里親制度とは、「さまざまな事情で家庭から離れて暮らさなければならない子どもたちを、家庭的環境の中で養育する」という目的により、児童福祉法に基づいて定められた「子どもの福祉のための制度」です。
子どもを育てたい「大人」のための制度ではなく、温かな愛情と安心・安全な養育環境を必要とする「子ども」のためにある制度です。
家庭での養育に欠ける子どもたちの養育を社会的に任された、養育責任の遂行者が「里親」です。
里親には、「養育里親」と「養子縁組によって養親となることを希望するものその他これに類する者として都道府県知事が適当と認めた者」の2種類があります。
保護者がいない子どもやさまざまな事情で保護者が育てることが難しい子ども(要保護児童)を養子縁組によらずに自らの家庭へ迎え入れて養育します。
なお、この養育里親には、いくつかの受入れ形態があります。
保護者の家庭環境が改善したり、子どもと保護者の関係が修復して、保護者の家庭へ復帰できるまで、あるいは子ども自身が自立するまで、里親の家庭で養育します。
県内の児童養護施設等に入所している子どもを、自立支援および健全育成のために、週末や学校の休業期間等に里親の家庭へ迎え入れて生活体験をさせるとともに、自立後の子どもの心の拠り所となります。
育児疲れや保護者の入院といった理由で、保護者が一時的に子どもを家庭で養育できない状況となったときに、比較的短い期間、里親の家庭で子どもを養育します。
要保護児童のうち、児童虐待等の行為により心身に有害な影響を受けた子ども、非行等の問題行動を有する子ども、身体障害や知的障害または精神障害のある子どもなどであって、特に専門的な支援を必要とする子どもを豊かな経験に基づいてケアを行いながら、2年以内の期限付で養育します。
3年以上子どもの養育経験がある里親、または3年以上児童福祉事業に専門職として従事した経験があり、養育里親としての要件を満たす方が、専門里親養成研修を修了することで、専門里親として認定されます。
保護者が養育できない子どもであって、養子縁組を必要とする子どもを、養子縁組することを前提として養育するものです。
※養子縁組は、保護者のない子ども又は家庭での養育が望めない子どもに温かい家庭を与え、かつその子どもの養育に法的安定性を与えることにより、子どもの健全な育成を図るものであり、子どものための制度です。
保護者の死亡、行方不明、拘禁などの理由により保護が必要となった子どもの扶養義務者およびその配偶者が養育する場合、里親としての要件を満たしていれば(経済的要件は含まれない)、親族里親として認定し、子どもの養育を委託する制度です。
※里親制度を利用しなければ、子どもを養育する親族が経済的に困窮し、結果的に子どもが施設入所になってしまうと考えられる 場合に適用されます。
里親になるには、以下の要件があります。
【欠格事由】
ア 禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
イ 法、児童ポルノ禁止法(児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律)その他政令第35条で定める福祉関係法律の規定により罰金に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
ウ 児童虐待の防止等に関する法律に規定する児童虐待又は被措置児童等虐待を行った者、その他児童の福祉に関し著しく不適当な行為をした者
子どもの最善の利益を図るためには、里親としてこれだけは守らなければならない基準が「厚生労働省令第116号」によって定められています。
他に、衛生管理、記録の整備、都道府県知事への報告、関係機関との連携、養育する委託児童の年齢、養育する委託児童の人数の限度、委託児童を養育する期間の限度、再委託の制限、家庭環境の調整への協力などを掲げ、里親制度の拡充をはかることとされています。
これらはあくまでも最低基準です。里親は、これを超えて、養育の内容を向上させる努力が大切です。
里親希望の詳しい理由をお伺いし、ご家庭の状況等に合わせた内容を中心に里親制度の具体的な説明(オリエンテーション)を子ども家庭相談センターで実施しています。
詳しくは、お住まいの地域を管轄する子ども家庭相談センターまでお問い合わせください。
◇中央子ども家庭相談センター
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◇彦根子ども家庭相談センター
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