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映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』滋賀の幻想的な風景、格式の高い空間を背景に紡がれる信長と濃姫の壮大な物語 (広報誌滋賀プラスワン 令和5年(2023年)1・2月号 vol.201)

1月27日から全国公開の映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』は、滋賀の様々な場所で印象に残るシーンが撮影されました。今までにない織田信長像を描き出した大友啓史監督に、幻の安土城について、そして滋賀の魅力について語っていただきました。

新たな信長像に挑む

歴史上の人物を扱う場合、過去の偉人としてではなく、私たちのすぐそばにいる、同じ人間として描きたいと僕は考えています。今回の作品では、従来の冷酷で合理的、部下に激しくあたったり残虐だったというイメージから信長を解放して、新しい「人間・信長」を提示したいと考えました。

濃姫から見た信長という視点は、脚本家の古沢良太さんの発見です。戦国時代の物語ではあるけれども、合戦そのものではなく、合戦を前にした信長と濃姫、そして合戦後の二人の関係に重点を置くことで、新しい信長が見えてくると感じました。

また、主演の木村拓哉さんの「先人に失礼のないように演じたい」という言葉から、信長が自らの精神を傷つけていく「戦争のリアル」を描こうと考え、戦いでしんがりを務めた兵士たちがアリのようにぞろぞろ帰ってくる「敗者の列」を描きました。そのリアルさのために、彦根城での撮影ではエキストラの方たちにうんざりするほど何度も急な階段を上がらせて、たいへんな思いをさせてしまいました。

©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
大友啓史監督
©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
彦根城で撮影

安土城跡で得たイメージ

撮影に入る前に、安土城跡を訪ねて時間をかけて回りました。天主ってこんなに狭いの!? とびっくりしたり、琵琶湖を望む場所に立ったり、安土城考古博物館もじっくり見ました。築城のシーンを石垣造りから始めることにしたのは、安土の取材で触発されてのこと。また、安土城跡の裏側に下りていった時に見た湖のイメージが印象的で、本能寺へ向かう場面は水場を抜けていくシーンにしたんです。

幻の安土城を再現

信長は那古野城、清洲城、岐阜城と移り住んで、最後に造ったのが安土城。その間に家臣がどんどん増えて、家臣の質が変わり、信長と濃姫が背負うものも変わっていった。安土城の築城を現代で例えると、新婚当初1LDKに暮らしていた夫婦が六本木ヒルズを建てるようなものなんです。そうした信長と濃姫の物語にふさわしい城のデザインを、安土を実際に訪ねて僕が感じたことをベースに諸説を参考にして美術監督に考えてもらいました。

安土城の非常に高い天主はヨーロッパの教会建築のように、天上の神に近づこうとした信長の意志の反映ではないかというのが僕の仮説です。あの時代に比叡山の仏を焼いてしまって心がすさみ、濃姫の心も少しずつ離れていく。そうした孤独から、信長は自分の弱さをゆだねる対象としてキリスト教に向かったんじゃないかと思うんです。

©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
琵琶湖のほとりを駆けるシーン

滋賀で見つけたすばらしい場所

滋賀は京都ほど観光化されていない、手つかずの場所がいっぱいあってロケ地としてとても魅力的です。

今回のロケ地として最も印象的だったのは、夢のシーンを撮った「岩尾池の一本杉」(甲賀市)。岩尾池の水の透明感がすばらしくて底の水苔の緑まで見え、幻想的な空間でした。

光秀が家康を饗応するシーンを撮影した長浜の大通寺もよかった!床の間やふすま絵などの設えから釀し出される格式の高さを感じて、セットをやめて大通寺で撮ろうと決めました。

時代劇を撮る時に毎回足を運んでいる滋賀県は、僕にとって長年のパートナー。今回も滋賀でたくさんのインスピレーションを与えてもらいました。苦労していたロケ地探しでは、滋賀ロケーションオフィスの案内ですばらしい場所をたくさん見つけることができました。

滋賀の皆さんに協力していただいて映画が完成しました。滋賀のすばらしい風景や文化、皆さんの協力がなければ、この映画は撮れませんでした! ありがとうございました。

©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
岩尾池(甲賀市)で撮影
©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会
長浜別院大通寺(長浜市)で撮影
©2023 「THE LEGEND & BUTTERFLY」製作委員会

『THE LEGEND & BUTTERFLY』
■あらすじ
尾張国の織田信長(木村拓哉)は大うつけと呼ばれるほどの変わり者だった。敵対する隣国・美濃国の斎藤道三の娘・濃姫(綾瀬はるか)と政略結婚という形で出会った信長は、彼女と激しくぶつかるが、今川義元との戦で一緒に戦術を練ったことから二人は固い絆で結ばれるようになる。そこから二人は、天下統一に向かって歩みだす。
■公開日
2023年1月27日(金) 全国ロードショー 東映配給
■監 督
大友啓史
■キャスト
木村拓哉、綾瀬はるか、伊藤英明、中谷美紀、宮沢氷魚、市川染五郎(8代目)、北大路欣也、音尾琢真、斎藤工

映画『レジェンド&バタフライ』公式ホームページ
映画公式HP

信長の夢の跡「幻の安土城」復元プロジェクト進行中

織田信長が天下統一の拠点として築いた安土城は、令和8年(2026年)築城450年を迎えます。完成からわずか3年で焼失した安土城は、今も多くの謎に包まれています。県は平成31年度から大規模な調査を続け、「幻の安土城」復元プロジェクトを進めています。


〜復元プロジェクト年表〜

  • ◆ 平成31年(2019年)「幻の安土城」復元プロジェクト開始

 デジタル技術(VR・AR)を活用した「見える化」の計画開始

バーチャルによる復元

※イメージです。

様々な調査をもとに、誰もが気軽に楽しめるバーチャル映像による復元を目指しています。

  • ◆ 令和3年(2021年)安土城の実像解明に向けて「令和の大調査」の計画策定に着手

丘全体が城郭!?

尾根上に郭
谷筋に階段状の郭
谷筋に階段状の郭
尾根上に郭

上空からのレーザー照射による精密な計測で、赤色立体地図を作製。樹木に覆われて見えなかった人工的な城郭の跡がくっきり明らかに!

  • ◆ 令和8年(2026年)安土城築城450年 安土城の魅力を未来に継承し、世界へ発信します!!

安土城のココに注目!

天主跡の石垣の上から琵琶湖を眺めてみよう。田畑を琵琶湖の水面に置き換えれば、築城当時とほぼ同じ風景が一望できます。

まっすぐで幅の広い大手道は、戦を想定した造りではなく、天皇を迎えることを念頭に置いた築城と考えられます。

天主跡から見える景色
安土城跡の大手道

滋賀には安土城以外にも世界遺産登録を目指す彦根城など、歴史的に重要な城がたくさんあります。

公益社団法人びわこビジターズビューローのサイト「滋賀県観光物産情報ウェブサイト」の「近江の城50選」を参考に、城巡りに出かけてみませんか?

近江の城50選
「近江の城50選」 HPはこちら▼
彦根城を世界遺産に
「彦根城を世界遺産に」HPはこちら▼
お問合せ
県庁文化財保護課
電話番号:077-528-4678
FAX番号:077-528-4956
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