12月、街が色鮮やかなイルミネーションに包まれる季節。
クリスマスのシンボルといえば、サンタクロースやツリーが真っ先に思い浮かぶが、日本独自のクリスマス文化として定着しているものに「お菓子入りのクリスマスブーツ」がある。
実は、このクリスマスブーツの発祥の地は、滋賀県草津市であることは意外に知られていない。
クリスマスムードが高まるなか、草津の街では、「発祥の地」をアピールする様々な取組が行われている。
草津駅西口のクサツエストピアホテルの前を通る人々が、思わず足を止めてスマートフォンを向ける光景がある。
この時期恒例となった、巨大クリスマスブーツバルーン。高さが3.5メートルほどあるバルーンは鮮やかな赤色、そして履き口からは溢れんばかりのプレゼントが載っている。日没後はライトアップもされ、見る者を一瞬で幸せにしてくれる魔法のブーツは2023年に新調された二代目。
クリスマスブーツ発祥の地は草津だった。
1955年(昭和30年)のこと、草津市西大路町に本社を構える、1947年創業の菓子容器製造・加工会社「株式会社近商物産」の先々代社長が、クリスマスツリーに飾られていたブーツのオーナメントを見て「銀紙を巻いた厚紙の筒でブーツとつくり、お菓子を詰めて販売してみたら子どもたちが喜ぶだろう」と販売したのがはじまり。
見た目も華やかなブーツ型の容器にお菓子を詰め込むというアイデアは、またたく間に子どもたちの心を掴み、日本全国に広がっていったという。以来、年間200万個をつくっている。
今月の5日と6日に草津駅東口のペデストリアンデッキで開催された「クリスマスマーケット」。活気あふれる会場の中で、熱心に来場者と交流する人物がいた。
近商物産の三代目社長、河田裕司さんだった。
河田社長は、気さくに質問に応じてくれた。
「このマーケットに初出店してみた。普段は事業者向けに販売しているものが主だが、ホームページでは一般の方も購入いただけるのでぜひご覧ください」と明るく話す河田社長。息子さんとともに「クリスマスブーツの文化がここ草津、そして滋賀から始まったということを、もっと多くの人に知っていただきたい」と語るその瞳には、熱い想いが宿っていた。
同社の本社社屋の中では、全国の子どもたちへ届けるための「夢」が今もせっせと詰められている。時代の変化と共にお菓子の種類やデザインは変わっても、「開ける瞬間のワクワクを届けたい」という先代からの精神は、三代目の河田社長にも脈々と受け継がれている。
株式会社 近商物産HP:https://www.kinsyou.co.jp/
JR草津駅のコンコースを見上げれば、愛らしいクリスマスブーツのオーナメントがぶら下がり、クリスマスムードを盛り上げている。