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日本初の鉄道貸切旅行が令和に復刻!草津創業「日本旅行」が記念列車

 滋賀県草津市を創業の地とする旅行業大手「日本旅行」は6日、同社の創業120周年を記念する特別ツアーを催行し、団体臨時列車の出発式をJR草津駅で執り行った。

 特別ツアーは、大阪駅を出発する借上臨時列車で長野・善光寺まで向かう「善光寺まいり」。
途中の京都駅・草津駅・米原駅からも参加者が乗車し、乗り換えなしで長野駅に到着するもので、298名が参加した。

出発の合図をする草津駅長と、お見送りをする三日月知事ら
特別ツアー団体臨時列車の出発の瞬間

「日本旅行創業120周年記念号」草津駅出発セレモニー

 主催者である日本旅行の吉田圭吾社長や三日月知事が出迎える中、列車は9時29分に入線。6番ホームで出発式が始まった。

 吉田社長は、1908年に日本初の団体貸切臨時列車を草津駅から善光寺へ運行した歴史を紹介し、「当時の旅行は7日間の強行軍だったが、今回は安心・安全に当時を楽しく再現している」と挨拶。知事は、「日本旅行が世界で最も歴史のある旅行会社の一つであることに誇りを持ちたい」とメッセージを送った。

 その後、創業者・南新助氏のひ孫にあたる南啓次郎氏が創業家グループを代表して挨拶し、「当時と同じ草津駅から貸切列車が出発する瞬間に立ち会えることに深く感銘を受けている。今回は親族13名で楽しんできます」と喜びを語った。
 

 今回の特別ツアーは、1908年の「善光寺まいり」の団体旅行を現代風に復刻した特別企画。大阪を起点に創業の地・草津を経由し、中央本線で長野まで約44kmを旅する。車内では沿線の味覚を楽しめる工夫もあり。JR西日本の財剛啓京滋支社長から乗客代表への記念品贈呈もあった。

 JR草津駅の木原彰彦駅長のお見送り出発合図により列車は定刻9時45分に出発。
 「行ってらっしゃい!」「行ってきます!」
ホームから、車内から、たくさんの人たちが笑顔で手をふるなか「記念号」はスピードを上げていった。

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出発式の様子は
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(滋賀県広報課公式Instagram)

出発セレモニー記念写真
左から、木原草津駅長、 吉田社長、 三日月知事、南代表、財支社長

日本旅行

 日本旅行は、1905年(明治38年)に現在の滋賀県草津市で南新助により創業。

 南新助は、1885年(明治18年)に現在の滋賀県草津市で生まれ、家業である国鉄(現在のJR)草津駅構内における列車の乗客相手の商売を手伝っていた。当時の草津駅は乗降客が非常に多く賑わっていたため、彼は「列車を利用して、何か新しいことができないだろうか」と日々考えていたそう。

 そんなときに知ったのが、汽車券の団体割引制度。
 「この制度を利用して団体旅行を計画すれば、多くの人が気軽に旅行できるようになり、喜んでもらえるのではないか」。さらに、祖父から幾度となく聞かされていた『旅の楽しさへの憧れ』や『国鉄への恩返し』という想いも高まり、1905年(明治38年)、わが国初の列車を利用した団体旅行(高野山参詣団・伊勢神宮参拝団)を企画した。

 これが、「旅」を商品にした日本初の事例で、『日本の旅行業のはじまり』そして『日本旅行創業の瞬間』とされている。

 その後、1908年(明治41年)には国鉄貸切り臨時列車による関東廻遊団(善光寺参拝団)の募集団体旅行を実施。南氏の旅行社はその後1941年(昭和16年)に戦争の深刻化により廃業するも、1949年(昭和24年)に株式会社日本旅行社として再発足し、1968年(昭和43年)に商号を株式会社日本旅行に改称、2001年(平成13年)には西日本旅客鉄道株式会社TiS本部と統合している。

 2015年(平成27年)11月には、「滋賀県」と地方自治体と初となる包括連携協定を締結している。

 なお、創業地である滋賀県草津市には、JR草津駅前のテナントビル3階に草津支店があり、約15人の社員さんらが、「旅のたのしみ」を提供している。

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