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自主防災活動手引き集(中島仁史さん)

nakajima
地域防災アドバイザー
中島仁史さん
アドバイザープロフィール

アドバイザープロフィール

  • 所属団体・役職等:あずま自主防災会事務局長/日本防災士会防災士
  • 所属団体概要: 平成17年に、甲賀市土山町内の「南東区」と「北東区」が合同で設立。2つの区は中山間地域にあり、東海道を挟んで隣り合う宿場町である。
  • 活動実績(活動歴):会社勤めのかたわら、設立当初から事務局長として、防災会の中心的な役割を担う他、甲賀市災害福祉ネットワーク委員会委員長を務め、平常時と災害時の福祉を視点にした防災活動を勧めている。

「自主防災」ここがポイント!

  • 「ボチボチ」「楽しく」活動する
  • PDCAサイクルで活動にストーリー性を持たす
  • 「地域防災」活動はまちづくり

Q.防災会の活動に参加するきっかけをお教えください。

  • 防災会は、平成17年に当時の区長さんが、区民を守る責任ある立場から災害時に指揮命令できる組織を作ろうと設立しました。阪神・淡路大震災以降、大きな地震が続いた中、大災害では公的機関による救助が困難だと知ったことがきっかけでした。
  • 私自身は、建設コンサルタントとして、自然災害から人命を守る構造物の設計に取り組んできました。しかし、近年、今までに経験したことのないような大雨による洪水の氾濫や土砂災害によって、多くの方々が甚大な被害を受けるようになってきました。 だんだんとハード対策に限界を感じるようになった私は、ソフト的な防災対策に取り組んでみようと、防災会の立ち上げから事務局長として参加することにしました。

Q.防災会の活動する地域は、どのような特性がありますか?

  • 私たちの地域は、中山間地域で、昔は農業や林業が産業の中心でしたが、現在は、他地域へ勤める人が増加し、地域のつながりが少しずつ薄れています。また、一人暮らしの高齢者や、高齢者世帯が増えてきています。災害時に犠牲になられる多くは、このような要配慮者と呼ばれる高齢者の方々です。そのような中、防災活動を通じて、地域にいいあんばいのつながりを復活させ、要支援者を支援しようと考えています。

Q防災会の組織ついて教えてください。

  • 会長、副会長は、2人の区長のうち、一方が会長、もう一方が副会長を務めます。その他に、会長などを補佐する事務局と、防災隊(情報班、消火班、避難誘導班、救出班、医療班、給食給水班)を設けています。会長、副会長は、区長の任期により交代しますが、事務局と防災隊は任期を設けていません。また、事務局と防災隊は、まちづくりの視点にたって、やりたい方がやる参加型の人員配置としています。
  • 何事もリーダーがいないと活動は進みませんが、リーダーだけでは何も進みません。隊員の皆さんが活動の主人公でなければ、継続的な活動は望めないと思います。隊員には、いろいろな特技やスキルをお持ちの方がおられます。この方々にふさわしい役割を担って頂き、リーダーと隊員が相互に協力することが大切です。

→あずま自主防災会の概要

Q.防災会の活動方針をお教えください。

  • 一つは「ボチボチ活動する」です。防災活動の範囲は広く、また深いもので尽きることはありません。しかし、あれもこれもしなくてはと急がないで、いつも自分たちの活動を振り返る余裕を持ち、ボチボチ実績を積み上げることが大切であると思います。
  • もう一つは「楽しく活動する」です。防災活動は、地域の人々のつながりを深めていくことが大きな目的の一つだと思います。食って、飲んで、喋って、ワイワイガヤガヤは、活動に欠かすことができず、運営上も楽しく活動することを心がけています。防災活動は、真剣な顔をしてやるものだという人もいますが、久しぶりに会った隣近所の人と楽しく話しをするくらいの方が、うまくいくと思います。

Q.「ボチボチ活動する」とのことですが、活動を継続するために、どのような工夫をしていますか?

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  • 継続的な活動のためには、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)のPDCAのサイクルにより、ストーリー性を持たせることが大切です。私たちは、一つの活動を実施しますと、みんなで活動についてチェックすることを心掛けています。実施した活動に欠けていたものは何か、今後の課題は何か、といった意見をみんなが出し合うようにして次の活動に結び付けていきます。
  • 例えば、HUG(避難所運営ゲーム)を実施したときには、避難所の課題を皆で話合い、次に避難所計画の作成につなげていきました。このような方法は、活動継続のポイントでありますが、みんなが意見を出し合うことでみんなが合意した活動にもなります。
  • また、時には自分たちの活動がマンネリ化していないか、地域の人の思いが届いているかなど、みんなの意見を聞いて全体の活動を振り返ることが大切だと考えています。特にワークショップは、若い人や女性の新しい意見を聞いたり、取り入れたりするのに有効です。

Q.防災会の具体的な活動をお教えください。

  • 防災会の活動を始めるにあたっては、「DIGや防災マップによる課題の抽出」を行い、私たちの地域の課題を見つけることから始めました。地域の特性によって起こりうる災害の種類が違うでしょうし、被害や対応の内容も変わると思いますから、活動は、やみくもに始めるのではなく、DIGや防災マップの作成から始めるのが有効です。
  • 毎年基本2回、区民の方を対象に広報誌「あずま防災通信」を発行しています。平常時の防災活動や啓発を内容としており、区民の皆様の防災意識を高める効果があるのではないかと思います。
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  • 年1回、区民と防災会が一緒になって、「区民避難訓練」を実施します。防災隊による初期消火訓練、避難誘導訓練、炊き出し訓練など災害時の訓練と区民による消火訓練、バケツリレー、AED講習などを組合せ、災害時を想定した訓練を実施してきました。二つの区の区民と防災隊が一緒になって行う訓練は、区民のつながりを醸成することにもなると考えています。
  • 避難所での災害関連死が多いことから避難所計画に取り組んでいます。私たちの避難所は、中学校ですので学校関係者と協議を行い避難時に使っていい教室や立入禁止区域等を明らかにし、避難者配置計画を作成しました。また、避難所本部をはじめゴミの管理や掃除を行う班や手洗い場やトイレの衛生管理につとめる班などを設け、避難生活を少しでも快適に続けるための住民による役割分担を決めています。

Q.防災会が協力をお願いしている団体はありますか?

  • 区民避難訓練時には、地域の消防団の皆様に協力を頂いています。また、避難行動要支援者個別計画は、区長、民生委員と情報を共有しています。

Q.地域防災に取り組んでみて、面白みややりがいはどういうところにあると感じますか?

  • 避難行動要支援者支援活動は、「地域福祉」活動ですし、防災活動を子供たちと一緒に行えば「防災教育」であり、地域の子育てにつながっていくでしょう。地域にいるからこそお会いできる様々な層の方と活動することは単純に楽しいものです。防災活動を通じて自分たちの地域をより住みやすくしていくという「地域づくり」が進んでいくことを期待しています。
お問い合わせ
滋賀県知事公室防災危機管理局防災対策室
電話番号:077-528-3432
FAX番号:077-528-6037
メールアドレス:as00@pref.shiga.lg.jp
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