<山下防災危機管理監>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(知事)
大事な計画の改定だと思う。県がまとめたコロナの振り返り検証なども参考にして作られていると思うが、2点ほど確認したい。
(1)ワクチン接種では人手が足りなくて、サポートナースという潜在看護師に動員をかけて800人近くが応じてくださったということがあった。例えばそういった平時からの備えをどのようにしていくのか。
(2)資料2の2ページ目の対策項目4「情報提供・共有、リスクコミュニケーション」について、コロナ対応を行った当時は相当苦労した。わからないことをわからない人がわからない段階で話をすることの難しさ、かつ偏見差別が起こらないように気を付けなければならないという極めて重要な使命を担っていた。十分できていなかったという反省もあるが、例えばそういうことに対する何らかの備え、またこういったことをどのように訓練し、能力を高めるのかということは何か記載もしくは改定していくのか。
(山田健康医療福祉部長)
(1)ワクチン接種等における人手不足への対応については、この行動計画だけではなくて、そもそもひとづくりだとか、人をどのように確保するかというのがあるので、潜在看護師の方々を日常も含めいざというときにどのように活用できるか、4月からいろいろと検討を始めているところ。
(山下防災危機管理監)
(2)訓練については、実際に政府の行動計画も具体的なものが今月末に閣議決定されるので、その内容を確認しながら、滋賀県にふさわしい訓練を考えてまいりたい。
またコロナの振り返りについては、基本的に我々が経験して気づいたことをまとめているので、内容をもとに行動計画に載せるのにふさわしいものについては盛り込んでいきたいと考えている。
<前川総合企画部次長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(波多野土木交通部長)
前回は集中的な取り組みの中で県北部地域振興の記載があったが、今回の資料では北部振興の言葉が消えている。このあたりの取り扱いは今後どうなるか。とりわけ当部としても、北部振興には力を入れており、いろいろなプロジェクトをこれから立ち上げていきたいと考えている。ぜひともそういった旗印をどこかに残していただけるとありがたい。
(松田総合企画部長)
もちろん北部振興には力を入れていくが、どれをどのように打ち出していくかというのがあり、その辺り議論をしながら検討したい。
(中田農政水産部長)
北部振興については気になっているところである。当部も農業の分野での北部振興の様々な取り組みについて、この6月に地元市やJAと合意形成し、第1回プロジェクト会議を立ち上げてこれからということで始めようとしているところであり、方針の中で北部振興をぜひ見えるようにしていただければと思う。
また、柱の一つに掲げられているレガシーの創出について、他の項目と比べると少し粒の大きさが違うのではないかと感じられる。レガシー創出は非常に大事なことだと思うので、例えば見せ方として各柱の中でレガシーを特出しして見せていくとか、また、現状認識の中にも入れるというような方法もあるのではないかと思うので、検討いただきたい。
(松田総合企画部長)
どこにどう位置づけるかが悩ましいところであるが、検討してまいりたい。
(藤原企業庁長)
資料2の新旧対照表の5ページの「自然環境や生物多様性の保全・再生」の新しい案の方の3行目に、「環境の質を上げることによる経済社会の成長・発展」とある。来る首長会議において、甲賀市から「環境の保全と産業振興とのバランスについて」というテーマが提案され、これが議論されると聞いている。甲賀市としては、環境影響評価の要件が厳しく、企業立地に結びついていないというご主張だったと記憶している。一般的には、環境と産業振興はシーソーの両端に座っているような関係に受け止められていると思うが、今回の「環境の質を上げることによる経済社会の成長・発展」について、想定されている施策があれば教えていただきたい。
(松田総合企画部長)
甲賀市の話については、本県では環境影響評価で面積の規模が合計20ヘクタール以上というところで、他の県では40ヘクタールや30ヘクタール以上であり、20ヘクタールで縛られることにより企業誘致の機会を逃してしまうのではないかというような問題意識を持っておられるのかと思う。ご指摘の点については、具体的にこれというのが今あるわけではないが、こういうことに念頭に置きながら進めていければということで書いているところである。
(中村琵琶湖環境部長)
これに関連して、例えば脱炭素の取り組みは、環境に配慮した取り組みにより経済社会の成長発展につながる事例だと思う。CO2を手段として地域課題を解決していく、環境の質これを向上させることによって地域の課題を解決していく、ひいては経済活性化を図っていくというふうなことの例として一つ挙げられるのではないかと思う。
それ以外にも、滋賀県ではこれまでからMLGsなど環境配慮に取り組んでいることにより、企業の価値が向上しているということもある。環境の質が上がりさらに経済が、例えば企業が投資を呼び込むとか、そういったことにも繋がってくると考えられるので、そういうことが例として挙げられると思う。
また具体的な例については、これから琵琶湖環境部の中でも取り組みをしていきたい。
(山田健康医療福祉部長)
健康医療福祉部からは一つお願いであるが、「ひとづくり」の柱が今回なくなるということであるが、ぜひとも「ひとづくり」の柱の復活を検討いただけないかと思っている。先ほどインフルエンザの計画の話とも重なるが、健康医療福祉部は今年度来年度と、医療福祉人材の確保・養成を最重要課題として取り組んでいるところ。
養成に関してハード面では医療福祉拠点というのもあるし、また高専もそうだと思う。
県民の皆さんに予算公表など情報発信をする際に、「ひとづくり」というキーワードがあった方がわかりやすいのではないかと思う。県がひとづくりにどれだけ力を入れているかがわかるので、そういう意味でも柱で掲げるのがよいのではないかと考える。
また、例えば3つ目の柱の持続可能な社会経済作りの中では、農業や水産業に関わる人の裾野の拡大だとか、産業を担うひとづくりの促進というような記述があるが、2つ目の安全安心の社会基盤と健康づくりではひとづくりに関する記述がないので、やはりこういうところについても、県はひとづくりに力を入れているというのがシンプルでわかりやすいようにあった方が良いのではないかという意味合いで提案をさせていただく。
(松田総合企画部長)
なかなか悩ましいところであるが、いろいろな話をするなかで最後はやっぱり人だよねという場面も多い。大事なものをどういう形で表現するのがいいのか、また考えていきたい。
(福永教育長)
私も「ひとづくり」が削除されていること、なおかつそのひとづくりの柱にあった「次代の社会を支える高等専門人材の育成」という言葉がなくなっていることについて、県が打ち出すメッセージとして本当にこれを削ってしまっていいのかなと感じる。
また現状認識の部分についても、「生きづらさや孤独感を感じ、社会との関わり方で苦しむ子ども・若者の不登校、自殺の増加が深刻な状況にある」という表現がなくなっている。今の子ども若者の状況は、今あるいは去年と比べて良くなっていて、こういう現状認識に立たなくてもいいのかなというような、何か違うメッセージが伝わるのではないかなと感じるので、その点はもう少し考えていただければと思う。
北部振興については、当部においても2年目になる北部地域の高校生がいろんなことを考えるプロジェクトを実施しており、若者が北部を今後考える機会を非常に大切にしたいので、北部地域の振興という記載は何らかの形で残していただければと思う。
(中村琵琶湖環境部長)
現状認識の最後に「琵琶湖の水源である森などの自然が積み重ねる年月にも思いを致し」と記載されていて、具体的にその文章を受けるというところでいうと、自然の柱になるかと思うが、森作りの表現がなくなっている。環境収容力などを考えたときに、森の果たしていく役割というのは非常に大きく、造林公社の問題を含めてこれから検討していくときにあるので、森林のあり方というのは非常に重要になってくると思う。森林作りについては例示でもいいので、入れ込んでいただければと思う。
(松田総合企画部長)
どれも大事で、どれを入れるか、新しく入れると削るものが出てきて本当に悩ましいところ。来年度は大きなイベントもあるので特別な年かなというのもあり、そことの兼ね合いをどうしていくのか、表現の仕方あるいは構成を考えるのはなかなか難しいところであるが、この後の照会も含めてたくさんご意見をいただければと思う。
(大杉副知事)
「ひとづくり」の位置づけが悩ましいというのはよくわかるが、埋没しないように、どこに置くにしてもしっかりと見出しを立てるとか柱立てをしていただくとともに、単に今あるニーズに応えるだけではなくて、これからの未来とか成長を生み出していくものとしてのひとづくりの施策の位置づけをお願いしたい。また、先ほど教育長から指摘があった点や、健康医療福祉部長からあったように視点でなくしっかりと柱に盛り込むということも意識してお願いできればと思う。
また、現状認識のところでは、これから出てくるであろう子ども基本条例を意識した記載というのも今後お願いできればと思う。
(江島副知事)
企画の方でもいろいろと悩みながら作っていただいたものかなと思う。各部長から様々なご意見があったので、「ひとづくり」を柱に入れるか入れないか。前回の5本柱を継続するというのも一つあるのかなと思う。5本柱はある程度骨格的、中長期的な目標があって、プラスアルファーで国スポといった単年度的なものというスキームを作っておられたと思うが、それはそれで一つ意味があったかなと思う。この辺りについては皆さんの意見を聞いていただき、少し悩んでいただきたいと思う。
現状認識に「これまでの延長線上に未来はないのではないか」や、「中長期的な仕組みの見直し」という表現が入っている。併せてヒトと財源のシフト等を進めているので、やはり一体的なものだと思うので、見直しながら新しい施策を作っていくというこの視点はぜひ持っていただきたいと思う。延長線上にない施策を作るという視点を大事にしてほしい。
(知事)
大事な方針なので、この後の財政収支を踏まえたシフトの議論ともあわせて考えていくという視点を持ちながら進めてほしい。
やはり「ひとづくり」は柱に立てないといけないのではないかと思う。北部振興もないのはどうかと思う。安全安心、防災減災国土強靱化もどのように位置づけるのか、幹事会議でも議論があったようだが、この辺りは今の案よりもさらに踏み込んだ、もしくは打ち出した部分がいるのではないかと思う。
事前協議では、県庁目線の行政文学にしないようにしようと、リアルな感覚とか日々の実生活の思いとか悩みを表現できるようにしようということを申し上げた。例えば老いとか暮らしとか、産業だけ語るのではなくて職とか、少し日々の実生活、県民の視点に立ったものがいるのではないかと考えている。
農政水産部長から意見があった、国スポのレガシー創出というのは、来年度は並列併記するにはレベル感が違うのではないか、こういう視点も確かにそうかなと思う。書き方はあると思うので、ぜひ悩んで考えて作ろう。
<岡田総務部長>
・資料に基づき説明
<質疑・意見等>
(田村監査委員事務局長)
3ページの歳出のところについて、既存事業の見直しという表現があるが、前回の論議事項のときには資料に記載いただいていたが、やはり既存事業を見直す際には、決算や議会、監査等の意見というものが見直しの大きな視点になってくると思うので、できればここに「決算や議会、監査等の意見を踏まえた事業成果の検証による既存事業の見直し」といったことを明記いただければと思う。
(岡田総務部長)
記載について検討させていただく。
(山田健康医療福祉部長)
健康医療福祉部はこの4月から事業のあり方・事業の適正化についていろいろと意見交換をしており、これまでの議論の経過も見てきたが、今回の5億円の見直しの取り組みは、収支改善なのか新陳代謝なのかというのがわからない。仮に新陳代謝であれば、5億円という数字にこだわる必要もないのではと思うし、仮に全額新陳代謝ということになるのであれば、行革債の対象にそもそもならないのではないかと思うがいかがか。
また6ページの行革債の発行可能額について、金利が急激に上がっている現在において、この引き算で発行可能額が出てくるのかなというようなところも素朴な疑問があるが、この辺りについて伺いたい。
(濵川財政課長)
新陳代謝か収支改善かについて、部局の中で枠をシフトさせる部分については、収支改善ではなく新陳代謝ということになろうかと思う。ただその代わりに、特別枠等の見直しや別枠対応の抑制といった取り組みにより収支改善に取り組んでまいりたいと考えている。
5億円を取り組みの目標としたのは、行革債の発行可能額がいくらほど確保できるかというようなことも踏まえて5億円というようなお願いをさせていただいている。
金利については、確かに行革債発行にかかる経費として金利を考慮する必要があるが、現在のところ1%弱ぐらいで借り入れができている。ご指摘のとおり金利の状況については注視してまいりたい。
(波多野土木交通部長)
当部は大きな予算をいただいており、この点しっかり我々も汗をかいていきたいと思っている。一方で我々が使う経費は投資的経費ということで、やはり投資により県民の財産として蓄積され、それによって社会経済効果、あるいは災害時の被害軽減にも繋がるストック効果として現れてくるものである。この運用にあたっては、ぜひともそうした将来を見据えたストック効果もよく勘案いただければとお願いを申し上げる。
(岡田総務部長)
もちろんこの見直しする際に、公共事業や社会保障の関係など見直しの対象外にすべきものもあるので、その辺については配慮しながら進めてまいりたい。
(東郷文化スポーツ部長)
新陳代謝ということで、不断に見直しを行うという意味では非常に大事な取組だと思う。ただ、実際には枠が変わらない中、一方で資材単価の増や物価高騰などの影響により行政単価が上昇局面にある中で、実質的には削減というか、部局枠自体が窮屈になり、縮小の選択をする部分が出てくるということになると思う。
これまで10年20年間は物価上昇が少なかったので、こういう対応をあまりしてこなかったかもしれないが、これからの上昇局面において例えば補助単価が増えていった場合に、補助のあり方を見直すなどの対応はそれぞれの部局でも当然考える必要があると思うが、何か今の時点で全体的な考えがあれば教えていただきたい。
(岡田総務部長)
確かに物価高騰など非常に厳しい状況で、電気代等の高騰についてはこれまでからも別途見させていただいている。これからの状況についてもその時々で、対応については相談させていただきたい。
(大杉副知事)
議論を重ねるごとに資料が進化し、議論が深まっていることを感じる。ただ最後までちょっと腹落ちしない点が、部局枠の話と部局横断の話がまだダブルバインド的なメッセージになってしまっているように感じる。施策構築は部局横断的に取り組むということもあるので、その部分の考え方のバランスが大事だと思う。その観点から言うと、例えば4ページ目の大規模事業は部局を超えたシフトを図り、その他の政策課題については部局枠内での対応を徹底というメッセージが、本当にこれで良いのか。私は逆に、新たな行政需要についてはまず部局枠内での対応を徹底しつつ、施策構築方針等に照らして必要な点については引き続きチャレンジ枠を活用というメッセージでも良いと思うので、そのあたりの議論をもう少し深めなければいけないのではと思う。
5ページ目に、引き続きチャレンジ枠等の活用によるシフト継続とあるが、一方で特別枠の見直し、別枠対応の抑制等により収支改善に対応とあり、この部分の規模感がどの程度になるのかという部分、5億円と照らし合わせてどうかということも見せながら進めていかないと、2つのメッセージの間で身動きが取れなくなってしまうように感じた。
(江島副知事)
これまでと異なる仕組みを検討いただいているので、理解しづらくなっているのかなと感じた。行革債は資金手当債であり交付税措置はないので、結局は将来への負担の先送りと見えなくもない。だから、ここをどのように県民や議会に説明していくのか、財政健全化に向けて問題ないのかという点、ここが少し見えにくいのかなと感じた。やはり減らす額、これは特別枠の見直しなどにより見えてくるのかもしれないが、この図だけでは金額もはっきり見えてこないし、その辺をもう少し明らかにして説明していかないと、皆さんがバラバラの考え方を持って理解してしまいそうな気がする。ここをしっかりと理解統一する必要ある。
また4ページについて、令和5~8年のスキームが示されており、次期行革方針令和9年度からは20億円という大きなものが出てくる。やはりそれが先に見えているのであるから、どう考えていくのか合わせて考えるときにあるのではないか。次期行革に向けて議論できるような大きな見直し項目についても、どこかで議論する必要があると思う。
(知事)
この方針は今日の協議事項で決定しないといけないか。これだけ意見が出てきて、例えば監査等の指摘も踏まえて見直しをするという視点や、私も4ページのところは気になる。部局枠と枠外もしくは部局横断というのをどのようにするのか、ヒトの再配置なんかは部局内のシフトだけでいいのかとも思うし、今、江島副知事が触れられた令和6年度以降の視点、歳出削減と新陳代謝が微妙に使い分けられているが、この財政再建に向けた動きというのが、来年度にどのように出せているのかというところは、皆で腹落ちしておく必要があると思う。
(岡田総務部長)
今日様々な意見をいただいたので、もう1週間程度なら何とかとは思うが、ある程度決めて前に進んでいかないと時間もない状況。正直、財政が厳しいなか、部局の中と外のバランスというのは、明確な答えがあるわけではなく、走りながら考えていく部分もある。また中長期の部分についても、今各部局に投げて議論すると、来年度の予算の検討と混ざってしまい難しいところもあるかと思うので、まずは総務部で一旦議論を始めようという話はしているところ。
(知事)
そのあたりのことを踏まえて、来週決めよう。今日いくつかあったような視点を盛り込めるものは盛り込んで、みんなの思いの詰まった、みんなで努力するヒト・財源の配分シフトの方針としたいと思うので、ぜひもう少し検討して来週協議しよう。
(山下防災危機管理監)
雨の状況であるが、本日昼前くらいがピークかと思っている。これまでの雨の降り方を見ていると、県内で大体1時間当たり20ミリ程度であり、さほど降らないかと予想している。