安土城は、織田信長が天下人の拠点として琵琶湖岸に築いた大城郭です。しかし、築城から10年で廃城となり、現在では建物は失われ、石垣と石段が残るだけで、その姿は謎に包まれています。
安土城の歴史は、織田信長の歴史と密接に関わっています。近年、織田信長についての再評価が進み、従来のような、時代を切り開いて新しい時代を創り出す革命児のイメージではなく、戦国末期という時代の中で様々な課題に取り組む姿が明らかにされています。また、安土城についても、単に近世城郭の出発点として城郭史における革新性が強調されるのではなく、信長の目指した国づくり、直面する政治的な課題に対応するものとして、新しい評価が提示されています。
今回のセミナーでは、織田信長や安土城研究の最前線で活躍する7名の方にお集まりいただき、織田信長と安土城に関する様々なテーマでパネルディスカッションを行います。7名の研究者による活発な議論を通して、織田信長と安土城をめぐる最新の研究状況をご紹介いたします。