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琵琶湖北湖第一湖盆(水深約90m)において貧酸素状態が確認されました

令和7年9月8日(月)に実施した琵琶湖北湖の第一湖盆(水深約90m)における水質調査において、今年度初めて底層溶存酸素量(以下「底層DO」という。)が、底生生物への影響が見られる目安である2mg/Lを下回る貧酸素状態となった地点を確認しました。

今後も、必要に応じて調査範囲を拡大するなど底層DOの動向にも注視しつつ、モニタリング調査を実施します。

1.調査結果

(1)底層DOについて(表1、図1参照)

調査結果
調査日 令和7年9月8日(月)
調査地点 北湖第一湖盆7地点
底層DOが2mg/Lを下回った地点数 1地点(A点)
底層DO(湖底上1m) 1.5mg/L ~ 4.1mg/L

(2)湖底の生物について

  • 9月10 日(水)に琵琶湖環境科学研究センターが実施した水中ロボット(ROV)による第一湖盆での調査の結果、水深90m 地点でヨコエビやカジカの生存を確認した。このことから、貧酸素による湖底の生物への顕著な影響は、現時点では見られない。

(3)底層の水質について(図2参照)

  • 底層DOが低下することで影響を受けやすい(溶出しやすい)とされる水質項目には、重金属類(マンガン等)や栄養塩類(りん等)がある。
  • A点以外の調査地点は貧酸素状態には至っておらず、定期的に底層の採水調査を実施しているC点(今津沖中央)の調査結果(9月1日時点)には、各項目とも過去の変動の範囲内で推移している。(図2参照)

2.底層DOの現状と今後の対応

(1)底層DOの現状

  • 全層循環の後、3月から底層DOが減少し、9月8日の調査において1地点(A点)で底生生物への影響が見られる目安である2mg/Lを下回る貧酸素状態を確認した。(表1)
  • 底層DOが2mg/Lを下回った時期は、昨年度の8月20日より20日程度遅い。(過去5年で2mg/Lを下回った時期:令和6年8月20日、令和5年9月19日、令和4年11月1日、令和3年8月30日、令和2年8月17日)
  • 春季から夏季にかけては、表層水温が高く水温躍層(やくそう)(【参考】の(3)参照)が強固になる時期であることに加えて、今年度は台風等による強風の影響が少なく、底層付近の水の混合が弱かったことから、局所的に底層DOが低下したものと考えられる。
  • また、今年度も、5月から6月にかけて表層付近で大型植物プランクトン等が増加し、それらの多くが沈降して湖底で分解される際に底層DOの消費が進んだ可能性がある。

(2)今後の対応

以下により底層DOの推移や貧酸素水域の広がりなどを把握する。

  • 琵琶湖環境科学研究センターでは、底層DOが4mg/Lを下回った9月1日以降、調査頻度を月2回から月4回に増やしているところ。また、水深90m地点より浅い場所への貧酸素水域の広がりが予想された場合は、水深80m地点やさらに浅い地点へ調査範囲を広げて、貧酸素水域の範囲を把握する。
  • 今後も、各関係機関と連携しながら、貧酸素水域の広がりや底生生物の生息状況等、湖底環境の状況の監視に努めていく。
  • 今後の底層DO等の調査結果は、県HP「琵琶湖の水質(速報)について」において、逐次掲載する予定。

 

(https://www.pref.shiga.lg.jp/ippan/kankyoshizen/biwako/300014.html)

お問い合わせ
琵琶湖環境部 琵琶湖保全再生課 水質・生態系係
電話番号:077-528-3463
FAX番号:077-528-4847
メールアドレス:[email protected]
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