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宝厳寺住職が渡墺!豊臣期大坂図屏風を縁にオーストリアと交流

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エッゲンブルグ宮殿「日本の間」で報道陣からの取材に応じる峰住職

 オーストリア・グラーツにある世界遺産・エッゲンベルク宮殿と縁が深い、竹生島・宝厳寺の峰覚雄住職らは、オーストリア大使館観光部とともにオーストリア(墺)を訪問し、現地の学術関係者などと交流した。

 エッゲンベルク宮殿は今年、築城開始から400年を迎えた。

 宮殿内の部屋の一つ「日本の間」には、豊臣秀吉時代の大坂城と城下町が描かれた『豊臣期大坂図屏風』が8枚のパネルに分けられ、壁にはめ込まれて展示されている。

 この屏風には、大坂城の本丸に架かっていた「極楽橋」が描かれている。

 近年の関西大学の調査などにより、「極楽橋」は、京都東山の豊国廟極楽門として移築され、その後竹生島にわたり、宝厳寺「唐門」となって現在にいたる。

唐門上部の妻飾り彫刻には、その羽を王者の冠服の飾りとするといわれる錦鶏が刻まれており、豊臣秀吉の威光を今日に伝える、現存する大坂城の唯一の遺構である。

 峰住職は2日、宮殿を訪ね、エッゲンブルグ城博物館主任学芸員・関西大学名著博士のバルバラ・カイザー博士と再会した。

 カイザー博士は、同屏風研究の第一人者であり、過去に宝厳寺を訪れて、峰住職と面会している。

 カイザー博士の案内のもと、屏風と初対面した峰住職は、「屏風は色が落ち着いていて、古さが出ていて良い」と話した。

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(左から)エッゲンベルク城博物館のカイザー博士、関西大の長谷教授、宝厳寺の峰住職

 その後は、滋賀県とグラーツ市の観光部局同士の交流も行われ、同行していたびわこビジターズビューロー海外誘客部とグラーツ市観光局による観光相互協力の協定書への署名が行われた。

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宝厳寺「唐門」

7年の歳月をかけた修復作業により、 2020年に絢爛豪華な姿が鮮やかに蘇った唐門(国宝)。

豊臣秀吉が建てた大坂城の極楽橋の一部で、現存する唯一の大坂城の建造物として注目されている。

京都東山の豊国廟極楽門として移築され、豊臣秀頼の命により竹生島にわたりました。移築の際、土地の条件から観音堂に接して建てられている。

桧皮葺、建物全体を総黒漆塗りとした上に金鍍金の飾金具が散りばめられ、虹梁中央の蟇股の周囲には鳳凰や松・兎・牡丹の彫刻を、二枚の大きな桟唐戸や壁には牡丹唐草の彫刻を極彩色塗りとして飾っており、豪華絢爛といわれた桃山様式の唐門の代表的遺構とされる。

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