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農水省顕彰制度「料理マスターズ」で「徳山鮓」の徳山浩明氏がゴールド賞を受賞!

徳山氏は前段右から2番目

 農林水産省が主催する料理人顕彰制度「料理マスターズ」受賞者の授与式が17日、帝国ホテル東京にて開催され、長浜市余呉町で旬の地元食材や発酵料理を提供する料理旅館(オーベルジュ)「徳山鮓(とくやまずし)」の店主・徳山浩明(とくやまひろあき)氏 がゴールド賞に選ばれた。

 料理マスターズは、日本の「食」や「食材」、「食文化」の素晴らしさや奥深さ、その魅力に誇りとこだわりを持ち続け、生産者や食品企業等と「協働」して地産地消や食文化の普及の取組に尽力している現役料理人を国が顕彰する制度。2010年から毎年一度受賞者が決定されており、今回で第16回。国が日本の料理人を顕彰する唯一の制度として、その栄誉は名高く、受賞には数々の実績や功績証明が必要となる。

 徳山氏が受賞したゴールド賞は、ブロンズ賞を受賞後引き続き 5年以上功績をあげてシルバー賞を受賞し、その後さらに 5年以上顕著な功績をあげた者に与えられる最高位の賞で、これまで11名しか受賞したことがなかったもの。今回、長年にわたって「近江の食:鮒鮓」や日本の「HAKKO」文化を国内外に向け積極的に発信していることなどが評価され、受賞に至った。

 

広瀬農水大臣政務官から授与賞とゴールドメダルが授与された

 徳山氏は、授与式を終えて「地域の方や産地の方、いろいろな方にお世話になってきた。また、家族が一番の支えになっている。それで今までやってこれたので、こういう形で賞がいただけて本当に嬉しく思います」と感謝を語った。また、これからについて「いま息子たちが代を継いで頑張ってくれています。先人の方から受け継いだ熟鮓(なれずし)文化を、私がまた次の世代に伝えていく、この役割を果たしていきたい」と述べた。

 なお今回の受賞に接した三日月知事は、「長きにわたり、滋賀ならではの良質な素材に真摯に向き合われ、『近江の食:鮒鮓』や発酵文化を探求され、ローカルガストロノミーの先駆者として、日本のみならず海外にも『HAKKO』文化を積極的に発信されてきたことに、深く敬意を表します」とコメントしている。

 4年前には 県広報誌『滋賀プラスワン』(vol.192) でもインタビューに応じてくださった徳山氏。当時も「食材豊かな滋賀県が、発酵をきっかけの一つとしてより盛り上がっていった先で、次の世代に継いでいけるよう努めていければ」と語っていた。
 

「徳山鮓」について

外観

(写真は 県運営サイトMLGs WEB内「MLGsニュース」記事にて 2021年に掲載したもの)

 余呉湖の湖畔、豊臣秀吉と柴田勝家の合戦で知られる賤ヶ岳の麓に位置し、山々と田園風景に囲まれ佇む料理旅館は、徳山氏が京都の料亭で修業を積んだのち、帰郷して生家を改築し2004年に開業したもの。美味しい料理や酒をいただいたあとにゆっくり風呂に入り、部屋でくつろいで、翌日も朝食を楽しめる宿は、「オーベルジュ」と呼ばれる。

 徳山氏が研究を重ねて生まれた、乳酸発酵の旨味を感じられる食べやすい「鮒鮓(ふなずし)」などの発酵食品を核に、「同じ水で育った食材でメニューを構成する」というコンセプトで、徳山氏みずから集めた四季折々の余呉の幸を凝縮した、唯一無二のコース料理が提供されている。

鮒鮓

この日の「鮒鮓」は、卵の部分だけをチーズやワインジュレと合わせたアミューズ風
(写真は 県運営サイトMLGs WEB内「MLGsニュース」記事にて 2021年に掲載したもの)

店内

席からは余呉湖が一望できる
(写真は 県運営サイトMLGs WEB内「MLGsニュース」記事にて 2021年に掲載したもの)

今回の受賞に至るまで

2015年:ブロンズ賞受賞
[主な評価点]
・「徳山鮓」で出される料理の食材は、全て地元の余呉湖周辺で採れたもの。また山菜やキノコ類は勿論、ウナギやワカサギなど魚も余呉湖の天然もの。
・イノシシ等の鳥獣類は知人の猟師から仕入れる。「熟鮓(なれずし)」をはじめとした発酵料理は店主自ら仕入れた地元産の食材を丁寧に発酵させ調理。
・滋賀県の発酵食品文化を育て発展させた料理がメディアで取り上げられ、滋賀の発酵食文化、余呉地域活性化にも寄与する環境をつくってきた。

2020年:シルバー賞受賞
[主な評価点]
・近江が誇る醗酵文化を新たな食文化として進化させ、世界へ発信するために長浜市周辺の若手料理人と連携し、「7Spears」を発足。生産者との繋がりの中で醗酵というテーマを中心にした地域食材の活用と食の可能性を探る取組を行う。
・醗酵文化を発信するために、パリでの交流会や講演会で料理提供、プレゼンを行う。東南アジア諸国交流会では、各国の醗酵文化を調査しながら日本の醗酵文化を発信し、食文化交流を進めている。
・食を通じて地域の活性化を図るため、地元の生産者と様々な料理人との交流会・食事会を季節毎に開催する。

2025年:ゴールド賞受賞(今回)
[主な評価点]
・毎年開催される全国発酵サミットなどで「近江の食:鮒鮓」および日本の「HAKKO」文化を国内外に向け積極的に発信している。
・農業従事者を社員として雇用し料理に必要な食材を作ってもらう「社内委託生産方式」で雇用創出にも貢献している。

徳山氏の受賞に関するお問合せ
農政水産部 みらいの農業振興課 食のブランド推進室
電話番号:077-528-3890
メールアドレス:[email protected]
記事に関するお問合せ
知事公室 広報課
電話番号:077-528-3040
メールアドレス:[email protected]