滋賀県が5年の歳月をかけて開発した滋賀県初のオリジナルいちご品種「みおしずく」が出荷の時期を迎えている。
県内主要量販店や一部の県外店舗での販売がはじまるのを前に、今後のPR活動等について、報道関係者向けの説明会が行われた。
「みおしずく」は滋賀県初のオリジナルいちご品種。2016年から滋賀県農業技術振興センターが品種改良に取り組み、5年の歳月をかけて約1,600の個体から選抜。適度な酸味と強い香りをもつ「かおり野」を母、甘みが強く酸味の少ない「章姫」を父とし、新たな魅力を持ついちごとして誕生した。最大の魅力は適度な酸味で際立つさわやかな甘み。フローラルな香りや、大粒で明るい赤色の見た目も特徴。
2021年に名前を公募し、集まった約7,600件の中から「みおしずく」が誕生した。
今般、民間検査機関で実施した香気検査では、県産「章姫」や、他県産「あまおう」と比べても「みおしずく」の香りが非常に強く、特に花のような芳醇な香りが際立っていたという。
今年10月には、出願から4年を経て、国に品種登録された。
今シーズンは約45トン、パック数にして約18万パックの出荷を見込んでいる。
県では、これらを契機にブランド力を一層強化するため、生産者団体や関係機関と連携し、効果的なPR活動を実施していくとしている。
まずは県内および京阪神での認知度向上のため、県内外の平和堂店舗において試食販売会を実施する予定。来年2026年1月下旬から2月中旬の週末に、県内および県外(京阪神地区)の平和堂基幹店舗6店舗において試食販売会を実施する。
また、3月には、京都駅地下街のカフェで「みおしずくフェア」としてスイーツの販売も予定しているという。
県の担当者によると、「みおしずく」は、他の品種と比較してシーズンを通じて食味が安定していることや、甘みと酸味のバランス、香りの良さなどが実需者から評価いただけているポイントと話し、「特に洋菓子店などからは、加工では足せないイチゴの香りがしっかりあるとの声をたくさんいただいている」と話した。
2030年には栽培面積を現在の約4.4ヘクタールから6ヘクタールへ引き上げたい考えだ。