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近江八景・琵琶湖八景

滋賀県を代表する風景として、近江八景と琵琶湖八景があります。特に近江八景は、全国を代表する風景鑑賞の原型にもなっています。

これらの美しい風景は、滋賀県のシンボルでもある日本最大の湖・びわ湖と密接な関係を有しています。

近江八景

近江八景の地図

鎌倉時代に栄西や道元などの禅僧が中国に渡って禅宗文化を日本に伝えると、室町時代には中国の画僧が日本を訪れ、彼らと共にやってきた水墨画が注目されるようになりました。

特に、中国湖南省の湘江と瀟水という川とそれが流れ込む洞庭湖に見られる八つの風景を描いた「瀟湘八景」が京、近江の文人墨客の目に止まりました。

江戸時代の初めに、公家で文化人であった近衛信尹が、膳所城からみた風景を「瀟湘八景」になぞらえ、「近江八景」として選定し、和歌を詠んだと言われています。

その後、江戸時代の浮世絵師、歌川広重により全国に広く知られました。

1~4
比良の暮雪(ひらのぼせつ) 堅田の落雁(かたたのらくがん) 唐崎の夜雨(からさきのやう) 三井の晩鐘(みいのばんしょう)
5~8
粟津の晴嵐(あわづのせいらん) 矢橋の帰帆(やばせのきはん) 瀬田の夕照(せたのせきしょう) 石山の秋月(いしやまのしゅうげつ)

琵琶湖八景

昭和25(1950)年、琵琶湖全域と伊吹山、比良山地などを含む山々が日本初の国定公園(琵琶湖国定公園)に指定されました。

「近江八景」が、南湖の一部に集中していることもあり、これを機に、県民への公募によって琵琶湖全体に広げた八景である「琵琶湖八景」が選定されました。

びわ湖八景の地図
1~4
<1>「暁霧」海津大崎の岩礁 <2>「涼風」雄松崎の白汀 <3>「煙雨」比叡の樹林 <4>「夕陽」瀬田石山の清流
荒々しく、雄大な風景が見られ湖面から立ちのぼる霧が岩礁をつつんで、幻想的です。 「琵琶湖周航の歌」に歌われています。 深い樹林の中に、延暦寺などが建ちならび、雨にかすむ静かな雰囲気が感じられます。 夕日に映える瀬田川の流れには日本三名橋の一つ唐橋がかかり、美しい風景です。
5~8
<5>「新雪」賤ケ岳の大観 <6>「深緑」 竹生島の沈影 <7>「月明」 彦根の古城 <8>「春色」 安土八幡の水郷
賤ケ岳は、羽柴秀吉と柴田勝家が戦った「賤ケ岳の合戦」でその名を歴史にとどめています。 深い緑に包まれ、青い水面に映る島影はびわ湖を代表する風景の一つです。 月明かりに浮かび上がる古城は、訪れる人々に歴史の重みを感じさせます。 西の湖を中心に水路が網の目のように広がり、ヨシ群落の中を水郷めぐりができます。
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