文化庁による、ふるさと文化財の森システム推進事業の一環として、令和8年3月24日付けで新たに大津市の石山寺境内林が檜皮葺屋根の資材供給地として「ふるさと文化財の森」に設定されることが決定しましたのでお知らせします。
このたびの新規設定により、滋賀県内の「ふるさと文化財の森」は計5か所となります。このうち檜皮葺屋根の資材供給地としては3か所目となります
設定地名称:石山寺境内林(いしやまでらけいだいりん)
材種:檜皮(ひわだ)
所在地:滋賀県大津市石山寺一丁目
所有者:宗教法人石山寺
範囲:106.4ヘクタール
設定日:令和8年3月24日
国宝や重要文化財などの文化財建造物を修理し、後世に伝えていくためには、木材や檜皮、茅、漆などの資材の確保と、これに関する技能者を育成することが必要です。
このため、文化庁では、文化財建造物の修理に必要な資材のモデル供給林及び研修林となる「ふるさと文化財の森」を設定しています。また、この「ふるさと文化財の森」は、修理用資材を通じて文化財保護への理解を深めることも目的としています。
今回、この趣旨に賛同いただいた所有者の申請に基づき、新たに大津市の石山寺境内林が檜皮葺屋根(ひわだぶきやね)の資材供給地として「ふるさと文化財の森」に設定されます。このたびの新規設定により、「ふるさと文化財の森」は滋賀県内で計5か所、全国で計99か所となります。
【参考】滋賀県内ふるさと文化財の森既設定地の4か所
近江八幡市
西の湖近江八幡葭生産組合葭地(葭):平成26年(2014)3月設定
西の湖佐々木土地葭地(葭):平成26年(2014)3月設定
東近江市
瓦屋禅寺境内林(檜皮):平成28年(2016)3月設定
乾徳禅寺境内林(檜皮):平成31年(2019)3月設定
「ふるさと文化財の森システム推進事業」では、ふるさと文化財の森の設定のほか、資材採取等研修事業や、文化財修理用資材等に関する普及啓発事業を実施しています。
また、資材供給の安定化および促進を図るため、ふるさと文化財の森の所有者等に対して、資材の育成に必要な管理業務への支援などが行われています。
檜皮とは、樹齢 80~100 年以上のヒノキの立木から採取したヒノキの樹皮です。一度採取しても10年ほどで再生し、再び採取することができ、また樹木を傷めることもありません。
檜皮葺とは、日本に古くから伝わる屋根葺の技法で、檜皮(ヒノキの樹皮)を用いた屋根のことです。檜皮を屋根に合わせて長さや幅を整えた後、等間隔に少しずつずらして小舞と呼ばれる屋根の下地に竹製の釘を打ち固定していきます。
檜皮葺の屋根を葺く作業は地道で手間と技術を要しますが、瓦屋根と比べてやわらかい曲線を造り出すことができ、社寺建築の美しい屋根の形を造るために重要な伝統技法です。