訪中4日目となる11月10日、この日も小雨が降り注ぐ中、三日月知事は中国・湖南省トップの瀋暁明(しんぎょうめい)中国共産党湖南省委書記と初めての会談に臨んだ。
急きょ日本メディアに非公開で行われる形となったが、終了後の報道陣の取材に応じた三日月知事は、「1983年に友好県省協定(※)を締結して以降、長年にわたり信頼関係を築いてきた両県省の関係を一層深め、産業や健康福祉など幅広い分野での連携強化を確認するなど、大変有意義な会談となった」と述べた。また「滋賀県との関係を重視されていると感じた。未来に向けた発展を共につくりたい」と、半導体や介護サービス、青少年交流、文化・スポーツといった具体的な分野での協力を進める意向を示した。
※滋賀県と湖南省は、琵琶湖と洞庭湖(どうていこ:中国で2番目に大きい淡水湖)という湖を縁として、1983年に友好県省協定を結んでいる。協定締結40周年を迎えた一昨年(2023年)を契機として、両県省の交流が日中両国の平和の礎となるよう平和交流を開始したところ。
同日の午後からは、中国屈指の大手メディア「湖南テレビ」と、世界有数の重機メーカー「三一重工」を視察した。
湖南テレビでは、県のびわ湖放送(株)と、1988年からの業務交流協定に基づく番組交換や人材派遣といった交流が行われている。その湖南テレビが制作した滋賀県の魅力紹介番組を、今回の県民団の来日にあわせて9日に放送するという粋な計らいも。その感謝と感銘を伝え、今後も相互の魅力発信を通じた友好促進に期待を示した。
三一重工は、中国で第1位、世界第3位の売上高を誇る重機メーカー。
東日本大震災における原発事故の際には、原子炉を冷やすことができる巨大ポンプ車をの無償提供した。三日月知事からはそのことについて謝意を表明。世界トップクラスの同社と、滋賀県のモノづくり企業との連携の可能性などについても意見交換を行った。
知事は、両社の視察を通じて経済連携の新たな「種」をまけたのではと、今後の具体的な成果に意欲を見せた。