今年のノーベル生理学・医学賞を授賞した坂口志文大阪大学特任教授が22日、県庁を訪れ、知事らに受賞を報告した。
県は同日、坂口教授の長年の功績と栄誉をたたえ、スポーツ選手以外では初となる「県民栄誉賞」を授与した。
坂口教授は、過剰な免疫反応を抑える「制御性T細胞」を発見。がん治療や自己免疫疾患の研究に革命をもたらした功績が評価され、今年のノーベル生理学・医学賞を受賞した。
滋賀県出身者でのノーベル賞受賞は初。
県庁本館玄関口に到着した坂口教授は、東勝副知事から花束を受け取り、知事室まで移動。本館3階にある知事室までの階段や廊下には多くの県職員らが集まり、受賞をお祝いする横断幕やパネルを手に、大きな拍手や祝意を贈った。
知事室で行われた贈呈式で三日月大造知事は、「県民みんなが喜んでいる。心からお祝い申し上げる」と祝意を述べ、県民栄誉賞の表彰状や琵琶湖の水草を使って発色させた記念品、近江米や近江牛などの副賞を贈った。
授与式後の歓談では、坂口教授が述べた「扉と橋」の話が印象的だったと話した。
坂口教授は、「若い人にサイエンスというものが結構面白いものだとわかっていただければ一番いい」と応えた。
受賞後、記者団の取材に応じた坂口教授は、スポーツ選手以外で初となる県民栄誉賞について、「今までは、オリンピックの金メダルの方がもらうと聞いていましたので、このような形で名誉をいただけてうれしい」と笑顔を見せた。
また、「私のやっている医学の基礎研究が、人の病気の治療・予防・健康に役立てるようになればいいなと思っている」と話し、幼少期から少年時代にかけて過ごした滋賀県の環境の良さや魅力についてどう感じているかを問われた際には、「都会と違って、自転車に乗ればびわ湖にも行けたし、結構のんびりしていた」と振り返った。
滋賀の子どもたちへのメッセージを問われた坂口教授は、「(スポーツでも勉強でも)何か関心を持ったものに、継続して深堀してみると新しいことが見えてくるので、そういうことを続けていただければいいんじゃないかと思う」と温かいメッセージをおくった。