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自主防災活動手引き集(岩佐卓實さん)

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地域防災アドバイザー

岩佐卓實さん

アドバイザープロフィール

  • 所属団体・役職等:しがいち防災研究所 主任研究員
  • 活動実績(活動歴):元湖南広域消防局長、元草津市危機管理課消防防災推進専門員として、災害現場での経験をもとに、自主防災組織や各種団体等への出前講座や各種訓練を体験型、参加型に形を変えて、参加意欲を高める工夫を講じながら、防災知識の普及啓発に努めてこられる。また、「毎月17日は防災おにぎりデー」として、草津市を中心に災害記憶の風化を防ぐために、誰でも参加しやすい防災活動(防災おにぎり委員会)を呼びかけ、賛同拡散してこられる。

「自主防災」ここがポイント!

  • 「防災をお祭りに、わかりやすく、楽しく防災体験」をモットーに 、いろんな人を巻き込んでおもしろおかしく防災について体験型の活動を行う。
  • 1月17日、3月11日、9月1日といったメモリーデーにその時々のイベントを行い、災害記憶を風化させない。

Q.草津市危機管理課消防防災専門員としてどのような活動をされていたのでしょうか?

  • 消防職員を退職後、市役所で働くようになり、町内会や子育てサークル、各種団体等への体験型、参加型を意識した出前講座や訓練の実施等を中心に、平成30年3月まで5年間活動してきました。
  • 活動を通じて、子育て、まちづくり、環境、土木といった様々な部署と関わるようになり、消防単体ではなく複合的な取組ができるようになってから、防災対策は、消火、救助といった消防が主力でないことに気づかされました。
  • 小さな子供や、子育て世代、高齢者など色々な立場の人と関わるなかで、地震のメカニズムや被害想定といった形だけではなく、日頃からの地震対策や避難所での生活、人と人とのつながりの大切さといったことにも重点を置き中身を膨らました出前講座や訓練を行ってきました。災害弱者を減らし、災害時に自力で行動できる人を増やすことが大切だと感じています。

Q.日頃の防災活動を通じて感じていることや、県内の自主防災組織にとって参考となる取組などを教えてください。

  • こちらからの一方的な話だけでなく、参加者を巻き込み、語り合うことが防災においては大切だと考えています。
  • 防災おにぎりデーをはじめ、シェイクアウト訓練、防災コンサートといったイベントに携わってきました。
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防災おにぎりデーは、阪神・淡路大震災が起こった1月17日を忘れないようにするため、毎月17日におにぎりを食べながら、食の大切さや防災について考える取組です。きっかけは、町内会に属していないマンション暮らしの子育てサークルの方たちが、防災に対して不安をお持ちでしたが、自分たちが心配や不安に思っていることを語り合い、情報共有しながら、自分たちができることは何かを考えてみてはどうかと提案したのがはじまりです。こちらはきっかけを与えたに過ぎず、今ではその方たちが中心となって「防災おにぎりデー」の取組が県内各地で広がっています。お金や手間をかけずに、意識はいくらでも変えられると思います。

Q.しがいち防災研究所の主任研究員として、今後どのような活動を進めていかれるのでしょうか?

  • 消防職員を退職後、自らの経験を活かした地域貢献があまりできていないと思っています。消防のOBを中心に、NPO法人を立ち上げるべく準備を進めています。町内会や各種団体への出前講座や防災訓練の指導といった防災活動を支援する取組をしていきたいと考えています。

最後にひとこと

  • 町内会を単位として、市町からお知らせが届いたり、避難所が運営されたりすることが多いですが、果たして災害時にうまく機能するのか疑問に感じています。
  • 1月17日(阪神・淡路大震災)、3月11日(東日本大震災)、9月1日(関東大震災)といったメモリーデーに時々のイベントメイクをすることが防災の意識づけにつながるのではと考えています。
  • 子ども、子育てサークル、高齢者、市民団体といった様々な立場の人を巻き込み、おもしろおかしく防災について体験する、考えることがポイントです。そうすることで、楽しみながら、自然に、防災の意識や知識が浸透させることができると考えます。このような場で、よく似た境遇どうしの者が、何が不安なのか、何が聞きたいのかということを話し合い、聞き合って、情報共有すること、どんな微力なことであっても自らできることは何なのかを分かってもらうこと、考えてもらうことが大切です。
お問い合わせ
滋賀県知事公室防災危機管理局防災対策室
電話番号:077-528-3432
FAX番号:077-528-6037
メールアドレス:[email protected]