ここから本文です。

現在の位置 滋賀県立総合病院臨床研究センター > 研究発表・公開講座 > 昨年度以前 > 2020年度 > 山内副所長が第63回日本脳循環代謝学会学術集会でシンポジストとして発表しました。

更新日:2020年12月23日

山内副所長が第63回日本脳循環代謝学会学術集会でシンポジストとして発表しました。

  • 発表日
    2020年11月14日
  • 学会名
    第63回日本脳循環代謝学会学術集会
  • 開催地
    パシフィコ横浜
  • 演題
    貧困灌流とアミロイド蓄積
  • 演者
    山内浩
  • 要旨
    【目的】ゲッシ類では,頸動脈狭窄を加えると,脳アミロイド量が増加し,アルツハイマーモデル動物では,アミロイドの蓄積が加速する.本研究では,アテローム硬化性脳主幹動脈閉塞性疾患患者において、貧困灌流(酸素摂取率増加)とアミロイド蓄積の関係を検討した.
    【方法】片側性に,内頸あるいは中大脳動脈に狭窄または閉塞を有し、大脳皮質に梗塞のない患者13例を対象とし,PETと<SUP>18</SUP>F-FPYBF-2を用いて,アミロイド蓄積量を求めた.dynamic dataを用い,Logan graphical analysisにより,distribution volume ratio(DVR)を計算した.
    DVR大脳皮質半球平均値と<SUP>15</SUP>O-Gasを用いて求めた脳血流量,酸素代謝率,酸素摂取率との関係を検討した.
    【結果】健常側半球と比べて,病変側半球の血流量と酸素代謝率は低下し,酸素摂取率は増加していたが,DVRは半球間で差がなかった.DVRの病側/健側比は3例で増加しており,酸素摂取率の病側/健側比は4例で増加していた.
    DVRの病側/健側比増加の頻度は,酸素摂取率の病側/健側比増加のある群(3/4)で,ない群(0/9)よりも有意に高かった(P<0.02).病変側半球のDVR値は、重回帰分析により健側半球のDVR値を調整すると,酸素摂取率値と有意に正相関していた(P<0.05)が,酸素摂取率の寄与度は小さかった(5%).
    酸素摂取率の病側/健側比増加4例中,DVR値で評価したアミロイド陽性基準を満たしたのは1例のみであった.DVRの病側/健側比は酸素代謝率の病側/健側比と正相関傾向にあり,酸素代謝低下領域ではDVRは低下傾向にあった.
    【結論】貧困灌流は,軽度アミロイド蓄積増加に寄与している可能性がある.酸素代謝低下領域は不完全梗塞を示唆し,アミロイド蓄積は低下する可能性がある.