400年の伝統を持つ「大津祭」をフィールドワークや体験学習を通して学ぶ連続講座『大津まちなか大学大津祭学部』が始まっている。
祭りを支える人材育成などを目的に大津のまちなかを舞台に行われるこの講座は、2006年から始まり今年が21期目。大津市と特定非営利活動大津祭曳山連盟の主催。
10月10日の宵宮や11日の大津祭り本番ではガイド体験なども行いながら、全9回の座学とフィールドワークを通じて大津祭の歴史や伝統を学んでいくもので、今年は定員30名の募集に対し、例年の2倍近い46人の応募があった。
5月23日には、入学式と初回の講座が大津市の「大津祭曳山展示館」で行われた。
入学式では、歓迎の大津祭の囃子の演奏で始まり、同連盟の舟橋弘明理事長が挨拶。大津市歴史博物館の五十嵐正也学芸員が大津の街の歴史をテーマに講義を行い、参加者らは真剣な表情で講義に聞き入り、メモを取るなどしていた。
2回目の講座は、5月31日に大津祭の舞台である市内中心部を歩いて歴史を学んだ。
講座は今後、豪華絢爛な曳山の構造や美しい懸装品についての講義のほか、祭の行事である「くじ取り式」や「山建て工程」の見学をしたりするなどのフィールドワークを7回行う。
全9回の講座やフィールドワークを終えた参加者は、 10月17日に卒業検定試験に臨む。
無事、試験に合格した卒業生らは、卒業生の有志でつくる大津祭りの運営に関わるボランティアグループ「長柄衆(ながえしゅう)」として、その後も祭りに携わっていくこともできるという。
湖国三大祭のひとつで国指定重要無形民俗文化財でもある「大津祭」は今年は10月11日に本祭が行われる。
大津祭は、京町三丁目(旧の四宮町)にある天孫神社(四宮神社)の例祭で、京都祇園祭の風情を色濃く継承した祭礼でもある。
13基ある曳山はいずれも江戸時代に制作されたもので、各曳山にはからくり人形が乗る。
祭礼の1週間前に組み立てられ、本祭の翌日には解体される。
大津祭の華である曳山の由来は、約400年前の慶弔年間、鍛冶屋町に住む塩屋治兵衛という人が、祭礼の日に狸の面をかぶり踊ったのが始まりとされる。
やがて山車が作られ、その上に乗って囃子をしながら町を巡行するようになったといわれている。
そして祇園祭(京都市)や高山祭(高山市)と同じように、次第に現在のような豪華で趣向をこらした山が作られるようになった。
巡行は、毎年9月16日の「くじ取り式」で決まり、不鬮取(くじとらず)の「西行桜狸山(鍛治屋町)」以外の12基の巡行順が決定する。
本祭の前日である宵宮(よみや)では13基の曳山に明かりが灯り幻想的な雰囲気の中、囃子なども奏でられ、多くの観光客が大津の夜を楽しむ。