名称:兵主神社本殿【ひょうずじんじゃほんでん】
・員数:1棟
・構造形式:桁行一間、梁間一間、一重、切妻造、向拝一間、檜皮葺
【附 棟札3枚、板札3枚、長押金具4点、軒付板蛇腹板1組(23枚)、獅子口瓦 北面獅子口瓦(8点1組) 南面獅子口瓦(8点1組)】
・所有者:宗教法人 兵主神社
・所在地:野洲市五条
・時代:寛永20年(1643)
・建築の概要
兵主神社は、野洲川下流の野洲市五条に所在する。境内(けいだい)は東面し、広大で豊かな境内森の中に各社殿(しゃでん)が配置される。現在の兵主神社本殿は棟札(むなふだ)や旧長押(なげし)金具より寛永20年(1643)に建てられたことが分かる。
当本殿は、県内で数少ない切妻造(きりづまづくり)本殿であるとともに、一間社としては全国でも最大規模に属し、県内では他に類例を見ない建造物である。内部は身舎(もや)梁間(はりま)中央前寄りに幣軸(へいじく)構開戸を設け、内外陣(ないげじん)に二分する。長押や建具周りには錺(かざり)金具が取り付けられる。四面(しめん)の内法長押(うちのりなげし)上と向拝(こうはい)に彫刻蟇股(かえるまた)を納める。
また良材を用い、技術的にも意匠的にも優れた質の高い建築として貴重である。保存状態も良く、中世から近世への過渡期的な技法が確認できる点も重要である。
本殿の建立および修理は谷川(長谷川)姓の大工が手掛けており、野洲市、守山市、近江八幡市内で活動していた地元大工の代表作品として挙げられる。本県における江戸時代の堂宮大工の様相を知りうる点でも価値が高い。
兵主神社本殿説明資料 (PDF:2 MB)