通る3つのトンネルには、東口・西口それぞれに明治の偉人たちが遺した「扁額」が掲げられており、当時の人々の情熱が今も息づいているのを感じます。
また、暗闇を抜けるたびに、目の前に広がる鮮やかな緑の光には、思わず息をのむ美しさ・感動がありました。
約30分の船旅を終え、第一トンネルを抜けると、びわ湖との水位を調整し、船を通すための水位調整を行う大津閘門の扉が見えてきた。
2つの水門を交互に開閉することで、船がエレベーターのようにびわ湖と疏水路の水位差を調整し双方に行き来することができるようにするための施設。
令和5年(2023年)に電動化改修工事が完了している。
第一トンネルを振り返ると、東口の扁額は初代内閣総理大臣である伊藤博文の揮毫。「気象萬千(きしょうばんせん)」は、「様々に変化する風光はすばらしい」の意。
琵琶湖の水位が高まった際に、京都市側で自ら「水止める」ために付けられている重厚感ある赤錆色の扉(実際には一度も使われたことがない)も雰囲気たっぷりでした。
京都と滋賀を繋ぐ美しい水のロマン「びわ湖疏水船」の春運航は今月14日(日曜日)まで。
国宝に指定されてからの初となった春運航は、例年に比べ早いペースで予約が埋まったそうです。
山々が赤や黄色に染まる秋運航は例年であると10月から開始。予約受け開始などの情報は、びわ湖疏水船のホームページをチェックください。