滋賀県立美術館が湖北地域で始動した新たな現代美術プロジェクト「ASK(Art Spot in Kohoku)」の第一弾、現代アートユニット「キュンチョメ」による展示会『100万年の子守唄』が、約2ヶ月間の会期を終えて無事に終了しました。
高島市大溝地区を舞台に、2026年2月21日から4月19日まで開催され、県外からも多くの来場者が訪れた本展示の様子をまとめます。
Ghost in the Ocean
2025 映像
ある日、海の中を泳いでいると一枚のビニール袋が流れてきました。
それは太陽の光を受けて驚くほどキラキラと輝いていました。
でも、それは命の循環には加われず、悪いものとして孤独に海を漂い続けます。
私にはそのビニール袋が、人間の幽霊のように見えました。
1枚のビニール袋を「私」ととして想像すること。
その先に、地球と私たちの救済があるのではないかと思いました。
展示概要
会期: 2026年2月21日(土)〜4月19日(日)
会場: 高島市勝野 大溝地区内の旧民家・米蔵(旧福井盛弘堂、中田家住宅旧米蔵、林家住宅旧米蔵)
アーティスト: キュンチョメ(ホンマエリ、ナブチによるアートユニット)
テーマ: 悠久の時を刻み、生き物を見守り続ける琵琶湖の存在を「100万年の子守唄」になぞらえ、映像作品や立体作品、新作を含む多様な作品を展開
プロジェクト「ASK(Art Spot in Kohoku)」・・・
滋賀県立美術館が、令和7年度から3年間かけて高島市、米原市、長浜市を巡る巡回型の現代美術プロジェクト。
アートを通して心に何かを問いかける(ask)ことを目的としており、今回の高島市での展示はその記念すべきスタートとなりました。
展示の特色と反響
歴史情緒あふれる空間: 美しい水辺景観と城下町の趣が残る大溝地区の、現在は使用されていない歴史を刻んだ建物を会場に活用し、琵琶湖にインスパイアされた映像作品などが、暗い室内や蔵の独特な雰囲気の中で展示され、訪れた人々は土地の歴史とアートが交差する特別な体験を楽しみました。
会期中には学芸員による展示解説やワークショップの開催のほか、アーティストトークも行われ、アートをきっかけとした地域の魅力を再発見する場となりました。
今回の展示は、美術館を飛び出し、滋賀が持つ豊かな風土や歴史をアートの力で照らし出す新たな試みとなりました。
キュンチョメの作品が投げかけた問いは、来場された方々の心の中に深く刻まれ、次なるASKプロジェクトへの期待へと繋がっています。
滋賀県立美術館では、今後もASKの取り組みを進めていきます。