文字サイズ

令和6年12月17日県政経営会議の概要

  1. 開催日時:令和6年12月17日(火曜日)8時46分~9時22分
  2. 開催場所:WEB開催(各執務室)
  3. 出席者:知事・江島副知事・岸本副知事・知事公室長・総合企画部長・総務部長・文化スポーツ部長・琵琶湖環境部長・健康医療福祉部長・子ども若者部長・商工観光労働部長・農政水産部長・土木交通部長・会計管理者・防災危機管理監・東京本部長・企業庁長・病院事業庁長・議会事務局長・監査委員事務局長・警察本部長・教育長
  4. 議事概要:下記のとおり

協議事項

1.滋賀県立陶芸の森のあり方について

<林商工観光労働部長>

 ・資料に基づき説明

質疑・意見等

(福永教育長)

 (1)滋賀県立陶芸の森のイベントで私が一番印象に残っているのは、リサ・ラーソン展である。特に1回目のときはすごく多くの人で賑わっていた記憶がある。年間観覧者数25,000人とあるが、おそらくそれ以上の人が来たのではないかと思う。このような多くの人が行ってみたいと思うようなイベントをやることで、陶芸の森の魅力を知ってもらうあるいは信楽を元気にするきっかけになるのではないかと思う。ただその点については資料にあまり入っていないが、世界的な有名な芸術家を呼ぶということを、どのように位置付けるのか、何かお考えがあれば伺いたい。

 (2)日本遺産に六古窯というのがある。信楽はその一つであるが、この六古窯のつながりというのをもう少し生かして打ち出してはどうかと考えるがいかがか。

 (3)陶芸の森は、文化施設なのか産業振興施設なのか。どちらも絡んでいると思うが、以前ミシガン州のグランドラピッドにあるマイヤーガーデンで日本庭園ができた関係のイベントのときに、琵琶湖文化館と、当時の近代美術館と陶芸の森の学芸員が行っていただき、滋賀の文化を発信していただいたことがある。現状は商工観光労働部のイノベーション推進課が所管しているが、文化スポーツ部の文化として所管する方が、より陶芸の森の本来の趣旨に合うのか、ちょっとその辺も含めて、せっかくあり方を考えられるのであれば検討してみてはどうか。(意見)

(林商工観光労働部長)

 今回は大きな方向性をということで、三十数年経って議論をさせていただいた。そもそもこの施設は信楽焼に特化した施設ではなく、焼き物を素材に創造や研修・展示など、多様な機能を持つ「公園」という位置付けで造られた施設で、かつ人・物・情報の交流の場を通して発信していく施設というのがまず前提としてある。

 (1)有名作家の企画展をどう位置づけるかということについて、例えば昨年度末から今年度の初めにもリサ・ラーソン展を開催したが、合わせて28,000人ぐらいの来場ということで、企画展の中でも非常に盛況であった。また昨年度は岡本太郎展も開催し、集客力が非常に高かった。そういった企画展をどうするかについては、どのように人を呼び込むかということも含めて考えているところ。今回は全体の大きな方向ということで、特別展の内容までは触れていない面もある。今回の内容にどのように盛り込めるかということも考えさせていただきたい。

 (2)六古窯についても触れていないが、それも企画展の一つの形なり関わり方であって、そこには触れていないがその点もちょっと考えさせていただきたい。

 (3)産業施設なのか文化施設なのかということについて、条例の条文には、第1条(設置)「県民の陶芸に対する理解と親しみを深め、広く陶芸に関する交流の場とすることにより県の陶器産業の振興と文化の向上を図るため、~」ということで、両方の意味合いを込めた施設ということである。やはり地元信楽にある産業との結びつきでも非常に大きいわけで、発信力としての機能も含めて大きいので、結論的には両方の施設ということである。そういった意味でも、関係部局と連携して進めさせていただきたい。

(波多野土木交通部長)

 これまでの議論の中で、身近にある公共交通からのアクセスについて、特に信楽高原鉄道に対しての意見や議論がなされていれば教えていただきたい。

 岡本太郎展は、私も家族で見に行ったが、すごく大盛況で駐車場もすぐに入れなかった。その日は広場でマーケットのようなイベントが開催されており、それが重なったことが要因かと思う。そういう場合は時期を外してはどうかと感じた。

(林商工観光労働部長)

 2ページの上のところに観光インフラということで交通アクセスという言葉も入れている。交通アクセスについては、ご存知の通り国道307号線の幹線道路1本であり、おそらくイベントが開催されている時だったのかもしれないが、陶器祭や作家市など、催しがあるときには大変混雑する。そういう点では、SKR(信楽高原鉄道)の利便性とか、あるいは駅から陶芸の森への利便性などがもう少し高められたらというのはある。パーク&ライドなどもさせていただいており、どういったことで解消できるのかということはもう少し考えていきたいとも思っている。甲賀市との協議についてもこれから進めていきたい。

(岡田総務部長)

 見せ方について、2ページ上部の強みのところに集客力で年間観覧者数約25,000人とあるが、あまり強みに見えない。リサ・ラーソン展とか岡本太郎展を入れたらもっと多いと思うので、この書きぶりについては工夫してはどうかと思う。下の来園者数35万人とあるので、それと比べても少ないかなという印象を持った。

(林商工観光労働部長)

 25,000人は陶芸館への観覧者ということで、年度によって振れ幅があり、一般的な年で25,000人ということである。人気作家の企画展があるときには、もっと多い年もあるので、ちょっと書きぶりについては考えたい。

(松田総合企画部長)

 (1)立地が広大なので、陶芸の森としての一体的な打ち出しというのがなかなか難しいのかなと思う。以前施設の見直しを担当したことがあったが、維持管理にすごくお金がかかる。点在していることでなかなか効率化というのは難しいという話があり、そのまま全体を維持するのが一番いいのかどうかとか、分けた方がもしかするといい面もあるのではないかとか、検討が必要ではないかと思う。窯業試験場が隣接地に移転してきたことをどのようにストーリーづけるのかみたいなことも含めて考える必要があるのではないか。

 (2)以前アーティスト・イン・レジデンスでいろいろな国から来られているという図を見たことがあり、こういった取組がもっと知られたらいいのにと思った。また奈良美智さんという有名な作家さんがいらっしゃるが、その方が行き詰まったときにここで陶芸をされて立ち直られたというお話もあったと思う。せっかくこういった取組を長く続けているので、そういったことをもっと打ち出せたらと思う。

 (3)地域の中での陶芸の森という意識が今まで弱いところもあったのかも知れない。そのあたりアウトリーチを含めて事業者を含めた地元と一体的にやるということを積極的に打ち出した方が受け入れられるというか、もっと広がりを持った施設になるのではないか。

(林商工観光労働部長)

 (1)施設については、全体40ヘクタールぐらいの敷地があるが、この中で建物が点在しているという特徴がある。三十数年が経ち費用がかかる面もあるので、今のところはあまり大きな施設の見直しを考えているわけではないが、できるだけ活かしつつ、そういった利便性なんかもどうできるかということも考えていきたい。今既に新しい窯業試験場との連携がだいぶできているが、そういったことも進めてまいりたい。

 (2)アーティスト・イン・レジデンスについては、特徴的な事業となっているので、もう少しどういう形で打ち出していけるか、その広がりを見せていけるか考えていきたい。

 (3)地域との関わりについては、まさに今回追加した「つながる」という視点が、施設の中に留まらずにもっと信楽その産業の中心地との繋がりを持とうということが大きなところとなるので、これについては具体的なところを詰めて進めていきたい。

(東郷文化スポーツ部長)

 文化の側面については、陶芸の森と県立美術館とはかねてから連携しており、展示物のやり取りなどもしているところ。また県立美術館が中心となって民間のミュージアムも含め連携・周遊の企画などもしているので、今後さらに連携を深めて取り組んでまいりたい。

(岸本副知事)

 今回新たに「つなぐ・育てる」という視点を追加し重点化していくという方向性はすごく良いと思った。

 (1)私もアーティスト・イン・レジデンスは気になっていて、1,100人を受け入れ、おそらく名だたる活躍をされている方もたくさんいらっしゃると思うが、そういう人とのご縁を戦略的に今までどのように活かしてきたのか。

 (2)同じくアーティスト・イン・レジデンスの取組を実施している他地域との連携はどのようになっているか。もう少しシステマティックに若手人材の育成に向けて他流試合を促すような試みができればいいのではないか。

 (3)窯業や陶芸というくくりだけでなく、全く違うジャンルとの掛け合わせということで、例えば「食」など別の視点を組み合わせてもう少し共感が得られないか。

(林商工観光労働部長)

 (1)アーティスト・イン・レジデンスで来られた際に作陶いただくことはもちろん、お帰りの際に代表的な作品を置いていただくので、そういったものを展示したり、その後も戻られた後に作品をいただいたりとか、あるいはこれが縁で、もう一度来ていただくというようなこと、そういったところで地元との交流をしていただいた事例もある。

 (2)このような取組をもう少し展開できないか考えさせていただきたい。他流試合というようなお話もあったが、その辺も現状も踏まえながらどういうことができるか考えさせていただきたい。

 (3)食との絡みでは、例えば、先般も湯飲み茶碗の企画展をされたが、それと地元の食との絡みということでお茶の産地でもあるので、そういうことを絡めて展示されたなど、どのような広がりが持てるかについてもまた考えさせていただきたい。

(江島副知事)

 (1)さきほど文化か産業かといった議論があったが、設立時のことを振り返ると、陶器産業は当時不況業種に指定されて、かなり厳しい状況であった中で、文化という側面もあるが、地元にとっては産業振興に期待する声がすごく大きかったと記憶している。今いろいろ新たな視点を入れてくださったが、おそらく陶器業界は、最近少し持ち直しているかもしれないが当時に比べると生産額も減っていると思う。陶器産業を振興する一つの拠点というイメージを私は持っていて、そういう意味で四つの視点があると思うが、もう一つ加えるならば、「賑わう」そういう視点があってもいい。

 六古窯の話もあったが、六古窯に指定されたときにすごく期待する声があったが、なかなかそれが繋がっていかないというところ。やはり産業振興という面も打ち出してもいいのではないか。

 (2)信楽には大塚オーミ陶業という大きな会社もあるが、そういった企業の力も借りながら、進めていくということも必要。今回の方針に「陶芸の森にとどまらず地域等と連携して」と書かれているように、中にとどまるのではなく、オープンに力を借りながらやっていくことも必要。

(林商工観光労働部長)

 ご意見のあったことについて、今の資料にも意味合いとして含まれている面もあるが、そういったことも踏まえて具体的なところをどう展開していくか考えさせてもらいたい。

(知事)

 今日は協議事項なのでこの方向性で決めるということか。これで決めたら、資料1ページの一番下にスケジュールがあるが、具体的にどうするのか今年度もう1回協議しよう。

 方向性はこれでいい。今日たくさんいろいろな意見もいただいた。「つなぐ・育てる」という新たな方向性を入れることはいいので、ハード面で何をするのか、いつ頃具体的にどうするのかというのを改めて協議したい。アクションプランになるのか。

 

共有事項

(中村琵琶湖環境部長)

 日本時間で12月13日に、8月27日を「世界湖沼の日」とすることが、国連総会において制定された。これまで制定に向けて皆様方のご協力も得ながら、国含めて、様々な呼びかけを行ってきた。制定されたことは喜ばしいことであるが、これからの取り組みが非常に重要になってくると考えている。次年度の国スポや万博といった様々なイベントも行われるので、県内・国内外に向けて、どのような発信していくのかが重要になってくると考えている。様々ご協力お願いすることがあるかと思うが、盛り上げて継続的な取り組みにしてまいりたいと思うのでどうぞよろしくお願いしたい。

(波多野土木交通部長)

 琵琶湖の水位について、今朝の時点でまたマイナス50センチとなった。今回はそれほど深刻な水位低下にはならないと思っているが、基準水位に達したので、今後調査対応等で関係機関のご協力をお願いしたい。

(知事)

 世界湖沼の日の制定は良かった。今後の取組を考えたいと思う。琵琶湖の水位についても今日の会見で述べる予定である。各部局の協力をよろしくお願いしたい。鮎の不漁が気になる。後ほど詳しく伺い、今月必要な量が確保できない可能性もあるようなので、内容を精査の上どのような対策が取れるのか考えたい。これまでと同じような追加放流とか人口放流ということだけではなくて、少し踏み込んだ調査対策なども必要ではないか。

 また立命館大学がアメリカンフットボールで大学日本一になったことを受けてどのように対応するのか、文化スポーツ部長の方で考えて報告いただきたい。

 さて今県議会が開会中であるが、いよいよ今週末で閉会となる。以前も申し上げたが、決算特別委員会や県議会で指摘されたことをどのように来年度、それぞれの体制もしくは施策に生かすのか、一緒に考えていきたい。

 特に気になったこと何点か申し上げる。

1.デジタル地域通貨「ビワコ」の活用

2.書店の振興および図書館との連携

3.棚田の振興

4.サーキュラーエコノミー

5.認知症対策

6.不祥事不適切事案への対応

 いくつか一般質問で御指摘いただいたことについて、私自身も踏み込んで答弁したり、作成された答弁からさらに追加して述べたことをしっかりとそれぞれに反映をしていただきたい。

 なお、それに関連して国の予算委員会でも議論されているが、既に関係部局には調査検討指示をしているが、公共調達における価格転嫁について、予算策定時からそれぞれの価格が上がっているときに、それをどのように調達するのか発注するのかについて、予算はこれだけだからということで不調に終わらせることなく、しっかりと価格転嫁をし、賃上げの原資をそれぞれの受注企業等が確保することができるような対策というのを率先して行っていきたい。

 そうしたことを国のメッセージに呼応して県としてもしっかりと発信したい。予算の措置や様々な決まりごととあわせて、対応を考えていきたいので、対応をお願いする。

 最後になるが、予算編成、組織体制人事の検討がいよいよ大詰めに入ろうとしている。全体のことについて私自身も伺っているが、個別に伺った方がいいようなことは、時間をとるので、また皆様方からご相談等を投げかけていただければと思う。

 

お問い合わせ
滋賀県総合企画部企画調整課
電話番号:077-528-3311
FAX番号:077-528-4830
メールアドレス:[email protected]
Adobe Readerのダウンロードページへ(別ウィンドウ)

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。