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令和7年5月19日県政経営会議の概要

  1. 開催日時:令和7年5月19日(月曜日)14時31分~15時25分
  2. 開催場所:参集開催(危機管理センター 災害対策本部室)
  3. 出席者:知事・東副知事・岸本副知事・知事公室長・総合企画部長・総務部長・文化スポーツ部長・琵琶湖環境部長・健康医療福祉部長・子ども若者部長・商工観光労働部長・農政水産部長・土木交通部長(代)・会計管理者・防災危機管理監・東京本部長・企業庁長・病院事業庁長・議会事務局長・監査委員事務局長・警察本部長・教育長
  4. 議事概要:下記のとおり

協議事項

1.滋賀県新型インフルエンザ等対策行動計画の改定(最終案)について

<北川防災危機管理監>

 ・資料に基づき説明

<質疑・意見等>

(東郷総務部長)

 警戒本部は全庁を挙げてのもの。実際の起ち上げ等についてどういった形で行うのかなどまた相談させていただきたいのでよろしくお願いしたい。

(知事)

 訓練はするのか。

(北川防災危機管理監)

 体制が決定したら、訓練を実施していく。

(知事)

 コロナの際に中核にいてくれた職員がどれぐらいいるのかだと思う。その記憶も5年前とそんなに薄れていないため、実情に沿って対応してもらえると思うが、当時はFAXで送ってFAXで受け取って、入力してプリントアウトして、FAXで送ってまた入力してというような、ものすごい前近代的なやり取りを行っており、どこでどれぐらい発生しているのか、治っているのか治っていないのかが全く分からなかった時があった。もしくは分かったとしてもすごく時間がかかった。そのため、次に起こった時にはそうならないよう、12項目の取組の肝になる、どこでどれぐらい発生しているのかということを、デジタルで把握できるようにすることが大事である。特に、書いてある対策・計画が絵に描いた餅に終わらないように、重点的に確認してもらいたい。健康医療福祉部長、何かコメントがあればお願いする。

(山田健康医療福祉部長)

 特に令和3年、4年のときに保健所の対応や病院間のやり取りにおいて、FAXが来ている来ていない、書類が溜まっていく、メンバーも変わると何をしていいか分からないといった教訓を持っているため、少しずつだがデジタル化に向かって進んでいる。医療関係とも連携しながら取り組んでいきたい。

(知事)

 消防・救急との連携や国とのやり取り等も紙やFAXではない方法が必要になってくる。これらの関係機関との連携も電子化を検討して計画を作ること、計画を動かすことをセットでお願いしたい。

 

共有事項

1.琵琶湖の環境と水産資源について(勉強会)

酒井水産試験場長

 ・資料に基づき説明

<質疑・意見等>

(土木交通部長(代))

 3点お聞きしたい。(1)今回の説明のポイントは、魚側から見れば餌が減少していることが琵琶湖の問題という理解でよいか。(2)魚の周囲に餌がないということが問題なのであれば、温暖化により成長速度が速くなれば、餌の密度がもっと増えないといけないのではないか。(3)全窒素と全リンの減少グラフを見ると、減少割合は全リンの方のカーブがきつく、窒素とリンの割合が変わったことが長期間続いたことで、植物プランクトン等の生態が変わって餌環境に影響を及ぼしているとは考えられないか。

(酒井水産試験場長)

 (1)アユやホンモロコなど複数の種類に肥満度の低下や成長の遅れ等が共通してみられることから、今の琵琶湖は水産資源が育つ環境としては、餌が不足している状況であると考える。(2)おっしゃるととおり、水温が上昇すると魚や貝の代謝が活発化するため、それだけ餌も必要になる。(3)窒素とリンの比が植物プランクトンの組成の変化に繋がっているかは分かっていないが、調査していきたい。

(中村琵琶湖環境部長)

 ミジンコ類の密度が沖合表層で少なくなっているということだが、琵琶湖全体の動物プランクトンの量は過去と同じくらいだと思う。そうすると、例えばアユの成長に必要なプランクトンがそこにいないというミスマッチが行っているのではないかと思うが、何か見解はあるか。

(酒井水産試験場長)

 今シーズン観測したアユの成長の変化とノープリウスの密度の変化を見ると、ノープリウスが少ない時期はアユの成長が非常に悪かった。そのため、ノープリウスの少なさがアユの成長の遅れにつながったのではないかと思う。動物プランクトンの全体としては長期的に見ればそれほど減っていないという認識はもちろんあるが、その中で、生まれたばかりの稚魚に必要な食べられるサイズのノープリウス幼生はやはり少なくなっていて、それが影響を与えている可能性があると見ている。なぜノープリウス幼生が少なくなっているのかという調査については、琵琶湖環境科学研究センターの皆さんとも一緒に調査をさせていただきたい。

(中村琵琶湖環境部長)

 時期的なミスマッチや水温の上昇、降水量の少なさ等、いろんな影響が多分あるかと思う。そういった中で何がアユにとってあるいは琵琶湖の漁業にとって、命を育む環境になっていないのかについて、農水部としっかり連携して解決に向けて取り組んでいきたい。

(松田総合企画部長)

 植物プランクトンの発生と水温に因果関係は何かあるのか。

(酒井水産試験場長)

 現時点で知見はないが関心を持っているところ。琵琶湖環境科学研究センターの皆さんとも議論しながらできることを探していきたい。

(岸本副知事)

 たまに回復している時期は何か対策を講じたのか、それとも理由が分からないのか。

(酒井水産試験場長)

 アユは秋に産卵をする寿命が1年の魚。産卵期の条件が悪ければ産卵数が少なくなり、資源がスタート時点から少なくなる。2012年、2017年は親魚の条件が悪く卵が少なくなった。2022年~2024年は場所の環境が悪かった。一方で、2010年や2016年は適度な水量があり、水温もそれほど高くならず、良い条件がそろっており、かつその後アユが琵琶湖へ下った後にも食べる餌があったということ。アユは条件が整えば速やかに回復できるが、2年間不漁が続いているため、次のシーズンに向けて何としてでも回復させたい。そのため、人工河川の運用の見直しや、天然河川の条件を整えるなどの取組をしていきたい。

 また、今年の4月から5月にかけて回復してきたのは、水温が高くなってきて5月になると成長が上向きになったからである。最近では6月以降のアユのサイズが大きくなってきている。その理由としては、冬の間にアユの資源が少なくなり、春以降に競争相手が少なくなることで、餌が多く食べられるようになり、体が大きくなるということが起こるようになってきた。

(岸本副知事)

 数が多い方が良いのか、少ないが太っている方が良いのか。

(酒井水産試験場長)

 大きくなっていることは良いことだととらえていない。サイズが小さくとも多くのアユが暮らせる琵琶湖のほうが健全であるし、産業の面からしても良い。例えば佃煮にするには適切なサイズがあり、大きすぎると商品として扱いにくくなる。また、養殖業者が県外へ生きたまま出荷するアユは川に放流するため尾数が多い方が好まれる。

(岸本副知事)

 植物プランクトンの大型化を止める方法はないのか。

(酒井水産試験場長)

 まだ見いだせていない。窒素とリンのバランスの変化や水温の情報が関係するかもしれないが、琵琶湖科学研究センターで研究しているため、成果をまた聞きたいと思っている。

(知事)

 この議題を取り上げたのはなぜか。

(中田農政水産部長)

 前回の勉強会で琵琶湖環境科学研究センターが琵琶湖の説明をされた際にアユの話などが出たため、我々農水部も今の琵琶湖の魚の状況についてお知らせした方が良いということでテーマにさせていただいた。

(知事)

 何が原因かを一旦は共有することができた。対策について、人工河川の運用による時期を変えて、アユの流し方について工夫していくということは今度の6月補正から説明をしていくと思うが、そういう対策をとるのは今回が初めてか。

(中田農政水産部長)

 初めてである。

(知事)

 長い琵琶湖漁業、人工河川運用の歴史において時期を変えてやることが初めてであれば、きちんと御説明をした上で、何が原因だからこういう対策をとるということを、よく県民の皆さんともコミュニケーションする必要がある。

 また、対応策と適応策を少し分けて考えてほしい。川に温かいものを流すことや、暑くなっても川が温まらないように日除けをすること、雨を降らすということが現実的でないとすれば、どういう対策をとれば良いのかということを、琵琶湖をお預かりする滋賀県だからこそ考えてみないか。以前のように粉せっけんを使えば良いという単純な対策だけにはとどまらないと思う。複合的な理由になっている。だからこそ、知恵が問われる、試される。今回、第1回目の課題提起・共有をしていただき、次回はアユが卵を産む頃ぐらいに状況の変化、原因の分析と研究の方向性等をみんなで議論できたら良いと思う。それと同時に、例えば皆さんにこんなことに協力してくださいということを、水産課、農政水産部として発露・発言できると良いなと次回にまた期待したい。今回短期間で精緻な発表をしていただいて、農政水産部に改めてお礼を申し上げる。

 

その他

(岡田商工観光労働部長)

 2027年、令和9年の10月から12月に滋賀県でのDCの開催が決定した。本県の開催は、平成12年の冬以来27年ぶりということで、関西万博、国スポ、大河ドラマ等に続いてこのまたとない機会に全国の皆様に本県の魅力を広く深くお伝えできるように取り組んでまいりたい。この夏を目途にJRや市町、関係事業者等で構成する実行委員会を立ち上げる予定である。これを機に、本県の歴史・文化・自然だけではなく、食、産業、スポーツ、ライフスタイルなど様々な魅力を磨いて発信をしていきたい。またそれとあわせて、例えば2次交通の問題等もしっかり考えていく必要があると思う。観光は総合力が問われる分野だと思っているため、各部局の皆様にご協力いただき、県の全域を盛り上げてまいりたい。

(知事)

 2点申し上げる。今、商工観光労働部長から報告があったとおり、2027年秋10月から12月にJRのデスティネーションキャンペーンが決定した。2026年度にプレ、そして2027年の翌年2028年にはアフターということで、3年かけてこのキャンペーンを行っていく。それぞれ皆さんの御協力をよろしくお願いしたい。当然、観光・交通・誘客・集客がメインになるが、以前に行った2000年代とは時代が異なるため、知恵と連携のあるデスティネーションキャンペーンにしたい。そのために4点申し上げる。1点目はJR以外との連携、2点目は県内だけでなく広域での連携、3点目は交通・観光以外のテーマ、食・健康・産業・まちづくり・福祉・文化など様々なテーマで行うこと、最後4点目はデータ。このキャンペーンをやることで、どこにどれぐらいの人たちが行ったのか、行かなかったのかというデータをとって、費用対効果の検証や次回の取組に生かしていきたいと思う。そういったことについて、市町の協議会や議会で説明できるように準備したい。

 もう1点は、既に記者会見で申し上げたが、昨日ダイハツ工業株式会社と竜王町が連携して実施しているバイオガスの実証プラントを視察させていただいた。これは2021年11月にダイハツ工業株式会社からの発意と竜王町の熱意等もあって、私も賛同の意を示し、具体的なプロジェクトとして今実証プラントを動かしていただいている。2028年の事業化に向けて、その課題克服に県として、知事として関与・参画を強化することを決めて発表した。竜王町、ダイハツ工業株式会社ならびに畜産業者等と連携して、どのようなことをするのか、またどういう体制でやるのか、誰を責任者にしてやるのかということについて、早急に方向性を見出していきたいと思う。世界に対しても、この実証プラントの可能性を発信できるのではないかと思うため、その点もあわせてみんなで頑張っていきたい。

 

お問い合わせ
滋賀県総合企画部企画調整課
電話番号:077-528-3311
FAX番号:077-528-4830
メールアドレス:[email protected]
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