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鍛冶屋敷遺跡出土遺物

  • 名称 鍛冶屋敷遺跡出土遺物【かじやしきいせきしゅつどいぶつ】
  • 員数 32点
鍛冶屋敷遺跡
墨書須恵器
炉壁
  1. 須恵器杯身(すえきつきみ)3点
  2. 須恵器壺1点
  3. 須恵器鉢2点
  4. 土師器皿(はじきさら)1点
  5. 土師器甕(はじきかめ)1点
  6. 漆塗り須恵器鉢1点
  7. 「二竈領」墨書須恵器杯蓋(「ふたつのかまどのうながし」ぼくしょすえきつきぶた)1点
  8. 炉壁(ろへき)11点
  9. 鋳型(外型)7点
  10. 鋳型(中子)1点
  11. 銅塊3点
    • 所有者 滋賀県
    • 所有者の住所 大津市京町四丁目1-1
    • 所在地 蒲生郡安土町下豊浦6678
    • 出土遺跡 鍛冶屋敷遺跡(遺跡の所在地甲賀市信楽町黄瀬(きのせ))
    • 時代 奈良時代中葉(8世紀中葉)
    • 説明

鍛冶屋敷遺跡はこれまでの発掘調査により、聖武天皇の甲賀寺造営と密接に関係する官営工房であり、他に類例のない規模のものであることが明らかとなった。今回指定された考古資料は、検出遺構とともに、鍛冶屋敷遺跡の価値を証明する出土品の中から、特にその歴史性を表す一群である。

  1. 鍛冶屋敷遺跡の時代性を特定する資料
    土器類(1〜7):遺跡が紫香楽宮期の遺跡であった根拠となった。
  2. 鍛冶屋敷遺跡と甲賀寺の関係を示す資料
    漆塗り須恵器鉢(6):僧や寺院の関与を示す。
  3. 鍛冶屋敷遺跡の操業形態を示す資料
    墨書須恵器杯蓋(7):複数の溶解炉による操業と、その操業組織を明らかにした。
  4. 銅素材の精錬、銅製品の鋳造に関する資料
    炉壁(8):炉の形態、構築方法、炉内状況を明らかにした。
    外型(9):梵鐘・台座等の大型製品が鋳造されていたことを明らかにした。
    中子(10):梵鐘等の大型製品が製作されていたことを明らかにした。
    銅塊(11):銅精錬、銅製品鋳造が行われていたことを明らかにした。

これらの考古資料と遺構群を総合化すると、鍛冶屋敷遺跡では極めて大規模かつ計画的に銅の精錬および大型製品の鋳造が行われていたことが明らかとなり、大仏の造立、甲賀寺の造営が古代国家の総力をあげた事業であったことを証明した重要な価値を持つものと評価できる。