<中田農政水産部長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(前川東京本部長)
資料3の31ページから32ページにかけて、温暖化への対応策の視点が強く出ており、CO2ネットゼロ社会に向けた農業部門としての取組の部分が弱いと感じるが、その点はいかがか。総合企画部ではCO2ネットゼロ計画の改定も予定されているため、それとの整合も図っていく必要があるかと思う。
(中田農政水産部長)
CO2ネットゼロに関する農業分野の取組みは31ページの(1)の部分で記載している。また、国の方で温暖化に関する計画改定があるため、それに伴い農政水産部で策定しているCO2に関する計画も改定する予定であるが、当県としてのCO2ネットゼロ計画も意識しながら取り組んでいきたい。
(奥山子ども若者部長)
県民の意見の反映について、普段、農水産業と関りのない大学生や低年齢層の子どもの意見は聞いたのか。もし聞かれていない場合は、今後意見を聞く機会は予定されているか。
(中田農政水産部長)
農業大学校や農業関係の高校へはアンケートは実施し、それ以外では大学等への出前講座の際に計画への考え方について意見をいただく等、取り組んでいる。その他の子どもに対しては特に意見は聞いていないが、今後様々な子どもたちと接する機会があるため、農業に対する思いや感じていること等を聞き取って参りたい。
(奥山子ども若者部長)
できるだけ子どもや若者からの意見を聞いていただく機会を設けていただければ思う。聞き取り方については当部で実績があるので、ぜひご相談いただければと思う。
(知事)
今からでも子どもたちに聞けばいいのではないか。
(中田農政水産部長)
パブコメの際には子どもたちへの聞き取り方を子ども若者部に相談しながら考えたい。
(白井会計管理者)
耕作放棄地や荒廃農地については具体的施策に上がっていないと思われるが、それについてはどう考えているのか。
(中田農政水産部長)
農地については別途法に基づいて目標設定等あるが、荒廃農地対応についてはエネルギー作物の植生等を調査しているところ。また、資料3の32ページの971行目に、「CO2ネットゼロに資する最新技術や優良事例等の調査研究と実装に向けた支援」とあるが、作物について実証実験を竜王町と連携して実施しているところ。これについても、今後部で策定するCO2ネットゼロの計画の中へ反映させていきたいと考えている。
(小林監査委員事務局長)
資料3の17ページに、主食用米の生産量の確保について述べられているが、酒米等の加工米については、品質管理や生育に手間やコストがかかるため食用米よりも価格を高く設定して必要な量を確保していたが、昨今食用米の需要が高まっていることから、酒米から食用米に転換する農家が非常に増えて、酒米の面積が減っている。これにより、今後酒米の入手が困難になり酒米の高騰が危惧されており、酒造り等において必要な量が確保できるのかと大変な危機感を持っておられると聞いている。これに対する対策について、何か考えているか。
(中田農政水産部長)
酒米については、資料3の563行目に記載があるが、新品種について栽培の実証等に取り組んでおり、酒造組合とも連携している。酒米は気温が暑くなると非常に育て方難しいが、暑さに強い新品種としてデビューさせたいと考えている。うまくいけば令和9年度以降に対応が可能になってくる。
(小林監査委員事務局長)
栽培技術の確立については承知しているが、そもそも今まで供給されていた量が減っていくことへの対策についての考えを聞きたい。
(中田農政水産部長)
主食用米自体も供給量が足りないということで価格が上がっている。安定して供給し、安心してお米を食べていただくことが大事だと思っている。またこれを機に米を作りすぎると価格が逆に暴落することにもなるため、需要に応じた生産を続けていくということが大事である。酒米も計画の中でしっかり作っていくという上で新品種を打ち出していきたいと考えている。
(岸本副知事)
資料3で現状値と目標値についてしっかり書き込んでいるが、目標値に近づくためにはどうしたら良いかマネジメントをお願いしたい。また、資料3の32ページ973行目の部分、アユの仔魚数の目標値が現状値から減っているのはなぜか。
(中田農政水産部長)
この目標の27億尾という値は、過去のアユの産卵や漁獲のデータから12月の漁獲量を確保するために必要な9月のアユの仔魚数を算出したもの。令和6年度は、9月にアユの仔魚47.7億尾が琵琶湖に入ってきたものの12月の漁獲量が約6tに留まっている状況。理由としては、9月の琵琶湖の表層の水温が29℃で平年よりも3~4℃高く、人口河川と琵琶湖との温度差が13℃から14℃とかなり差があったことから、アユの仔魚が消耗するリスクが高かったことや、餌となる動物プランクトンが大変少なかったことが挙げられる。
今後、さらに気候変動リスクが高くなることが予想されるため、12月の漁獲量を最低限2億尾確保するためには、天然河川の状況を見ながら人工河川の運用を行う必要があることや、アユが上がりやすい天然河川の河川耕転、人工河川についてもアユの仔魚が生き残りやすい運用方法の改善が必要であり、施策での対応が必要なことから、目標と設定しているところである。
(岸本副知事)
そうすると、指標が目標に合っていないのではないか。もう少し補足が必要かもしれない。
(中田農政水産部長)
記載について検討したい。
(知事)
耕作放棄地をどうするのかについては、竜王町との連携以外にも何らかの書込みや目標の設定は必要だと思う。また、アユの仔魚の目標については、僕らが何か触ってできる目標なのかいささか確証が持てないが、昨年7月の諮問では、社会経済を取り巻く環境は大きく変化しており、また農業水産業を巡る県内外の情勢も急激に変化しているから、この計画策定を検討されたいと言った。これ以降も、例えば米の問題とか、物価高騰の問題とか、担い手不足とか、この辺りを踏まえての指標とやろうとする政策がこれで良いのか、最終点検をもう1回したいと思う。その上で素案としてまとめ、議会にも諮っていきたい。
特に幹事会議でもいろいろな議論があったと聞いているが、やはり産出額は参考指標ではないと思う。
また、かねてより言っているが、「食」、食べるということをどのように打ち出していくのか、農政水産部ができることのみでなく、県として行うべき「食」についての取組をどのように記載できるのかを考えてほしい。さらに、農村というのは漁村も含めてだが、福祉的な要素、環境・エネルギーの要素、教育の要素、文化・観光の要素が多々あると思うため、農泊等いくつか記載はあるが、もう少し今日的にどのように政策を作るのかといったことや、農業法人数についても、特に集落営農のところは数だけでなく、今般いろいろと懸念が示されているように、その経営実態のようなものにもう少し踏み込んで目標設定した方が、より政策に繋がるのかなと思う。
このあたり、さらに充実させて最終的な完成形に持っていくべきではないか。
<中嶋企画調整課長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(知事)
これまでの経過を踏まえた今日の確認だったと思う。概ねこれで良いが、もう1回、残り10日間ぐらいあるため、どういう言い方をすれば良いのかをみんなでよく考えたい。
我々はつい要求や提案ばかりするが、直近に国がやってくれたことや、ついた予算、作られた法律があれば、それについてのお礼やコメントは当然言うべきだと思う。国にいる人、省庁にいる人が一番聞きたいことは、現場の困りごと、具体的な挑戦、および数字である。
そういうものを示した上で、やはりやろうかなと思うには心が動かないとできないため、心を動かす資料になっているか。多額の予算を取ろうとする土木交通部等は、よく冊子とは別に資料を作ると思うが、そういった聞く人の心を動かす資料をぜひきちんと準備して、もちろん部局長の口述もそうだが、知事、副知事の様々な要望・提案に繋がるように、みんなで努力していきたいと思うため、ぜひこの点最終確認をすることにしたい。
(松田総合企画部長)
作戦を練り、耳を傾けてもらえるように頑張りたいと思う。
(知事)
中学生が通りがかりの人を殺傷するという事件に衝撃を受けている。理由が報道にあるとおり少年院に入りたかったからだとすると、地下鉄で大学生を襲った行き当たりばったりの犯行とともに、社会においてどういう包摂性を作っていけばいいのかを自問自答しているところ。起こった犯罪、その事象だけで恐れおののく、もしくは批判するだけではなく、どういう対策をとっていけばいいのかをみんなで考えていきたい。
今日の会見で、交通事故について警察等から4月末時点のデータを公表、共有いただいているが、今年に入って件数と死者数が大きく増えている。先般も大津市で御高齢の方がバスにはねられてお亡くなりになるということがあったため、注意喚起をしたところ。公用車の運転、それぞれプライベートでの移動も多くなる季節になると思うため、気をつけていきたいと思う。各部局でも呼びかけていただきたい。
また常々知事談話等でも申し上げているが、新年度4月からほぼ1ヶ月が経って、いろいろな部局での職員の健康状態や仕事の進捗等に対して、これまで以上に注意深い、細かい心配りをよろしくお願いしたい。年度替わりの人事異動等により熟練者がほとんどいなくなって滞っている部局の仕事が一部あると聞いており、これから出てくることもあるかもしれない。自動車税もこれから大変な時期を迎えると聞いており、出納整理も含めてこの時期に負荷がかかっている人たちに対する目配りをともにしていきたいと思う。