琵琶湖に眠る水中遺跡は、滋賀県の特色ある埋蔵文化財の一つです。その77という遺跡数は国内屈指の多さを誇り、縄文時代以来の多様な遺跡がよく残る様相は「国内唯一」ともいわれています。
本県では長浜市葛籠尾崎湖底遺跡の発見100年の節目にあわせて、令和6年度より「琵琶湖に眠る水中遺跡魅力発掘・発信事業」をスタートしました。今年度も北の近江振興プロジェクトの一環として、地域全体への関心を高め、地域の誇りの醸成や地域活性化につなげるべく、高島市を主なテーマとして講演会と展示会を開催します。
【内容】
高島市域においては現在14か所の水中遺跡を確認しています。これらは琵琶湖岸やその少し沖合いにあり、発掘調査によって、もとは陸上に営まれたものの、地震等の災害によって水没した遺跡があることなどが分かっています。これらの水中遺跡は縄文時代から江戸時代にかけての集落跡や社寺跡などであり、災害の様子や往時の人々のくらしの様子を直接に物語ります。
長浜市葛籠尾崎湖底遺跡は竹生島の北側の沖合いに位置し、縄文時代から中世にいたる土器が、大正時代から数多く引き上げられてきました。深いところでは水深70mを超える位置にあり、琵琶湖にある多くの水中遺跡とは異なって、人々のくらしに直接にかかわる遺跡ではありません。遺跡の成因に諸説がある謎の遺跡です。
今回の講演会では、葛籠尾崎湖底遺跡の調査に長年にわたって取り組まれてきた立命館大学文学部特別任用教授の矢野健一さんを講師にお迎えし、最新の調査成果をふまえて「葛籠尾崎湖底遺跡の謎を解く!」と題してご講演いただきます。
あわせて、講演会では「水中遺跡が物語る人々のくらし」と題し、高島市域の水中遺跡の概要を報告するとともに、展示会において高島市域の水中遺跡(森浜遺跡・針江浜遺跡等)の出土品やパネル等を展示します。
【講演会】
・開催日令和7年11月2日(日)
・日程
12:30~受付開始
13:10~開会あいさつ
13:20~報告「水中遺跡が物語る人々のくらし」
報告者:滋賀県文化スポーツ部文化財保護課 田中稔
13:45~講演「葛籠尾崎湖底遺跡の謎を解く!」
講師: 立命館大学文学部特別任用教授矢野健一さん
14:45~閉会あいさつ
・定員150名(当日先着順、事前申込みなし)
・会場今津東コミュニティセンター3階大ホール(高島市今津町中沼1丁目4‐1)
※JR湖西線近江今津駅から東へ約300m(徒歩4分)
・入場料無料
・その他資料としてパンフレットを配布
【展示会】
・会場中江藤樹・たかしまミュージアムエントランスホール(高島市安曇川町上小川69)
・開催日令和7年11月3日(月・祝)~11月16日(日)
・入場料無料
・主な展示品高島市森浜遺跡・針江浜遺跡出土品等
・その他資料としてパンフレットを配布