琵琶湖の中にはどのような生き物がすんでいるのでしょうか?
琵琶湖は生き物の宝庫であり、魚、貝、プランクトンなど多くの種類が生息しています。琵琶湖にしかいない種もいます。
プランクトン
水中を漂っている小さな生き物をプランクトン(浮遊生物)と呼びます。琵琶湖には約200種の植物プランクトン、約120種の動物プランクトンが生息しています。
植物プランクトンは、湖沼の食物連鎖の基盤として重要な役割を果たしています。植物プランクトンは、動物プランクトンに食べられ、また、動物プランクトンは、小型の魚介類などの重要なえさともなっています。
動物プランクトンの中には、防御の機能や戦略で捕食者から逃れようとするものがいます。その方法は、瞬間的に遊泳速度を上げる、形態を変化させる等、様々あります。例えば、琵琶湖で多くみられるカブトミジンコは、頭を尖らせ変身することによって、捕食者から身を守っています。
底生生物
海や湖、河川の底にすむ動物を底生動物と呼びます。琵琶湖の底生動物は、湖の生物種の3分の1以上(約700種)、固有種の3分の2近く(38種)を占めます。固有種数が最も多いのは軟体動物(貝類)の29種です。
魚
滋賀県には、現在65種(うち、琵琶湖には45種)の在来魚が生息しています。中でも、琵琶湖の長い歴史の中で、独自の進化をとげた魚や琵琶湖にのみ生き残った魚(固有種)は16種もいます。
琵琶湖の特徴的な環境と約400万年の歴史のなかで、次の2つのタイプの固有種が生まれました。
独自の環境で進化した魚
特徴的な環境である沖合いや岩場へと移り住み、そこで独自の生活様式を獲得しながら新しい種類へと進化していった魚です。ビワヒガイやスゴモロコは周辺の河川に生息していた祖先種から現在の琵琶湖で進化した種であると考えられています。このような種類は「初期固有種」と言われています。
琵琶湖に生き残った魚
現在の琵琶湖が成立する以前から種分化が起こり、長い歴史の中で琵琶湖にのみ生き残った種です。ビワコオオナマズ やゲンゴロウブナ、ワタカがその代表で、このような種類は「遺存固有種」と言われています。
滋賀県では、オオクチバス(ブラックバス)やブルーギルなどの外来魚を駆除する取組を進めています。これは、在来魚やエビなどを食べることによる被害が深刻で、生態系のバランスを崩しているからです。
このページは、2018年3月に滋賀県が発行した「びわ湖を学ぼう」(琵琶湖ハンドブック概要版)を一部修正して掲載しています。一部の画像は琵琶湖博物館提供。
原文はこちら(URL:/ippan/kankyoshizen/biwako/11346.html)
※当ホームページに掲載の文章・写真・イラスト等の無断転載を禁じます。